143.【砂国】へ
■ 山羊の毛 ■
断熱性が高いことが特徴であり、うまく使用すれば、耐寒耐暑効果を持つ装備も作製可能
染色しやすく、光沢のある質感を得られる。
<裁縫>等を習得するプレイヤーにはお勧めの素材である。
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ダンジョンを無事クリアし、二人とは分かれコロンゴに帰る。
因みに剣聖の弟子は修行のし直しと奥義の伝授の続き、騎士殿は騎士職のスキルを維持するためにクエストを定期的に受けなきゃならないとか
そして、次に向かうのは【砂国】
公開されているワールドマップを時計回りに巡る事になるようだ。
【馬国】も南側は荒野や砂漠地帯だ。
ここからは馬では無く。ラクダになる。
次の積荷を聞けば、革だ。
【馬国】は食料資源も豊富らしいが、肉が中心の為悪くなってしまうから、輸出できないらしい。
因みに自分は鞄に大量の肉を抱えている。
肉の魔術師一人に売り切るわけにもいかないジビエは次の国で売ったらいくらになるのか、あこぎなことはするつもり無いが、稼げてしまうかもしれない。
【砂国】は暑いので【帝国】でただ同然で山ほど手に入れて、無駄にいっぱい持ってる氷も売れてしまうかもしれない。
しかし、石材を売ったお金がごっそりあるので【馬国】としていくら売っても困らない『馬乳酒』を山ほど買い込む。
後革や革製品は運ぶ事が決まっている為、山羊の毛織物を買い込む。結構高いので、お金を十分に消費できる。
肌触りが良くて保温性も良い。自分用に幅広のストールも確保しておく。
毛織物は【砂国】で売れなけりゃ【帝国】で売ったろ。
さて、輸送隊を編成して、折角なので例の羽飾りを装備しようとしたが、どこに装着するか分からない。
当分移動だけなので、移動速度が上がる羽飾りは使えると思ったのに。
困っていると【営業所】のターバンのおっさんが
「そいつは冑に装着するもんだぞ」
と言って、その時かぶっていた甲熊の黒いバイザー付き冑の側面に羽飾りをくっつけてくれる。
それまで、ツルンとした昔の特撮物のようなシンプルな冑だったのが、不思議と歴史ある冑か、いっそ神話モチーフの冑に見えるから不思議なものだ。
しかし、外套やズボン系は防寒具なので、今回装備は見合わせる。
すると、妙なちぐはぐ感である。
頭は神話モチーフにも見える、色つきガラスのはまった黒い冑に大きな黒い羽が付いている。
首には蛇を模したチョーカー
全身のベースは黒いややテカリのあるウェットスーツ
黒い手袋と両腕に嵌る腕輪、二の腕に嵌るバングル
グレーの毛皮の腰巻き
黒い胸甲、黒いチェストリグ
黒い革の長靴に、羽の模様が入っている。
後は黒い剣帯に左腰にダガーが二本、右腰にショートソードが一本
斜め掛けの鞄の背中側にもう一本ショートソード
うん・・・せめて次は胸部胴体部一体型の革鎧にしよう。
そうすれば、何とか黒いグラディエーターって感じだ。もしくは外套を買おう。
次、砂漠で有名な【砂国】だもん。あの頭からかぶる布みたいなやつ絶対どこかで売ってるさ。
そんなこんなで、輸送隊と自分の準備が出来る。
今までのようなソリやら荷馬車やらはない。
ラクダに左右バランスよく荷物を積むのみである。
皆、白い布で全身を覆ったり、ターバンを巻いていたりする。
全身真っ黒でぴっちぴちな服は自分だけである。
まあ、耐寒耐暑ついてるし、大丈夫だろうけどさ。
まず、進むは荒野。
石と赤い土と背の低い草。
いかにも硬そうで、傷つけますよとばかりの草やらサボテンをがつがついくラクダ。
歩きなれた自分でも、うっかりサボテンを踏むとダメージを貰うのに、ラクダは積極的にそれを食べていく。
最早ラクダさんである。
荒野地帯も高原同様、だだっ広く、星等で方向を見定めているそう。
つまり進む道はお任せである。
時折遠目に巨大な魔物を眺めつつ、歩く。
フィールドに通常出てくるような小型の魔物は皆で蹴散らす。
なんならラクダさんが、蹴散らす。
しかし、ふと思う。水筒が欲しいなと
アイテムバッグにはちゃんと飲み物は確保している。
空腹度や渇水度等、体力と共に低下するステータスが割り振られている以上、当たり前なのだが、
いっそ剣帯に水筒ぶら下げたら、飲みたい時に飲めるのになと思ったりする。
これまで、一部採掘場を除いて、そう暑い地域を通ってこなかったからか、全然考えてなかった。
まあ、鞄から氷取り出して、食べててもいいんだけどさ。
多分のどの渇き、渇水度の減りが早くなってきている気がする。
完全になくなるとどうなるのかまだ試したことは無いが、空腹の時は衰弱バフがかかったしな。
ラクダさんがサボテン食べてるのも、渇水度を回復してるのか?まさか
てことはサボテンも食材・・・・
近くに居たターバンのおじさんに聞くと食べれるサボテンも有るとか。
早速教えてもらい、やや大きめのサボテンの木?から平たい楕円の葉のように広がってる部分を採取ダガーで引っぺがすと
食材が手に入る。
何枚か手に入れておいて、荒野の集落で、今日はお休みと言うタイミングで料理してみる。
ターバンのおじさんから料理の仕方を教わると
まず、棘と皮をそぎ落とす。うん。棘が、刺さったらいたいもんな。
程よいサイズで切る。今回はアスパラぐらいの細さに切った。
薄切りの肉で巻く。肉だけは山ほど持っている。
そして焼く!塩コショウだけでいってみる。因みにコショウは普通に売っている。それこそ次の【砂国】の特産品であり、【砂国】に近づけば近づくほど安く手に入る。
うん、ちょっとすっぱい瓜って感じ、ねばねばが好きな自分はいけるなこれ。
問題はソースか。塩コショウだけだとちょっと青臭い感じがしないでもないかな。