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2.日常からのはじまり

 ■ 帝国 ■


正式名称【セーヴィル帝国】

元は 少ない食料資源を求め相争う小国家群 

初代皇帝により統一された後も広い国土を持ちながら相変わらず食料資源に乏しいが、魔物素材や鉄鉱石を加工する技術を磨き他国との貿易を行うようになったことと貧弱な土地でも育つ〔カルトーシュ〕(ほぼじゃがいも)のおかげで 成り立っている


国民性は質実剛健 自分が贅沢をすれば他人が死ぬを地で行く土地柄ゆえ皆まじめである

そんな中【兵士】は、食い詰めた農家の次男坊三男坊が、なる職業として一般的である


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 今日もいつもどおりログイン。


 いつもよりちょっとだけ早く仕事も終わったしちょっと長めにゲームしちゃおうかね!って言ってもいつもとやることは変わらないけど。


 まずは、【兵士】の受付【兵舎】で、いつものスキンヘッドのおっさんに今あるクエストを聞くだけだ。


 まあ、いつもあるのは【巡回】か【整備】【料理番】【訓練】【座学】どれも慣れたもんだ。


 「おはようございます。兵長」


 ちなみに兵長は、階級じゃなくここの兵舎の長って感じだ。


 「よう、起きたか。相変わらずニューターはよく寝るな」


 一応ニューターは仮初の肉体ゆえによく寝る代わりに能力が上がりやすいって言う設定だ。


 寝るって事は、要はログアウトしてるって事、3倍時間が経ってるって事は、一日1時間しかゲームしてなければ、3時間起きて三日近く寝てるって事だからな。


 「まあ、あまり寝ないニューターもいるみたいですけどね。んで、今日はどんな任務がありますか?」


 「ああ、それなんだがな、お前もかれこれ一年【兵士】として基本的な任務と訓練をこなしてきているだろう?」


 「ええ、まあ、おかげさまでぼちぼちとスキルも増えて、任務のたびに【教会】行って付け替えるのが面倒ですよ」


 ちなみにスキルは同時に7個までセットできるのだが、【教会】でしか付け替えできないので結構面倒な仕様だ。


 「相変わらずやる気があるんだか無いんだか分からんやつだな。任務はちゃんとこなすくせに、しょうもないことを面倒くさがるやつだよ。まあ、いい、なんだかんだお前もベテラン兵ってことだ!ここらで、試験を受けて【兵士】から【下士官】としてランクアップしてもらいたい」


 「いや、一年でベテラン兵って早すぎやしないっすかね?」


 「昨今、魔物が増えてるのは知ってるんだろ?どこも人手不足なんだよ。まあ、お前らみたいな【ニューター】が増えたおかげで、いくらか安定してるとはいえ、徐々に増える傾向にある魔物に対する戦力強化は急務だ。

 ってことで、多少でも見込みのあるやつはさっさと試験受けさせろって言う上からのお達しだ。

 まあ、落ちたら落ちたで、別の兵科を選べるようにしてやるからさっさと行ってこい!」


 「多少ね・・・了解。で、試験はどこで受けるんですか?」


 「いつもの訓練場だ。任務票を忘れるなよ!」


 「はいはい毎度のことなんだから忘れませんよ」


 とまあ、いつも通りおっさんと会話して、いつもの任務票を持っていつもの訓練場に向かう。


 今回は珍しくいつもとは違う任務になったが、たまにはいいだろうさ。


-訓練場-


 何人か同じ任務を受けただろう同僚たちといつもの教官がすでに待っていた。


 ちなみに【ニューター】は、自分だけ。


 サービス開始当初こそある程度いたプレイヤーも毎日同じことの繰り返しに飽きてみんな他の国に去って行った。


 もしくは他のジョブに転向したようだ。


 自分と同じような奇特なプレイヤーはわずかしか残っていない、どうやら今日は時間が合わなかったようだが。


 折角のVRMMOに冒険や感動を求めるのは普通のことだし非難するようなことでもないだろう。


 ただ自分にとっては、普通にやることをやっていれば、文句も言われないこの世界にいる時間が癒しなだけだ。

 

 何をしても何をしなくても怒られる嫌味を言われる、そんなのはリアルだけで十分だ。


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