197.田舎の漁村で緩飲み
■ 酒類 ■
状態異常であり、平衡感覚を失い、渇水度があがり、精神系状態異常を受けやすくなる
しかし、士気が上昇しやすくなるという特徴もある
酒類は単体でバフ効果がある物も少なく無い上に料理と違い日持ちする
バフとデバフのバランスを考えて付き合う必要があるが
未成年は飲むことが出来ない
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なんとも気楽でのんびりするにはこの上ない魚人街を後にするのは名残惜しかった。
特にマンボーさんと海を泳ぐ時間はささくれた感情を穏やかにしてくれた。
しかし、次の蛇を倒しに行かねばならない。しかも今回は予め宝樹からヒントも貰えるありがたい仕様だ。
多分ヒントを捜し歩くには大変な場所にあるのだろう。
クリアしなければならない課題は当面二つ。一緒に来てくれる100人を集める事、そして外海を渡れる大きな船を捜すことだ。
しかし、外海って事はここ以外にも大陸があるのか、はたまた開発中か。
まあいい、とりあえず船か。
自分が知る限り100人が乗れる船は見たことが無い。
100人長系ボスですら、分乗だったもんな。
戦闘できて船動かせて、付き合い良さそうな人な~。
タコスカイコスの漁村で、海を眺めながら考える。
本当にのどかな漁村だが、考え事するには丁度いい。
魚人街で仕入れた海草酒もすすむ。漁村の干し蛸を肴にのんでいるが、多少癖があるものの薬草酒なんかも好きな自分には丁度いい。とりあえず、まったり呑むか・・・
「よう、隊長こんな所にいたのか」
「嗚呼、アンデルセンか、のむ?」
「いや、何でこんな漁村の桟橋で飲んでるんだよ。まあ風情はあるけどよ」
そう言って、横に座るので、アンデルセンにも海草酒を出す。
「この前のイベント以来だな。隊長は元気してるか?」
「なんで、いきなり思春期の子供に話しかける父親みたいになってるんだよ。元気だけどさ」
「いや、こんな所で飲んでたら、なんかあったのかと思うじゃねえか」
「タイミングがいいね。相談があるんだけど、大きな船に乗って外海に行かないか!」
「なんの冒険のお誘いだよ。何があったか言えよ」
「この国の蛇の話さ。【帝国】の蛇は一緒に倒したろ?アレの続きだよ。【鉱国】【馬国】【砂国】は何とかなったんだけどさ」
「おっ!そりゃあ、いいお誘いだったな。で?いつやるんだ?」
「そこで問題なのが大きな船なんだよ。外海に行くには必要なんだってさ。金ならあるから手に入れられないか?」
「大きいっつうのはどれ位よ。一応プレイヤーじゃ俺らが一番大きな船持ってるぜ。40人は乗れるんじゃねぇかな?」
「前より大きくなってるじゃん?がんばってるな~。だけど100人乗っても大丈夫なやつが欲しいのよ」
「それはきっついな。値段の問題じゃなくて作れる生産職がいないな」
「え~でも、無理な任務は振られないと思うんだけどな。なんか無いのかね?」
「まあ、あるにはあるぜ【王国】の金持ちが所有してる船を見たことがある。つってもなんかお嬢様だかが船上パーティするのに使ってるだけだがな、戦闘力はないんじゃ無いか?」
「戦闘力は別にいいのよ。外海にある島に行って、そこにいる金色の蛙捕まえて、それを餌に蛇を一本釣りして、叩く。それだけ」
「つまり外海に行く能力があればいいのか。じゃあ【王国】に行ってみたらいいんじゃないか?」
「【王国】に行って闇雲に探しても時間が掛かる一方じゃん。なんかヒント無い?」
「ヒントっつうかアレだぜ、この前イベントでも一緒だったガイヤのスポンサーだぜ?ガイヤと知り合いなんだろ?頼んでみればいいじゃねえか」
「そしたらガイヤも一緒に蛇攻略かもしれないけど、それはいいの?」
「別にいいぜ、最強自負するんだから、同じ条件でより良い特典をもぎ取って何ぼだろ?うちの連中は気にしないと思うぜ」
「んじゃあ、ガイヤに頼んでみるか、ちなみに操船能力の方は足りる?大きい船になるんだけど」
「さあな~そこら辺はうちの連中と相談するわ、駄目なら血を吐くまでクエストやらせるわ」
「そんな任務強制するなよ。ブラック企業じゃあるまいし」
「でも、確実にこれからの為になるじゃねえか」
「それは個人のモチベ次第だろ。食ってく為に止むを得ず働くのとは違うんだから、任務やった方がいいとは言ったけど、強制はやめとけよ。寧ろ折角育ったクランメンバーが脱退する方が不利益が大きいし、何よりそういうの好きじゃないよ」
「まあ、そりゃあそうだな。俺が操船系スキル取得者なら良かったんだがな」
「そういやアンデルセンは調子どうなのさ?この前は【帝国】の田舎者勢と一緒だったけど嵐の岬でいじめられてないのか?相談に乗るぞ?」
「馬鹿いってんな!俺はある意味自分の判断で動ける立場なの!別にうちはそこまで堅苦しくは無いけど、それでも方針や統制っつのはあるわけよ。でも隊長のおかげで集団戦方面任されてるからよ。割と自由な立場な訳よ」
「へ~がんばってるね、ミランダ様にうまく教われてるの?」
「おうよ、俺は術士だろ?隊長とは違う方向で集団戦教わってるぜ。精神力に余裕があるからな、術方面ならそれなりなんじゃないか?」
「へ~、どんどん強くなっていい傾向だな。何せ邪神に勝たなきゃいけないんだろ?騎士殿とか剣聖の弟子やガイヤとかビエーラは強かったけど、正直そこまで強さ感じるプレイヤーってあまりいないんだよな」
「剣聖の弟子を除けば、βプレイヤーばかりじゃないかよ。そんな規格外連中と同格のように話してる隊長の方がおかしいぜ?」
「自分はただの器用貧乏だからな。この前のサバイバルだから活躍できただけじゃない?結局負けたし」
「そんなもんかね?まあ、いいさ。うちの連中には声かけておくぜ」
「うん、頼む。そういえば何でこんなところにいたのさ?」
「魚人て知ってるか?この国にいればたまに見かけるんだが、その魚人が住む魚人街って所があるらしくてな、プレイヤー未踏の地なのよ。
んでいろんな国を渡り歩いて、鼻が利く俺にもちょっと探してくれないかって話でよ。
ミランダ様の【訓練】の合間に歩き回ってるんだが、辺境にあるって聞いてこの辺りにヒントがあるんじゃ無いかって踏んでる訳だ。
隊長はどう思う?そこいらの攻略掲示板に振り回されずに足で情報かせいでる隊長の情報を俺は欲しいんだが?」
「魚人街だったら、行ってきたけど? そのお酒そこで買った物だし」
「おい・・・」