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204.死者の平原の砦

 ■ 紡錘陣 ■


 <戦陣術>の一つ、縦隊のとき補正がある

 攻撃的な陣形で、移動力と攻撃力が上がる

 ダメージを上げるよりも突進力や貫通力に優れ

 主に敵陣を分断し、敵隊列を無効化する目的で使われる陣形


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


 「とまあ【王都】からそう遠くも無いここが死者の平原だ。この世界の中心辺りで、尚且つ広い土地ゆえに、幾度も激しい戦いがあったそうだ。そして死んでなお天に帰れない者達がうろつくようになり、死者の平原と呼ばれるようになった・・・らしい」


 「天とかそんな宗教観あったっけ?にしても、ここもアンデットか」


 「天というのは言葉のあやだ。まあ、他所にもアンデットはいるらしいが、ここは骸骨だ。人サイズの敵が多いな」


 「へ~骸骨系か、そういえば確かに会った事無かったかも」


 「それで、あそこに見えるのが、砦だ。今もなお国を守ろうとする騎士がいる。倒して認められれば、騎士になれるっていう流れだ。今回は無理みたいだが、どうする?ここから先プレイヤー二人以上で行くとストーリーが進行しない仕様なんだが」


 「確か、ユニオンボスが待ち構えてるんだよね?念のため、自分と借りた【兵士】だけで行ってみるわ」


 「分かった、気をつけてな」


 そして、青と分かれて砦に向かう。金と黒はそもそも平原までついてこなかった。金はなんかピエール?とどこかに出かけた。


 砦に近づけば、うっすら靄がかかり、人影が見える。


 結構な人数が広がって見える。


 近づくと正体が分かる。骸骨の集団だ。


 簡素なヘルムを被り、胴あてを着けた剣を持つもの、ヘルムだけ被った弓を持つもの、中盾と槍を持つもの、鎧兜だが顔が骸骨の騎兵。


 ユニオンボスって聞いてたのに、100体はいるんだけど。


 しかも、もう、完全に戦う気じゃん。


 と言う事で、大急ぎでこちらも準備。

 

 【王国】兵は騎士を中心にした20人編成で一塊、それが5部隊。


 個人的には兵種ごとにまとめたいのだが、


 馬に乗った騎士1体、盾持ち歩兵5人、弓歩兵5人、剣持ち歩兵5人、術兵3人。


 その塊で動いてる。


 そして、敵も同じような編成だ。


 ん~一先ず<戦陣術>で、少しでも有利になるようにもって行くしか無いか?


 「よし、突発だが『行くぞ!』


戦陣術 激励


 同時に敵陣奥に大きな黒い旗のようなエフェクトが現れ、風にたなびくと敵の士気も上昇する。


 ふむ、士気を下げてくるタイプじゃなくて、こっち同様上げてくるタイプか、初めてかもな。


 まずは双方申し合わせたように騎士が前に出る。


 突撃槍を構えているが、正面からぶつかり合う気だろう。


 このまま防御を上げても、突撃しての一発狙いじゃ焼け石に水か。


 近くに居る術士に聞く


 「ねえ、術って何使える?」


 「はい!火精術を使います」


 ん~土とかの方が足止めには良いんだがな。


 「じゃあ、騎士達突撃しても良いけど5人固まって、ぶつかって!」


 なんか驚いたような顔をされるが、一応指示に従って、5人で一塊になる。


 「騎士以外は盾兵を前に出して、防御」


戦陣術 戦線維持


 敵方も何か術を使ったと見える。敵騎士にバフがかかったのが見える。


 「こちらも騎士達に術を使っても?」


 「じゃあ、任せる」


 そう答えるやいなや、突撃槍に火のエフェクトが燃え始める。多分火属性を乗せたってところだろう。


 そして、双方突撃


 真ん中の2体をはね飛ばし、5人一組は敵陣に突っ込む。


 そして敵の残り3体が、向かってくるが、盾持ちで阻む。


 こちらの騎士達は敵歩兵達をいくらか蹂躙し、戻ってくる。


 敵騎士達は最初にはね飛ばした2体は辛うじて生きて?敵陣に帰り、残り3体は盾兵で勢いを殺した後歩兵たちで囲んで倒しきった。


 まだ、3体しか倒していないが、滑り出しは上々だろう。


 敵は盾兵を前に出し、全体で向かってくる雰囲気だ。


 ならば、こちらも


 「盾兵、剣兵、弓兵、術兵及び騎士の順に並び横隊!」


 隊形を横隊に替え、待ち受ける。


 敵後方で、大きな剣のエフェクトが見えると敵全体に何かの術がかかり、同時にこちらに向かってくる。


 「よし、待ち構えて『行くぞ!』」


戦陣術 激励

戦陣術 方陣


 勢いをつけてぶつかってくる敵軍と力を溜めて凝縮した力で対抗する自軍。


 両者前線が動かなくなった所で、術と弓の打ち合い。


 敵の方が最初の勢いを殺されて圧力が弱まったところで、


 押し返していくことにする。


 「よし、剣兵用意しろ」


戦陣術 後詰


 前戦の盾兵と剣兵が入れ替わり、相手前線から浸透し、敵2列目剣兵に襲い掛かる。敵盾兵は術兵に火精術をくらい倒れ始める。


 こちらの盾兵は一番後列まで戻り、手当て中だ。


 ちゃんと自分達で手当てできる辺り、優秀だな。見本のような【兵士】


 時折降ってくる矢に手当てを中断されるものもいるが、現状の生き残りの数ではこちらがどんどん有利に傾いている。


 後詰の勢いがなくなりそうなところで、一回引きたいなと感じたのと同時に敵が引き始める。


 なんとなく、戦闘の間が合う敵だ。盤面上有利だが、まだ敵ボスの姿は見えていない。気を引き締めねば。


 今度はこちらから攻勢をかけてみるかと隊列を変更する


 「5列縦隊!並びはさっきと同じ盾兵、剣兵、弓兵、術兵。騎士だけは5人固まって待機!」


 騎士はまたぎょっとした顔でこちらを見てくるが、悪いけど名乗りを上げて一対一はやらせられないよ?


 そしてはじめて使う戦陣術を発動する。


 「このまま押して『行くぞ!』」


戦陣術 激励

戦陣術 紡錘陣


 攻撃力の上がる陣形で敵を分断するつもりだったが、


 何故か相手もこちらの動きを見合わせたように縦隊を組んでいる。


 縦隊同士でぶつかり合い消耗戦を始める。


 ならばと、騎士達を動かし、横っ腹を食い破ってやろうと思ったところで、敵ボスの姿が見える。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 確かユニオン相手に20人を超える人数で挑むと、そこからさらにユニオン引っ掛けるって馬国で赤が言ってたけど、隊長のこれはやっぱりすでに別物のクエストになってるね 100人引き回しって時…
[一言] >名乗りを上げて一対一はやらせられない やめたげてよぅ!
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