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198.ローム

 ■ ローム ■


 またの名を【闘都】

【王国】の中でも特に賑わっている都である

 複数の闘技場があり、様々な試合が興行されている

 【闘士】という対人専門の戦闘職につきたい場合は間違いなく訪れる事になる土地である

 

////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


 【王国】の都のひとつ『ローム』にポータルで移動する。


 ここには闘技場がある。プレイヤーが結構集まる土地だ。まあ、自分は船を買いに来ただけだが。


 とりあえず【海国】で捌ける物は捌いてもらいお金だけは持ってる。


 つまり、自分に賭けてお金を増やすとかそういうベタな事は無い、多分。


 この都にいくつかの闘技場があり、どこに行けばいいのか分からない。


 しかし、事前にガイヤに手紙を贈っておいたので、ポータル近くに来てくれるだろう。


 「よっ!元気かい?隊長」


 いきなり話しかけてくるガイヤ


 「元気だけど、手紙の件どう?船売ってもらえるかな?」


 「まあ、焦りなさんな!アタシのスポンサーの船が欲しいんだろ?話は出来るように取り付けてるからさ、後は自分で話しな」


 「そう?それだけでも助かるわ」


 「いいさ!アタシ達の仲だろ!この前のイベントは残念だったけど、まあ楽しかったからね」


 そうして、いかにも高級住宅地と見える方に向かっていく。


 正直こんな格好で行っていいのか分からない。皆高級そうな服を着ている。


 トーガというのか?布を巻いた服なのだが、上から綺麗な色の布を纏い、素材もシルクのようなものから皮のような物まである。


 ローマ時代イメージを更にファンタジーにした感じかね。

 

 しかし、自分やガイヤのような鎧で、歩いていてもいいものかと思うが、誰も気にしてない様子なので、とりあえず付いて行く。


 一軒の白い豪邸の前で、ガイヤが止まる。


 気温的には穏やかな地域だ。


 庭は広く、白い薔薇のような物が植えられよく手入れされている。


 テラスのようなものが見え、やはり白い意匠を凝らした椅子と机が並んでいる。


 自分は緊張しているのだが、ガイヤは何も気にせず門をくぐる。


 「ほら、きなよ隊長」


 そう言って屋敷に招かれるので、門をくぐりそのまま庭に付いていくと


 外からも見えたテラスに女性が一人現れる。


 「あら、あなたがお話に聞いた方ね?」


 そういって、自分を品定めするようにぐるっと一周、周りを歩いて見てくる。


 「いいわ!気に入ったわ!お船譲ってあげる」


 「それはありがとうございます。して、おいくらで?」


 「そうね。無料で良いわ!ただし、私のガイヤと戦ってちょうだい。あなたとガイヤの試合なら十分に観客を集められるわ」


 「いや、それにしても一回の試合で船の代金には足りないんじゃ?」


 「いいのよ。本来は無料でお貸ししなきゃいけない物ですもの。世界を管理する一柱のご依頼でしょ?」


 「いや、お借りして壊しても困るので、お売りいただけるほうが助かります」


 「そうね?じゃあ、ガイヤに勝ったら無料、負けたらいくらかお代をいただくという事にしましょう?」


 「え?いんですか?そんな事で」


 「構わないわ、ふふふ・・・、一度はガイヤに土をつけた【帝国】の将との一騎打ち、なかなかいいストーリーになりそうね」


 「なんですか?ストーリーって?」


 「それはこちらの話だから気にしないでちょうだい。安心して良いわ、ハンデなしのフラットな戦いをお約束するわ。

 ただ、闘技場の戦闘という意味ではガイヤの方が有利でしょうから、こちらの準備が整うまで、この都に滞在して、闘技場の戦いというものを研究したら良いわ」


 「いや、なんか優遇していただいて、ありがとうございます」


 「ふふ、いいのよ」


 そう言う事で、話がまとまったので、屋敷をあとにする。


 「どうする?隊長、早速闘技場に行って、研究始めるかい?」


 「いや、とりあえず拠点になる宿でも探そうかな」


 「おいおい、折角戦えるの楽しみにしてるのに、そんなやる気無いことでどうするんだい?」


 「別にお金は余ってるし、使わないからな。なんなら寄付でもしたい位だよ」


 「だったら【養成所】に寄付するかい?食い詰めた若者たちが【闘士】になるために鍛えている場所だからね。まだ自分で稼げない子らの食費も大変らしいよ」


 「へ~じゃあ、寄付しようかな。金貨100枚くらいでいいかな?」


 「十分すぎるよ。一体いくら持ってるんだい?」


 「分かんない。でも世界で物流が滞りがちらしくて、自分が100人率いて大量に荷物運んでるもんだから、意味分からないほどお金もらえるのよ」


 「意味分からないほどって・・・相変わらずちょっとおかしいね、隊長は」


 「おかしいって言われても、頼まれただけだし」


 そうして、ガイヤの出身になる【養成所】に寄付をして都を巡る。


 正直、高級住宅街は近寄りたくないが、猥雑な街並みはキライじゃない。


 人が多い場所はあまり好きじゃないが、ちょっとした裏道なんかは割りと好きだ。


 盗難に関しては自分のアイテムバッグはすでに対策済み。


 喧嘩やPKに関しては警戒はしているが、ガイヤと自分以上に強そうな人はヒュムもニューターにも見かけない。


 仮に奇襲かけられても、自分の察知を抜けられるかね?


 そうこうしていると如何にもな屋台を見つける。


 所謂王道、肉の串焼き屋台だ。


 たまには自分で作らず、串焼きを買って食べながらお酒を飲むことにする。


 以前【鉱国】で氷結酒を飲ませただけあって、ガイヤもいける口だ。


 屋台を冷やかしながら酒を飲んで、歩き回り、程よい宿屋を見つけて寝る事にする。

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