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164.リゾート

 ■ 岩陣 ■


 <戦陣術> 岩陣は移動不可攻撃不可、防御力が大きく上昇する。

 密集隊形時に一番効力を発揮する。

 全体攻撃など回避不能攻撃を受ける際に活躍する


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////



 【教国】は、なんだかんだ楽しかったのだが、今は任務中寄り道は程々にして、アースゥイマの【営業所】に戻ったのだが、


 「ん~どうにも【海国】がきな臭くてな、しかし行かない訳にも行かないだろうしな~」


 と、すっごい中途半端。うん分かってる。


 「分かりました。自分に解決できるかは別として様子見てきますよ」


 「そうか!じゃあ、このまま南に向かってくれ【海国】の都に向かう船が出ている港がある。輸送品としては、ガラス細工と香辛料だな」


 そんなこんなで、輸送隊と送り出される。


 まだまだ、砂漠なので、ラクダの両側に荷物をバランスよく乗せて、歩いていく。


 正直なところ奥地まで歩いた自分には、もう気候の変化なぞ大した事無い。


 普通に輸送隊に無理させないように休み休み歩けばいいだけだ。


 そして着いたのが『ミナーハーラ』


 港は港なんだが、砂浜?いや【砂国】ではあるし、砂が続いてはいるんだけど、観光地じゃん。


 いくつも宿泊施設や休憩施設が並んでいる。


 いかにも観光地な食事処。人々はなんとも幸せそうだ。


 まあ、バカンスかなんかなのかな?休日はゆっくり休んだらいいさ。


 港の船着場に行き【海国】行きの船のことを尋ねる。


 「すみません。輸送隊連れて【海国】に渡りたいんですが」


 「ああ、話は聞いてるぞ。ただな、最近海賊が活発で一般船は行き来してないんだよな」


 「海賊ですか。そんなのいるんですね~」


 「そりゃあ、海だからな。まあ【海国】の方でかたが着くまでは、のんびり観光してってくれや。荷物はここにも【営業所】はあるから預けておくといい」


 そう言われ【営業所】に荷物を預け、一旦輸送隊を解散休憩。


 暇なので一人でとぼとぼと砂浜を歩いていると


 「おい、ここはプライベートビーチだぞ!」と水着にサングラスのいかにもプレイヤーの男


 突然声をかけられる。どうやら、他人の私有地に入ってしまったらしい。


 「嗚呼、これはすみません。すぐ立ち去ります」


 「おいおい、勘弁してくれよ。折角いい雰囲気だったのにどう落とし前つけてくれるんだ?」


 「どうと言われましても、どうしようもないですね。さよなら」


 ちょっといらっとしてしまったが、悪いのは自分だし、相手は女性連れ素直に引き下がっておこう。女の子の前で格好つけたいのは万国共通男の性質だ。


 「え~もっとびしっと言ってよ~まじ最悪なんだけど」


 ええ~普通女の子の方っていきってる男にひくもんじゃないの?煽るのかよ。面倒くさい。さっさと立ち去ろう。


 「おいおいおいおい、何だその態度はよ!」


 と声をかけられたかと思うと背中に殺気を感じたので、避ける。


 すると避けられると思ってなかったのか、体勢を崩してこける男。どうやら後ろから蹴りを入れようとしたらしい。


 まあ、砂浜だし、何てこと無いだろう。さよなら~


 「おい!まじで待て!」


 「いや、もうじゃあ、文句ならここの管理者に言いなよ。どこにもプライベートビーチだって書いてなきゃ敷地の区分も無いんだけど。気に入らないなら、詰め所でも【兵舎】でも行くよ」


 「うるせいな!ここのコテージは俺が貸しきってるんだ!だからビーチも俺のもんだ!」


 意味が分からない。なんかイライラしてきた。


 「ね~え~こいつこの前の動画のやつじゃない?」


 「ああん?この前のっていつのだよ」


 「あのハゲ四兄弟のやつ」


 「ああ!まじかよ!こんなヒヨってるやつ相手に負けたのかよ。あのハゲ共。まあ馬鹿ばっかりだし当然か」


 馬鹿に出来るほどお前も強くないだろ。後ろから蹴りいれて避けられる程度の奴が何言ってんの?


 「うし、いいや。金払うか。ここで死ね」


 PKか、なんかもういいわ。こいつさっきの蹴りですでに自分がPKだって言ってるもんな。


 「ああ、分かったよ。これで駄菓子でも買いな」


 銅貨を一枚親指で弾いて渡す。


 男の視線が銅貨に釣られた所で、剣を抜き、心臓に突きたてる。


 急所判定で硬直が出たところで、髪の毛を掴み


擒拿術 猿捕茨


 面倒くさいPKだったが、まあ面白かった4人をハゲと言った罰にそのまま髪の毛を掴んで振り回し、適当に斬りつけまくる。


 というかこいつ武器すら持たずに喧嘩売るとか、何の自信があったんだ?


 ふと、横から殺気を感じたので、


武技 身代わり


 すると女の方はいつの間にかちゃっかり装備を整えて、細剣で突いてきたが、その攻撃で男が死に戻りだ。


 なんかショックを受けて立ち竦んでいたので、斬りつけるとステップでかわすが、下は砂浜だ。


 足を取られて転ぶ、尻餅をついたところで、心臓に剣を突きたて砂浜に縫い付ける。


 その状態になってしまえば、硬直が解けても再度急所攻撃扱いになり、ただ生命力が削られて、光の粒子になって消える。


 硬直をくらったら、硬直中に次の動きを入力してはね飛ばすなり逃げるなりするしか無いのだが、まあ、縫い付けられたらどうにもならん。


 にしても、何だったのだろうか?いい雰囲気がぶち壊しになって気に入らなかったのは分かるが、武装している相手に喧嘩売るだけ売って、死に戻るカップル。


 最早自分の理解を超えてる。


 なんかPKはアホなのか、アホだからPKなのか


 でも最近自分もイライラしては殺っちゃってるから、アホにならないように気をつけよう。


 一人ぼんやり海を眺めていると隣に人影。


 こんなに広いんだから、もうちょっと離れたらいいのに。

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