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200/613

200.記者会見

 ■ 記者会見 ■


 本ゲーム内では時折行われる

 何か責任を取らされて謝罪会見を行うような類ではない

 しかし、それによって観客の客層が代わる事で評価基準も一緒に変わることがある為

 よく考えて発言したほうが良い


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 うん・・・なんでこうなった?


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 ログインして闘技場観戦をする日が何日か続いた。あれ以来絡まれることは無い。


 たまにはプレイヤーの闘技も観戦して、術や武技も確認した。


 ただの威力だけの技も術も怖くは無いが、厄介そうな物もいくつかあった。


 例えば盾の吹き飛ばし技、かなり強力なノックバックを発生させる技で、リングアウトがあるルールならかなり有効だ。


 他にも飛ばし系は、連打から、一撃の範囲が広いもの、地面から噴出すもの、空から降るもの、複数の方向から同時に襲い掛かるものなど、結構多彩だ。


 研究しつつも自分で使うスキルを確認していたが、いつのまにやら合成できるものがあった。


 <言語>+<分析>+<索眼>+<解除>=<探索者>

 アビリティは三つ ()()() これは固定 

          ()()() これは<索眼>の()()()を継続するためのもの

          ()()() これは<分析>の()()を引き続き使うためのもの


 <跳躍>+<疾走>+<登攀>+<水泳>=<越障者>

 このアビリティも三つ ()()() そのまま固定

            ()()() 水に潜る能力及び、肺活量の向上

            ()()() 移動能力全般向上


 とまあ、こんな感じ<索眼><解除>は最近手に入れたばかりの気もするが、流石に自分でも気がついた。


 邪神の尖兵倒すとステータスとスキルの熟練度が大幅に上がってる。


 かなり身体能力と感覚に誤差が出てきているのを感じてる。多分邪神の尖兵ってプレイヤーにとっては経験値を大量にもらえるような存在なのではなかろうか。


 うん、この任務で今まで引きこもってた分も一気に強くなれるよって事なのかな?


 そんなこんなして過ごしていたら、完全武装で、闘技場横のホールに来るようにガイヤから言われ行ってみたのだ。そしたら。


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 一段高くなった台に長机があり、椅子がいくつか横並びに並んでいる。


 そして、向かいには一段低い場所に整然と並んだ椅子。こちらは横に5列縦に5列いずれも壇上を向いている。


 そして、そこにかける人達。


 一個あいているのは長机の一番隅。


 ガイヤにジェスチャーでそこにかけろと指示がある。


 とりあえず椅子にかければ、全体が静まり、司会らしき人が話し始める。


 そして、例のスポンサーさんがなにやら説明しているが何も頭に入ってこない。


 どう考えても、記者会見だ。自分なんか不祥事やらかしたか?人生で記者会見することがあるなんて想像もした事無いんだが・・・


 「それではお二人の意気込みをうかがいたいのですが」


 「そうだね!一度は土をつけられた相手だが、でもそれは向こうのフィールドだから!一対一でこちらのフィールドで負けることはないね」


 「えっと、将軍殿は?」


 「自分は将軍じゃない」

 

 「えっと・・・?」


 「代わりに説明させていただきますね。こちらのお方は現役の【上級士官】様でらっしゃるので、あだ名で呼ばれても困ってしまいますわ」


 「それでは【上級士官】殿、炎の巫女殿はああ言っておりますが、勝ち目はありますか?」


 「算多ければ勝ち、少なければ負ける。結果を見れば分かる」


 「流石だね!じゃあ、ちょっとだけ教えてあげるよ!相手は氷精の使い手さ、そりゃあ【帝国】所属だし、さもありなんだけどね、当然耐性装備はさせてもらうよ。これが勝算の1。この他にも色々用意はさせてもらってるさ」


 「無効装備って言わない辺りが正直だよね」


 「ふん!精霊術無効化なんて、そうそう無いよ。ブラフにしても盛りすぎだね」


 「質問ですが、先日【上級士官】殿は場合によっては軍を率いて炎の巫女殿のクランを攻めるとほのめかしたとか?」


 「それについては、自分達の試合を快く思わないものからの妨害を受けそうだったので言ったまでです」


 「妨害ですか?明らかに闘技場の方が炎の巫女殿に有利の筈ですが?」


 「何の効果も無い服のみで武器も持たずに闘技場見物している人間を集団で取り囲んで恫喝するのが妨害じゃないと?」


 「まあ、それは終わった事さね。結局アタシらはこうやって戦う事になったんだし」


 その後もこんな調子で、記者会見が続いたが、緊張して何話したか覚えてない。


 記者会見後ガイヤに話を聞く。


 「いつもこんな事やってるの?記者会見とか有ると思わないじゃん」


 「いや、アタシも二回目だよ【拳闘士】のランカーに入った時位だね」


 「え~じゃあ、なんで?っていうか、何でゲームに記者会見」


 「一応ランカークラスだと一試合で動くお金が桁違いだからね。だから、稀にうちの連中と戦ってやっていくらかでも入るように便宜をはかってやってるんだけど」


 「嗚呼、だからこの前あんなに順番に拘ってたのか」


 「そうだね。まあでも、正直格下と連戦してもアタシの評価が下がる一方でね、難しい所なんだよ」


 「じゃあ、自分とで良かったの?自分ランク外もいいところだよ?」


 「うちのスポンサーが良いと言ってるんだから大丈夫だろ?しかも隊長はゴリゴリの悪役だし」


 「さっきそんな悪役っぽい事言ってないよ?」


 「忘れてるのか、意識すらしてなかったのかも知れないけど、うちの奴との一戦に聞かれたとき『造作も無い』って言って、周りどん引きさせてたぞ?」


 緊張してて、全く記憶に無い。


 「にしても、何で自分まで記者会見なんて受けなきゃいけないのか」


 「まあ、何戦もしてランカーになった奴なら皆知ってるけど、隊長は実質一戦だからね。宣伝だろ?」


 そんなこんな記者会見を終えてその日は休んだのだが、


 翌日闘技場周りでは『狂気の漆黒将軍!宣戦布告』『不正が有れば軍を動かす!』『ランク外闘技者など記憶に無い』『せめて剣を抜かせてみろ!』『結果だけを見ろ!素人の勝算など机上の空論』などなど


 煽りに煽られている。


 【帝国】に問い合わせたら、国際問題になるような事ではないので、がんばれとの事


 それにしたって・・・やらかした~


 せめて会見あるなら教えてくれよ~

200話ですが番外に行かずこのまま進行させていただきます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公が他プレイヤーにいいように使われてるのに気にしなさすぎ [一言] 一気読みさせて頂いてます。 この話のガイアとスポンサーの対応にものすごくイラモヤしました。 ガイアとスポンサーに…
[一言]  これほど成果を上げたら、そろそろ出世してもおかしくないですね。仮に勝ったとして、その場に帝国から派遣されてきた高官が、将軍の階級章と杖か剣か何かを持ってきて授与するシーンがあれば実に感動的…
[一言] 逆に問題があったとしたら、 責任は隊長ではなく、ギルドの方ですよね。 国がプレイヤーギルドを相手取ってのやりとりとか、それはそれで面白そうだが。
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