167.海賊討伐
■ <剣> ■
最も基本的な武器のスキルの一つである。
アビリティとして
剣撃- ダメージ上昇・ガード及び防具の上からのダメージ量上昇
剣速- 剣を振る速度上昇・ガード及び防具貫通力上昇
剣力- 命中力上昇・鍔迫り合い及び押し合いでの優位性上昇
となっている。
剣撃は防具の上からダメージを与え、剣速は防具を貫通しダメージを与えるか弾かれるかの二択であり、剣力は防具を避け急所を狙う為のアビリティとなる。
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「よし、分かった事情を聞こう。双方の言い分を聞いた上で判断するわ」
「ああん?いいからよそ者は俺たちの言うこと聞いてりゃいいんだよ!」
「父が連邦議会に出席している間に襲撃されたのです。助けてください」
うん、自分がどっちが嫌いか速攻で決まった。
海賊の方を睨みつけ、一挙手一頭足を見逃さない。自分ににらまれていることを認識したのか、警戒し始める海賊
「いいか?よく聞け!ここいらの海は俺達の物なんだ。それをあの船は襲うな、この船を素通りさせろと言われて、従えるか?」
「あんた達の物だというなら、相応の許可なり責務なりあるんだろうな?」
「ああん?何だそりゃ!ここは俺達の海だ好き放題やって何が悪い?関係ないやつは黙ってろ!」
と、痺れを切らして攻撃してくる、海賊。完全に敵が決まった。
カットラスで斬りかかってきた所を、ショートソードでブロックする。
硬直したので、そのまま、首の急所を斬りつける。
相手は軽装であり、どこを斬りつけてもダメージがのる。
動き出したところを今度はカットラスを持つ手首を斬りながら避ける。
もう一回クロスするように袈裟切りに斬りつけてくるので、軌道をずらすように横から剣をぶつけてやれば、体が泳ぐ。
今度は首に剣を突き、急所判定が出たところで、後ろに回り後頭部に剣を突きこめば、相手は倒れ、いつの間にか体にロープが巻きつき、転がっている。
NPCを倒して、捕縛状態にしたらしい。
そこへ先程の領主の息子がやってくる。
「助かりました。もし出来れば、このまま海賊退治を手伝っていただけませんか?」
「事情をうかがってもいいですか?今の海賊は問答無用で斬りかかってきたので、倒しましたけど、勝手放題ヒュムを斬る訳にも行かないので」
「そうですよね、すみません。この辺りでは海賊は珍しくも無いのですが、通常であれば、魔物の出る区域に安全な航路を確保して、通行料を取るなど、相互に利益の出る存在なのですが、たまにああやって他人の治める土地に手を出す輩がいるのです」
「じゃあ、とりあえずこの島で暴れている海賊は不法占拠者ということでいいんですかね?」
「それで、間違いないです。僕から正式に討伐任務を出しますので、受けてくださいますか?」
とのことなので、正式に海賊討伐を受理する。
一つの都といくつかの街や町や村からなるこの大きな島。
とりあえず都から外れた農村から上陸したが、小さな村から巡り、徐々に兵力を糾合し、上陸した海賊を駆逐すればいいらしい。
一応自分の身分を明かし100人までしか指揮できない事を伝えたが、寧ろ恐縮された。
まあ、乗りかかった船なので、とりあえず進めていく。
海賊の数はそれほどでも無いらしいが、村人は非戦闘員だ。闇雲に手を出すほど外道では無い様だが、倒していかねばなるまい。
まずは、自分が上陸した村を開放すべく、見回りにうろうろしている、海賊を見つけてはそっと近づき、急所を一撃。動けなくなったところで、さらに急所を追加攻撃して、倒していく。
倒していい相手かどうかは領主の息子がいるので、指示に従うのみだ。
そして、村の農産物を備蓄していると見られる倉庫に着くと、見張りの海賊が2名いる。
こっちは自分と戦えない領主の息子と戦えないお付の人と地上戦が苦手なマンボーさんだ。
覚悟を決めて、自分が一人で行く事にする。いざと言う時は頼みますとマンボーさんにお願いして。
そこいらに在った小石を投げ海賊の一体を釣り出し、近くまで来たところで、不意打ちの急所攻撃を与え、硬直させる。
すぐさま剣をスイッチし、右手を空け掴む
擒拿術 猿捕茨
吸う右手
硬直延長と吸収を発動する。
その間にも一緒に倉庫を見張っていた海賊が駆けよってくる。
海賊の硬直が解けるのと同時に、もう一体の海賊が斬りかかってくるので、転がって避け、距離を取る。
二人の海賊が並んでこちらを狙ってくるのを見計らい左手をかざす。
吐き出す左手
左手から熱閃が発せられ、二人同時にダメージと火傷のデバフと盲目のデバフが出る。
先に攻撃を加えていた一体はすぐに火傷の継続ダメージに倒れる。
もう一体は目が見えずにふらふらしているところに急所攻撃を食らわし、倒れるまで斬りつける。
二体の海賊を倒し、倉庫の扉を開けば、この村の衛兵がいた。
短槍を持ち、革冑、革鎧の軽装歩兵だが、この辺りでは普通らしい。
それこそ海に落ちた子供を助けたりするのも仕事の内らしく軽装を基準としているとのことだ。
これで、戦力が自分と二人になったが、町や街になるほど占拠している海賊の数も増えるらしいので、まず村でスキルや装備を整理し、次の村を目指す。
この島の村は大体農村で、サトウキビを生産している。砂糖とサトウキビのお酒が主な輸出品で、経済も安定しているとの事。
背の高いサトウキビの間に隠れ進み、海賊を一体ずつ狩り、衛兵を救出する。
地道に兵を集めていく。