209.海蛇
■ 海蛇 ■
外海に現れる大蛇
強力な電撃で周囲の生物を一掃する
小島に住む金の蛙が好物でその小島の周りに生息する
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とりあえず、グダグダになってしまったので、全員揃って蛇攻略できる日を決め、それまではまったり島探索をしていた。
そんなに広い島ではなかったが、のんびりするには丁度よい具合だった。
しかし、あっという間に攻略当日、食事は浜辺で釣れた魚を使った潮汁。
上品な味の白身魚が手に入ったので潮汁にしたが、まあまあうまくいって、術威力に補正がついた所で、蛇釣りに移る。
「取り出したるはコレ!とび丸の竿TW!」
と、どこかで見たことがあるような竿を出し、顔の大きさ位はある金の蛙をそのまま釣り針に引っ掛けている。嵐の岬の釣り師?釣り人?まあ、釣りのおじさんだ。
そして、思い切り振りかぶって金の蛙のついた針を海に投げ込む事、数秒。
「おおい!かかったけど、引いちゃって良いのか?」
と釣りのおじさんが聞いてくるので、すぐに釣り上げてもらうことにする。
流石にこれからボスと戦おうと言うのに準備が整っていないわけが無い。一応一撃目を警戒して密集隊形にはなっている。
釣竿を思い切り立て、引っ張ると水中から巨大な蛇を引きずり出し、空高く舞い上げる。
正直、糸が何故切れない。そしてどんな筋力してるんだ。あんな大物釣り上げるとか・・・。
見間違えるはずも無いレギオンボスサイズ。単体のレギオンボスはやはりでかい。
部下を引き連れている場合はいくらかサイズ控えめなのだが。
砂浜に落っこち、砂を巻き上げたその勢いで釣りのおじさんがどこかに飛ばされる。
蛇の動きを待っていたが、どうやら釣り上げられた衝撃で、動けないらしい。
「とりあえず、先制攻撃と行こう『行くぞ!』」
戦陣術 激励
一斉に攻撃を仕掛ける。相手が動けないうちはまず隊列より囲んで殴ることにする。
折角術威力が上がっていることもあって、皆術を使って強ダメージを与えていく事を優先する。
すると、蛇が動き始め、鎌首をもたげ始める。
「一回全員集合!密集隊形」
すぐに防御できるように体勢を整える。
蛇が口を大きく開け牙を剥き出す。そして、音にならないシューシュー細く息を吐き出す音が聞こえる。
ダメージの無い衝撃を感じると同時に、
「『行くぞ!』」
戦陣術 激励
相手の威嚇を中和する。
そのまま、蛇が身震いすると全身を電気が走るようなエフェクトが走る。
戦陣術 岩陣
防御用<戦陣術>を発動すると同時に、青い電気のエフェクトが蛇の周りに波のように発生し押し寄せてくる。
「おい!電気うなぎならぬ電気蛇かよ!」
一先ずしのいだが、もし水中でくらっていたら避ける事も出来ずに、大ダメージだったろう。宝樹の言うとおり釣ってから戦って助かった。
防御陣形の割にダメージが大きく、タンク達の回復を急ぐ。
攻撃前衛を前線に出し、睨み合いになる。
牙を剝く蛇はゆらゆらと横揺れし、何かをしてきそうでしてこない微妙な間で牽制してくる。
赤騎士とバルトの二人が近づいていく。
そして、一瞬の間に赤騎士に噛み付きかかる蛇。
即反応し、剣を振れば蛇の牙に当たり、直撃を避け反動で砂浜を転がる赤騎士。
反対側から蛇の頭に両手大剣を叩きつけるバルト。
そして攻撃前衛が一斉に蛇に襲い掛かる。
しかし、急速に動き、丸まっていく蛇に触れるだけで吹き飛ばされる前衛達。
「ちと、近づけないか。遠距離術で少し削ろう」
前衛達を少し引かせ距離を取らせて、遠距離攻撃を行える者だけでダメージを与えていく。
バルトと赤騎士は何もしないところから、多分二人は近距離専門なのだろう。
尻尾を完全に巻き、塊になると持ち上げてた頭を引っ込め体を縮め、
大きく空に飛び上がる蛇、上空を見上げ着地点を見定める。
「全員とにかく走れ!必死に逃げろ!」
こちらの隊列のど真ん中に落ちてくる蛇。
巻き上がる砂と衝撃に片っ端から吹き飛ばされる。
残ったのはタンク達と自分、他は吹き飛ばされたり、転がされたり、砂にまみれている。
仕方が無いので、青騎士と自分が中心に蛇を囲む。
頭から砂に突っ込み、動きを止めている蛇に近づき、攻撃を加える。
頭を砂から引っこ抜く時にまた砂を巻き上げる蛇だが、気にせず、攻撃を加えるタンク隊。
体勢を整え、再び噛み付いてくる蛇。今回は自分。
大口を開けた蛇を転がって避ける。
再び蛇が頭を砂に突っ込んだところで更に攻撃を加えていく。
吹っ飛ばされた者達も再び攻撃に参加し始める。
苛立つように小刻みに震え始める蛇。
「もう一回密集隊形!」
すぐに号令をかけて、集める。
そして蛇がまた体を大きく震わせた瞬間に、
戦陣術 岩陣
やはり先程の電気の波を食らう。
密集隊形に間に合わなかった者達が脱落する。
そして、今度は全身に青い電気のエフェクトを纏ったままの蛇。
これには、流石に攻めあぐねてしまう。
「これ、どうしようか?」
「いや、隊長が指示出せよ」
「だって、電気纏ってるやつどうやって攻撃するのさ」
「とりあえずは術当てるしか無いだろうが、後はどうするか」