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203.【王都】

 ■ フラノコルム ■


 別名【王都】

 【王国】の首都に当たる都である

 プレイヤーでは騎士になりたいものが行く事になる都でもある

 現状所属プレイヤー人数が最も多く、最も分かりやすいファンタジー都市と言われるが

 当たり障りの無い欧州風の街なみである


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////



 無事ガイヤに勝ったものの船を譲渡するのに日数がかかると言う事で【王都】に来た。


 あのまま、闘技場のあたりうろついていたら、恥ずかしさでおかしくなってしまう事が必然だったから、


 はっきり言えば逃げてきた。


 ポータルもあることだしどこに逃げても良かったのだが、一度騎士殿を訪ねてみようかと思い立って、来てみたのだ。


 【馬国】ダンジョンでも、サバイバルでもお世話になったし、お酒でも渡そうかと思ったそれだけだ。


 恥ずかしさを忘れるまで飲める相手がいないかと思って、前に赤騎士からクランハウス?とでも言うのか、クランで集まれる集会用の家の場所を聞いていたので訪ねてみた。


 しかし、残念な事に騎士殿は不在。どうやらまた困ってる人を助けに行っているのだろうとの事、


 そして、クランハウスにいたのは三人、正直あまりしゃべったことが無い、金と青そして、しゃべらない黒。


 「すまなかったな、マスターか赤でもいれば、よかったのだろうが、今日はたまたま我々しかいない」


 「折角来てくださったのですから、是非ゆっくり過ごしていかれたらいいわ」


 「あっいやそういう事なら後日また出直しますよ、さよなら~」


 「まあ、そう言わずゆっくりして行くといい【王都】へは何か目的があってきたのだろう?」


 「いや、騎士殿とお酒でも飲もうかと思って」


 「そうか、残念だな俺は酒を嗜まない」

 

 「私は飲みますが、この時間からはちょっとご遠慮します」


 「ですよね~昼日中からお酒なんて退廃的ですよね~」


 「ところで話は変わるが隊長殿は100人を率いることが出来るとか、もしその気が有るなら騎士のクエストを受けてみないか?」


 「騎士のクエスト?」


 「うむ、騎士になるにはユニオンボスを撃破せねばならないのだが、最近NPCを20人率いれば、普通に倒せる相手だと分かってな。騎士はレアジョブから普通のジョブになってしまったのだ。ならばいっそ騎士になるための攻略情報とガイドラインを作ろうという話になっているのだ」


 「それはまた気前が良いですね。折角のアドバンテージを捨てるなんて」


 「寧ろ隠す事でクランメンバーが他に流れるより、うちにいれば確実に騎士になれるという方が、良いのでは無いかと思ったまでですわ」


 「でも、自分は【帝国】所属だし、早々なれるものじゃない気がしますけど?」


 「それならそれで【王国】に所属することが条件となるわけだ。そう言った部分も汲んでのガイドラインだろう」


 ん~あわよくば自分も騎士職を取れる。多分称号職なのだろう。先方は騎士職になるための条件を詰めれると。どちらかというと自分得な気もするが、ウィンウィンならいいか?


 「じゃあ、時間つぶしに受けてみましょうか」


 「そうか、時間取らせて悪いな」


 「いや、別に任務続行の為の待ち時間中ですから、自由時間みたいなもんですよ」


 そう言って三人と連れ立って【王国】の【兵舎】に着く。


 【兵舎】は小さな城だ。館なのかもしれないが、自分の感覚的にお城だ。


 綺麗な赤い屋根は尖り、全部で三つ。屋根から円柱が伸び、円柱の周りを独特の模様で意匠が施されている。


 三つの塔の土台となる横に広い建物は2階3階に綺麗なガラス窓になっている。ガラス窓の枠にも塔と似た意匠の模様が施されている。


 中に入れば、すぐさま【兵士】達が集まってくる。


 「ピエール、こちらの隊長殿と死者の平原の砦に向かおうと思うのだけど」


 そう、金騎士が一人のヒュムに声をかけるが、


 「なんか一人だけ【教国】風ですね」


 つい思った事が出てしまった。


 「分かりますか・・・父や兄弟に似ているので、分かるかもしれないと思ったのですが、私は神に祈るよりも体を張って他人を守れる人間になりたかったのです」


 「いや【教国】の方々も体張ってましたよ?」


 「いえ、私はもっと汗の似合う、野性味のある騎士に憧れたのです」


 「いや、皆プレートメイルで受けて法術で回復して、粘り強くて、暑苦しかったですよ」


 「いえ、父も兄弟も貴公子のような優面、もっと力強く豪快な男でありたいのです」


 「いや・・・」


 「それ位で宜しいかしら?」


 「あっなんかすみませんでした」


 青騎士もいつの間にか仲の良さそうな【兵士】達に囲まれているが【王国】の人たちの容姿は良くも悪くも普通のファンタジーというか洋風の人だ。


 「【帝国】の【上級士官】殿とお見受けします!この度は重要な任務の最中にお立ち寄りいただきありがとうございます。

 死者の平原に向かわれるとの事で、我々も出来うる限りの協力をさせていただく所存です」


 急にはきはきしゃべる【兵士】が現れて話しかけてくる。


 「嗚呼、それはどうも。ただ自分は騎士の称号を得る為の魔物を倒しに行くだけですよ?後自分は【特務上級士官】です」


 「申し訳ございません!騎士の称号を得るには所属国家と規定任務の完了条件が整っておりません。しかし死者の平原に行かれると言う事であれば、すぐさま100人ほど兵をつけさせていただきますので、どうぞお引き回しください」


 「ええっと、自分【帝国】の人間だけど?」


 「はっ、構いません!上からの指示で最大限配慮するようにとの事です」

 

 「隊長・・・噂には聞いてたけどやっぱり凄いんだな」


 「いや、自分にも何のことだか分からないけど、騎士にはなれないみたいよ」


 まあ、この期に及んではどうしようもなので、死者の平原とやらに行ってみる事にする。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 各国でテンプレ顔みたいなのがあるんだ 隊長って帝国顔? [一言] >皆プレートメイルで受けて法術で回復して、粘り強くて、暑苦しかったですよ これ以上暑苦しく汗臭くって、もう整形するしか…
[一言] この会話だけで条件2つ確認……隊長が聞けば全部教えてくれるのでは?
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