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131.大霊峰帰り道

 ■ 帰路ギミック ■


 ダンジョンやフィールドにはとても深い物があり、

 場所によってはフィールドを一息で抜けたり、最寄の拠点まで帰還できるギミックが用意されていることがある。

 帰還時にはよく周囲を観察する事で、見つかるかもしれない。


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


 そして、帰り道だ。


 蛇倒したし、帰るだけなのだが、面倒くさい。


 行きはよいよい帰りは怖い~てな~


 行きは大抵目的があるし、気持ちが入るが、帰りはただ帰るだけだ。


 遠足は帰るまでは遠足だ!なんて散々いわれた気がするが、結局気が抜ける帰り道ほど事故に遭いかねないから気をつけろよと、言ったところか


 まあ、言っても仕方なし、帰り道は雪原側だろうな。


 元来た道は地下水路に戻ってしまうし、壁の内側も興味があるが、複雑な迷路だったりしたら面倒くさい気持ちが限界を超えてしまう。


 モチベが上がらない時に無理な仕事をする事ほど効率の悪いことは無い


 雪原地帯なら何も無くとも、遠くまで景色は見えるだろうし、下り道ならいくらか楽なのではなかろうか?


 そうでもないかもしれないが、魔物なんかと戦いつつ、景色見つつ広い場所を歩けた方が絶対自分向きだ!


 と、言うわけで、再び防寒セットを着用し、雪原地帯に踏み入れる。


 そして、早々に異変に気がつく。


 絶対やめておいたほうがいいのに


 今は面倒くさいの気持ちが勝ちすぎてしまった。


 明らかに不自然に置かれる一枚の板。


 誰も踏み入れないであろう筈の雪原に何故板があるのか、何となく展開は読めるが、よくよく観察すると


 一枚の身長程度の長い板の表面に固定出来そうなベルトが二本


 絶対無理なのに、怠惰の魔力が自分を惹きつけて放さない。


 片方のベルトに右足を差込み、次に左足も固定し、半身のイメージで板の上に立つと


 自然とじわじわと板が滑り始める。


 そして徐々にスピードが増していく・・・・


 ちょっと自分では制御できないようなスピードになってきた。


 「うっうおぉぉぉぉぉごめんなさいぃぃいスノーボードやった事無いぃぃぃぃぃ」


 もう、遅かった止めることも出来ず、慣性と重力にしたがって、ただ加速を続けていく


 そして、小山を乗り越え空中に投げ出される。


 そうすると手とボードの一部がぼんやり光り、引かれている気がする。


 びびり倒しながら、一縷の希望にかけ、光っている場所を触れるとプロペラの様に地面に対して板が水平のまま回転する。


 「ぎぃぃぃぃやぁぁぁぁ!」


 耳になぜかブラボー!ブラボー!と言う声が鳴り響く


 いつの間にか地面に辿り着くが、またどんどんスピードが乗っていく。


 すると崖から飛び出す。


 下は無限の深さだ。


 スローモーションになった様な幻視をし、


 「嗚呼、終わった。死に戻ったらちゃんと地を歩いて行こう」


 決心した瞬間に突風が吹く、そして流されまた、足場に辿り着く。辿り着きたく無かった。


 再び加速するが、今度は何か通路になっている。両側が丸く壁になっている。


 そのままの勢いで、右の壁から飛び出てしまったと思ったら、今度は左手とボードの真ん中が光りはじめる。

 

 でも、さっき本気で怖かったので、強引に無視していると


 耳にBOOOOと聞こえてくるが知らん。


 また、通路内に着地するとガガガガガと凄い振動を食らう。


 今度は左の壁から飛び出す。


 右手とボードの先端が引き合うので、仕方なく掴むと


 そのまま垂直に回転する。


 震えが止まらない、しかし耳にブラボー!ブ・ラ・バー!と聞こえてくる。


 今度は綺麗に着地する。しかしさっきより加速が増していく、


 そして突き当たりに最大の丸い壁が、見え、突っ込む


 そのまま、飛び、最早逆さの状態で、空中に浮いている。


 もう、何が何だか分からない。


 気がつくと90度曲がった通路に入り込んでる。


 今度はでこぼこ道だ。


 小さな小山がいくつもあり、次から次へと登っては落ち登っては落ち


 視界がくるくる変わり、気持ち悪くなってくる。


 つま先に、体重がかかったり、踵に体重がかかったり、さっきから転びそうなのだが、謎の強制力が働いて転ぶことだけは許されない。


 繰り返される加速とジャンプ


 いつから諦めたのか、手とボードが光るたび、なにやら技を決め、耳に賞賛の声が聞こえる。


 もう何でもいいから終わりにしてくれ・・・・


 頼む。神でもなんでもいい、誰かお救いください。


 崖から飛び出す。


 もうどっちを向いてもどこかに到達する事も無さそうだ。


 「終わった」


 一抹の虚しさとほっとした気持ちで、心が空になりながら満たされるという不思議な状態に浸る。


 いつの間にか晴れた空は青く、ただただ青の中に吸い込まれる感覚に没頭すると


 突然、それまでの雪の感触とは違った足場の感触に転び、転がり


 足についていたボードはどこかに飛んでいく。


 いつの間にか仰向けに止まり、ボーっと空を眺めていると


 ヌッと黒い影が現れ言う


 「おかえりぃ~」 

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― 新着の感想 ―
[一言] 話の流れがいまいち掴めなかったが、 出てくるスノーボードらしきものって、 主人公の持ち物を使っての発想なのか、 突如クリア後のフィールドに登場した特別なギミックなのか どちら何だろう?
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