196.潮宝樹とのおしゃべり
■ 海草酒 ■
本ゲーム内において魚人街と言われる街でのみ購入可能
魚人街は海底にある街であり、広大な海の中闇雲に泳いで到達できる場所ではない
さらに普通に泳いで到達するには深い場所にある為十分な<水泳>スキルが必要である
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『こんにちわ、なんか悪かったね』
気にしていないので、とりあえずサムズアップする。
『うん・・・そうか、潮流を止めるからこっちきなよ』
そう声が聞こえると潮流が止まったので、大きな珊瑚の下に行く。
珊瑚がはえやすいように、丸く切り取られたステージのようになっている。
『えっと、後何かあるかな?元気?』
元気なので、サムズアップする。
『ん~~~~~そうか!空気が無いのか!今から君の前に空間を作るから、空気玉いくつか投げ込んで』
そういわれると、自分が入っても多少余裕がありそうな水の層が出来る。
そこに空気玉を適当に投げ込むと、その層の内側から水が吐き出され空気で満たされる。
多分そういう事だろうと、水の層にぶつかっていけば、そのまま体がその中に引き込まれる。
そこは、案の定空気が満ちていた。
『うん、それで話せるね。それで、なんでこんな辺鄙なとこまで来たの?いや、助かったし責めてないけど』
「こんな層があるのに普通に話して大丈夫なんですかね?他の宝樹様の所にも邪神の尖兵がでてまして、様子を見てきて欲しいと言われてきました」
『へ~それはご苦労様だね。じゃあ、根がそこに出てるよね?そこに剣を当ててみて』
そう言われたので宝剣を当てると剣の内側に水が満ちたが、角度を変えると水が減り、また変えると水が増える。
『うん、いい感じだね・・・後何かある?』
「一応、宝樹様に会う度に話を聞いているんですが、なにかあれば」
『へ~いいよ。話すのはキライじゃないよ。ちなみに私が光ってるのは何でか分からないよ?そういう存在として生まれたんだ。多分ここ暗いから、光ってるんじゃないかな?』
「それ気になってましたけど、暗いからですか納得ですね。ところで、宝樹様は何を司る宝樹さまでらっしゃる?」
『私は潮流と潮の満ち干きだね。他には他には?』
「そうですね・・・今回の邪神の尖兵はいつもと様子が違って、お腹にいっぱい幽霊船に乗っているような人型を詰め込んでたんですけど、なんでかな?と」
『あ~あれね~あの元になった魚って、深海魚なんだけど、食べる物が少ないから、いっぱいお腹に詰め込んでどんどんお腹が膨らむ種なんだけど、
たまに深海から出てきては君たちの言う幽霊船の下にもぐりこんで、海に落ちた人型達を片っ端から食べて、お腹いっぱいになると深海に帰って行くんだよね」
「あの人型って魔素や邪神の影響で人の姿のまま死んでも霊子に変われない人達だと思ってたんですけど、お腹いっぱいに食べてて大丈夫なんですかね?」
『分かんない。でも私にも興味もくれず、深海に帰っちゃう存在だし、半分おかしくなってたのかもね。
今回は帰りの途中で、取り込まれちゃったけど』
「やっぱりこの周りの暗いところは深海だったんですか」
『そうだね~君が来た方向は大空洞に繋がる穴とかもあるけどね、深海はまた別の世界が広がってるよ?興味ある?』
「ちょっと怖いですかね」
『うん、まだ君の力では難しいか。いずれ時が来ればってことにしようか」
「あと世界樹の事を聞いているんですけど」
『ん~かつて宝樹がまだ存在しない世界で、大地に根ざし世界を管理していた一柱だね。根は失われちゃったんだけどね。大きな力を持ち、自然と色々なものを引き寄せる。
世界を支える一柱なだけあって、大きな包容力があったんだね』
「へ~、さておしゃべりも楽しみましたし、そろそろ」
『うん、そうだね。ちょっと頼みたいことがあるんだけど』
「そう来ますよね。心の準備は出来ていました」
『ただ、ちょっと頼みづらいと言うか難しい話になるから、場合によってはこっちは急ぎじゃなくてもいいよ』
「珍しいですね。基本ちょっと行って倒してくるように言われるのに」
『ちょっと離れているんだよね。外海って言われてる場所にある小島。そこに蛇が出たんだけど。行く方法がね』
「いや、船に乗っていけばいいんじゃ?」
『多分小さな船じゃ、外海にいけないって聞いたんだよね。なんとか大きな船手に入れて、行ってきて欲しい。そうだね100人以上と君が乗れるくらいの大きさは欲しいね』
「具体的ですよね。中隊組んで大きな船で遠く離れた島へ行って蛇を倒すと、そういうことですね」
『物分りが良くて、助かるね。大変だろうからヒントをあげる。その蛇は海中に住んでるんだけど、海中じゃ君は不利だよ。どうする?』
「陸に引きずり出す?」
『ふふ、その蛇は金色の蛙が好物なんだ。その蛙は島に住んでるよ』
「もう、倒せという圧を感じますよ」
『いや、遠路はるばる倒しに行ってもらうのだから、これくらいの協力はするよ。じゃあ任せたよ』
そういうと話は終わり、自分がいた水の膜の内に水が入り込んでくる。
さて、どっちから来たんだっけかと、既に方向感覚を失って困っていると、
体が潮に流され浮く。
そして、宝樹から一直線に伸びる潮流が作られたので、そこに飛び込む。
すると一気に体が流されていく。高速だが不快感は無い。
そして押し流され、潮流が止まったと思うと、水の抵抗で自然とスピードが緩まっていくと、マンボーさんがいた。
お疲れ様とばかりに軽く肩を叩いてきた。