137.お久しぶりのじいちゃん
ふむ、苦節一年(このゲーム内でじゃが)ようやっと孫に追いついたわい。
イベントでの大活躍を盛大に祝福してやろうと思ったのじゃが、まさか最後に戦ったのがうちのクランじゃとはな。
ほとぼり冷めてから再び会おうかと、寒い中それは寒い中【帝国】まで会いに行ったというのに、修行中だというでは無いか。
ふむ、何であろうと本気で向き合う事は大事なことじゃ。
断腸のそれはもう腸断った位じゃ足らない気持ちで、出直した。
そしたら今度は出かけたというでは無いか。
おいおい孫~と思いきや出かけた先は【鉱国】
ふむ、そうか前に会った時は革装備じゃったが、ついにフルプレートに目覚めたかと
それならば、わしが見立ててやらねば、ならん。
事、フルプレートに関しては長年研究している、わしの右に出る物がいようか、いや!いまい!
ところが、歩きで物見遊山をしてるというでは無いか、
うむ、見識を広げるのはとても大事なことじゃ。
折角なので、わしも色々見ながら見回ってたら、ついつい飲み屋だらけの街に入り込み
連日飲んでおったら、孫を見失い。
あちこち訪ね歩いておったら、何でもこの国のピンチを救った挙句去っていったという。
流石!流石!!孫じゃ、困っている者を救ってこその騎士道
まさに騎士の鏡じゃ!まだ騎士職を取ってはいない様じゃが、すでに心は騎士の中の騎士じゃぞ!
それで、どこ行ったのかと聞いたら【馬国】じゃそうな。
ちょっと面倒じゃったが、久しぶりに愛馬ロシナンテを思いっきり走らせさせてやれると思い。
一度【王国】に帰り愛馬にまたがり、いざ【馬国】へ!
なんでも、孫は奥地に行ったとか、なのでわしも奥地に荷物を運びに行く【運び屋】の護衛をしながら、奥へ奥へと進み、高原の民の代表者に出会い、試練を受け、
その集団に所属する薬士で呪術師の婆さんが困ってたので、魔物を倒し材料を集め、いろんな草を集めたりしておった。
元々困った人がおれば救うことを身上としておるわしじゃ、薬草集めなぞは【王国】でも困っている薬師の家族のために、それはもう集めてやったもんじゃ。
得意な分野じゃから、どんどん頼られるようになってしもうたが、まあ仕方あるまいの。
そうこうしておる内に孫は都に戻ってしまったそうじゃ、詳しい話を聞くと危うく大変なことになる所を孫が救ったそうじゃ。
【鉱国】に引き続き【馬国】まで救うなど、本物じゃ。わしの孫は本物じゃ。
負けてはおれんの、わしも孫を見習って弱きもの苦しみ悲しむものの為にこの身を捧げねばの
それはそうと孫を追いかけ都に帰るとなんでもダンジョンとか言う、邪神の巣窟が発生したとか、
そして、孫はそのダンジョンに向かったとか、
流石じゃ、困った人を放っておけないその性根。どう生きようともその心だけは忘れてはならぬ。
うむ、しかしダンジョンとは凶悪な魔物が多数存在するらしい。
ならば、わしが手伝おうじゃないか、孫の気高き志に応える事こそ騎士道。
うむ、孫とダンジョンアタックじゃ!!!
そうして、ようやっと出会えた孫、フルプレートじゃないわいな。
まあ、些細なことかのそんな事は、何故なら高潔な魂こそ騎士にとって最も大事なことじゃからな。
「お久しぶりじゃの隊長殿、活躍は色々と聞いておるぞ」
「嗚呼、久しぶりですね。前回は防寒具でしたけど、今回はフルプレートなんですね」
「うむ、騎士としての嗜みじゃな」
「へぇ、騎士ってことは戦闘職と言う事で?」
「うむ、そうじゃな、回りくどい問答はいらんぞ、隊長殿を手伝いに来たのじゃからな」
「へ?自分ですか?」
「うむ、世に仇を成す邪神の邪悪なる巣窟に挑もうというのであろう?世のため人のため手を貸すことやぶさかではない」
「条件は?」
「ないのぉ。隊長殿が善を成すならそれで良い」
「ん~善悪とか良い悪いで、物事を判断する気は無いですけど、気に入らないこと美学に反する事には反発しますよ。ただ、邪神とは話したこと無いんで、美学に反するかは分からないですけどね」
「ほう、じゃあ、何故邪神の巣窟に挑む?」
「仕事だからですよ。やるべき事出来る事をやるだけじゃないですか?」
「ふむ、それならそれで良いの、仕事とは即ち求められてすることじゃ、人の求めるところに応えようとすることは善よ。もしそれが隊長殿の美学に反するなら行わぬということだろうし、美学とは即ち品性よ、ならばわしは隊長殿の品性を信じよう」
「そういう事ならお願いします。正直一人では戦闘力が足りなくて困っていたんですよね」
「任せるが良い、他のことならともかく戦闘と騎士道への求道であれば、それなりのものであると自負しておるわい」
そんな、訳ありの様な会話の末、孫とダンジョンアタックすることになったのじゃが、楽しみだの~
因みに会話はただのその場の雰囲気じゃ、のりと言うやつだの、多分孫もそうであろうの