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175.船寄借

 ■ 船寄借(バルコパグーロ) ■


 【海国】における100人長クエストのボス

 船を宿にして海を回遊。因みに地上を歩く時は船を背負う。

 何故か船を宿にする習性があるが、体に合うサイズの船なら何でも宿る。


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////



 敵旗艦から現れたのは巨大な蟹??だ。


 いや、蟹にしては胴体が無い、でもハサミと長い足が生えてる。


 そして、体は船倉に隠れている。


 ・・・ヤドカリか!船を宿にして海に浮いてるのか!


 なんでこう、甲殻類なんだかな。


 もっと普通イカとかタコとかじゃないのかな。


 まあ、仕方ないか甲殻類にどうやって、ダメージ与えていくかだよな。


 しかもサイズは船一隻分、船上から矢を放ったってしれてるじゃん。どうするかな~。


 「船長、あれはダメージ与えるすべが無いよ」


 「安心しろ、ちゃんと戦うすべは用意してある」


 そういって、合図を出すと、船倉から鉄の黒い銛を出してくる【兵士】達。


 それは他の船でも一緒で、甲板に黒い銛を山と積んでいく。


 「コレをどうするの?」


 「投げるに決まっているな」


 そんな話をしていると、ハサミを空に掲げるヤドカリ。


 「あっはじめるのか『いくぞ!』」


戦陣術 激励


 ダメージの無い衝撃を感じると同時に、士気低下を中和する。


 そのままハサミを高く掲げている、ヤドカリ。


 「全員一回密集隊形」


 各船の甲板の【兵士】達を密集させる。


 ハサミを急速に振り下ろし、海面を叩いた瞬間に


戦陣術 岩陣


 大波に船が揺れ、甲板を洗うかのように大量の海水が注がれる。


 密集した仲間同士でお互いの体を支えあい、なんとか押し流されないように我慢する。


 そして、落ち着いたところで陣を解除し、銛を投げ始める。


 自分は特に投擲系のスキルは無いので、見ているだけだ。


 鉄の相当な重量がありそうな黒い銛を、全身を使い走って、槍投げの様にぶん投げる【兵士】達。


 そして、意外とぶっささる。


 いやがるヤドカリが右船に近づいていく、そして、両のハサミで船を固定し、齧り始める。


 船上の人間じゃなく船を壊し始めてる。自分の乗る旗艦と左船も近づき更に激しくヤドカリに攻撃を加える。


 「船長なんか無いの?」


 「あるにはあるが危険だぞ?」


 「何よ?この状況じゃ、多少危なくてもやらなきゃ」


 「そうか?」


 そう言って、一抱えの樽を取り出す船長。


 「こいつを敵船に仕掛けられれば、大ダメージを与えられるぞ」


 「仕掛けるってどうやって?」


 「向こうの船に乗り込んで、こいつに火をつけて置いてくるだけだ。30秒でドカン」


 「爆弾じゃん。そんなものあったんだ?」


 「あるぞ、こいつを当てなけりゃ倒せないやつもいる」


 「この樽は水につけても大丈夫?」


 「ああ、そりゃあな、海に沈めて爆破するのが本来なんだから」


 爆雷か、海中生物との戦いじゃそうなるのか。


 「分かった逝ってくるわ」


 「おう、指揮官自ら行くのもどうかと思うがな」


 「じゃあ、誰かこれ仕掛けに行ける【兵士】いるの?」


 「いないな。基本船の縁から落とすだけの物だからな」


 そして、小船を一艘出して爆雷を乗せ乗り込む。


 爆雷は海に沈むように設計されているので、水につけちゃったら泳いで持っていくのはちょっと困難だ。


 銛が降る最中、小船でヤドカリに近づいていく、ヤドカリは右船を捕まえている為、動かない。


 幽霊船に寄れば、ロープが垂れているので爆雷に結びつけ、自分が先に船上に登る。


 甲板の大半は割れてヤドカリの中身が見えているが、気持ち悪い。


 少ない足場で、爆雷を引き上げ、


 点火し、気持ち悪いヤドカリ内部に投げ込み、ロープを滑り降りる。


 すぐさま小船を出すと同時に、爆発音が聞こえ、ヤドカリの動きが止まる。


 小船からでは見上げる事しかできないが、巨大なヤドカリが両ハサミを上に掲げ、足がピンとなっている。


 自分はその隙に右船に乗り込む。舳先を齧られボロボロになった右船。


 巨大なヤドカリに対峙する形になるが、船の上から遠くで見ているより自分にとっては慣れた光景と言っても良いかもしれない。


 何となく眺めている第三者的立場から、やっと自分の戦闘になったって感じだ。


 と言っても、自分が剣で突いたところで大したダメージにはならないだろう。


 周りの船から銛での援護が続く、さてこちらはどう戦うか。


 「この船にも爆雷あるの?」


 すぐさまいくつかの樽を持ってくる【兵士】


 「よし、次相手がこの船を齧り始めたら、チャンスだから」

 

 そういって、相手が動き出すのを待ち、周りの【兵士】達が銛を投げつけるのに任せる。


 再び、ヤドカリが動き出すと今度はハサミで、船を殴りつけてくる。


 甲板前部に亀裂が走る。


 うん、ちょっと困った。齧りついてきたら火をつけた樽を転がして、口の中で爆発させてやろうと思ったのに、甲板割れちゃったら、転がせないじゃん。


 仕方ないので、火をつけた樽を一個抱え、走る。ハサミで殴りつけてくるリズムは同じ、右、左、右、左


 問題は甲板の亀裂の入り方がランダムなので、転ばないようにする事。


 しかし、火をつけてから走ってきたので、迷ってもいられない。


 とにかく大急ぎで、走りきり、後ちょっとという所で、甲板前部が割れ、足場を失う。


 羽蛇のブーツで、足場をつくり最後の一歩を飛び爆雷をヤドカリの口に投げ込む。


 と同時に爆発、ヤドカリの顔で爆発し、また仰け反るヤドカリ。


 そして爆発で吹っ飛ばされ、まだ割れていない甲板に戻される自分。


 すぐその場で転がり、体についた火を消す。火傷も負っているが一旦無視だろう。

 

 ここが正念場。動かない内に【兵士】達に甲板の割れギリギリまで爆雷を持って来てもらい、


 火をつけて口に投げ込もうとするが、よくよく考えたら【兵士】達の方が物投げるの得意だったので、投げ込んでもらう。


 口に入らずに船内に落ちる物があったり、触角の付け根に引っかかった物もあるが、仕方ないだろう。


 次々と爆発を起こす爆雷。


 流石に離れていくヤドカリ。

 

 力を失い。ハサミもだらりと下げているので、自分が代表して小船で近づき、幽霊船に乗り込むと、


 幽霊船の内側に魔石が露出している為、破壊しに行く。


 正直ヤドカリの中身は気持ち悪いのだが、止むを得ない。


 そろそろと降り立ち、破壊する。


 するといつものファンファーレと供に


クエスト発見者

ラストアタック

指揮者討伐


 の三つだ。まあ、そんな物だろう。自分は爆雷投げ込んだだけだ。しかし、指揮者討伐か~集団戦の中ボスくらいの感じだったのに、そんなのも有りか~。


 一つはいつものメダル、波模様が見えたがすぐに、手の上で消えてしまった。


 もう一つは、テント?一人用テントにしか見えない。何ぞこれ。まあバックに入るからいいか。


 最後はゴーグルかな?丸めがねのつるがベルトになっていてゴーグルのように固定できるようになっている。


 何か効果があるゴーグルなんだろうな。


 そして、右船は舳先がボロボロなので、他2隻で曳航して、元の島に帰ることにする。


 しかしながら、不思議なのは、ちょっと目を放した隙に敵の右船も左船も旗艦もいなくなっていた事。


 光の粒子に変わるでもなく、ほんとにいつの間にか霧と一緒に消えていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 昔のゼ○ダのボスギミックで、 口の中に爆弾を投げるアクションを思い出したなぁ。
[一言] 大型モンスターには設置型タル爆弾は鉄板ですなぁ…(実にゲームらしい)
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