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183.楽しいサバイバル5

 ■ 疎陣 ■


 戦陣術の一つ 陣術にも拘らず隊形の影響を受けない。

 寧ろ、隊形を維持できない時に有効な陣である。

 大きな補正は期待できないが、どんな状況でもフォロー可能であり

 使いやすい陣形と言える


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////



 「この上に気球があったわ」

 

 「ほう、つまりそれが脱出手段という事かの?隊長一人でも脱出できれば、勝てるというならコレで決まりじゃの」


 「その辺のルールは曖昧でしたね。全員脱出なのか、一人でも脱出できればいいのか」


 「そういやそこ自分も確認してなかったわ。でも見た感じ飛びそうに無かったね。がわだけあって、大事な機関部がすっぽり抜けてた」


 「ふむ、バーナー式じゃないとなると、ガス式かの?多分ガスを探すんじゃろうの」


 「ガスですか?ん~地面掘って出す訳には行かないでしょうね」


 とりあえず放置してきたけど、選択肢としておいておこうか。


 「んじゃ、他にも何かあるか探しに行きますか」


 今自分が島で一番高い場所にいるが、自分達が来た側から反対側はまたくだりになっている。


 さて、何処まで探索に行くか。夜にはまた小屋に戻らないと欠食児童達がうるさそうだしな。


 一先ず、まだ行ったこと無い方に下っていく。


 森の中を抜ける道、ちょいちょい獣類が出るので倒しては肉を手に入れておく。


 道から木に覆われやや暗い広場に辿り着いた時、


 「ちょっと待った、罠だわ」


 殺気に囲まれている。探索付けてこなかったのまずったかな。


 というか罠をはるって事はこっちの動きを監視してたって事だろうな。いつからストーキングされてたのか。


 お互い背中を守るように三人でかたまり、周囲に警戒していると、


 木陰から矢が飛んでくるので、切り落とす。


 騎士殿も盾で一本防ぐ。


 直接戦って足引っ張っても良いってルールだが、ここまで戦意高い事あるんだな。


 警戒しているが、中々出てこない。時折矢が飛んでくるが、単発で食らう自分たちではない。


 すると、痺れを切らしたのか一人出てくる。


 ククリとでも言うのか、くの字に折れたやや大ぶりなナイフ、鉈といったほうが良さそうなサイズの刃物を両手に持っているが、錆びたまま使っているようだ。


 「そこのPKと連れ立ってる以上、敵対させてもらうぞ。もしそいつを置いて立ち去るなら追わないが」


 「え?剣聖の弟子恨まれてるの?」


 「僕は他人から恨みを買いやすいのは自覚していますけど、その人達は逆恨みですよ」


 「だってさ?まあ、剣聖の弟子と今はパーティだし、流石に見捨てる訳にも行かないかな」


 「じゃあ、覚悟は良いって事だな?お前ら殺るぞ!」


 森の中から更に二人出てくる。いずれも碌に装備が揃っていない。


 「こいつら何処の連中かな?」


 「【森国】のクランですね。あそこはエルフや妖精がいるんじゃ無いかとファンタジー好きが集まった挙句全然いなくて、過疎化した国ですよ。

 彼らはそんな過疎化した国ならのし上がれるんじゃ無いかとクランを組んで、自分をスカウトしてきた人達です」


 「んで、PKしたんだ?」


 「しました。ただし勝てばクランに入るという条件でした。自分は相手にメリットを提示できないPKを仕掛けない主義なので、やられてやり返す分には問答無用ですが。今回のような状況とか」


 そんな話をしていると、矢が飛んでくると同時に一人が斬りかかってくるので、矢を切り落としながら、剣を避ける。

 自分に斬りかかってきたやつは自分とサイズ感の近いショートソードを持っているが、全然遅い。


 まあ、既にこちらに攻撃してきてるんだし、容赦する必要も無いか。


 剣持ちの膝裏を斬り、


 体勢を崩しながらも剣を振り回してくるが、ブロックし、硬直させる。


 と、もう一発矢が飛んでくるが、頭を傾け避ける。


 そして、硬直が解けた瞬間に後頭部に剣を差し込みまた硬直させる。


 さらに剣聖の弟子に絡んでる最初に声をかけてきたククリ持ちがこちらに背を向けたまま、間合いに入ったので、こちらも後頭部に剣を差し込む。


 手の空いた剣聖の弟子が、すっと影を残しながら、移動する。


 まあ、余裕もあるので二人同時に相手にする。


 ブロックすると足が止まるので、回避を重視し、無理に攻撃せず、捌く。


 弓矢持ちが視界にいない為、殺気に反応してしまう。


 出来るだけ余裕を保ち、無理の無い攻撃で、ちょっとづつ削る。


 自分の攻撃は当たるのに3人がかりの相手の攻撃が当たらない事に焦るのか、剣持が隙だらけの動きで、突撃してくる。


 普通に避け、剣を持っている手を掴む、


 更に波状攻撃とばかりに間もなく攻撃してくるククリ持ち、


 武技 身代わり


 掴みからの武技で、ククリ持ちに剣持ちを攻撃させる。


 怯んだ所でククリ持ちの首を貫く。


 さらに騎士殿の手が空き、剣持ちにとどめを刺す。流石の攻撃力だ。


 気がつくと、いつからか矢が飛んでこないと思ったら、茂みから剣聖の弟子が顔を出す。


 「こっちは終わりです」


 「クソ!今度こそ一旗揚げてやろうと思ったのに、何で邪魔するんだよ!過疎地に人を呼ぼうってだけなのに」


 「いや、過疎地に人呼ぶのと剣聖の弟子になんの関係が有るんだよ」


 「うるせぇ!」


 全然意味が分からないが、斬りかかってきたので、自分と騎士殿で斬れば、倒れ、霊子になって消える。


 「何だったんだか、普通に脱出すりゃあ勝ちなのになんで、邪魔しようと思ったんだか」


 「変な人なんですよ。追っかけてきては喧嘩売ってきて死に戻る」


 へ~困った人もいたもんだな~。でも剣聖の弟子も騎士殿追いかけてPKしようとしたんだし、似たもの同士かね。 

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