130.羽の蛇
■ 大霊峰頂上 ■
実は様々なクエストの最終地点に設定されている
そのクエストごとに用意されるイベントやボスの姿は違う
しかし、現状ここに至れるまでの登攀能力やキャンプ能力があるプレイヤー自体が少ない
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振り返れば、羽を大きく広げた蛇がいる。
羽がある時点で、蛇なのか?と言う疑問はあるが、蛇である。多分。
爬虫類の割りに羽は予想と違い、皮膜系ではなく、鳥系の羽だ。
そしてその羽が、文字通り光っている。ふわりと白く発光し、光り弾けるエフェクトがかかっている。
何となく、目が合ったかと思うと、上方を見始める蛇。
おいおい照れ屋か?などとしょうも無いこと考えてたら、
殺気を感じるが方向が分からない。
足元が光っている事に気がつき反射で飛び退ると同時に、晴天から雷が降る。
全く構えずに目の前に落ちた雷に、視界が塞がれ、音で耳が塞がれ、驚きで思考が止まってしまう。
するとまた殺気を感じる。すぐに横に飛ぶ、しかしその先も足場が光っている。
止まらずに、駆け抜ける。
背後に雷が落ちるのを感じつつ、地面を見ていると次から次から光が発生する。
範囲は大体、立った状態の人一人分の円だが、数が多い。
どうやら足元の光が発生した順に雷が落ちているようだが、既に順番等分からないので、隙間を見つけるのでいっぱいいっぱいだ。
しかし、一方的な展開だ。
どうしたものか、逃げる事しかできない。
数分避け続けると、足元の光が減っていく、と言うより新たに発生しなくなる。
ようやっと蛇の姿を確認すると羽の光が無くなって、灰色になっている。
すると遠くに飛びたつ蛇、遥か遠くになびく様に見える。思った以上の長さに敵でなかったら、見とれていただろう。
そうして、今度はこちらに向かって、飛んでくる。
そのまま背後の壁に激突し、飛び散る岩を必死に避ける。
蛇はそのまま滝つぼの池に頭を突っ込んで、蠕動しているように見える。
見ていると徐々に羽の色が白く戻っていく。
この泉はつまり蛇回復用のギミックでもあるって訳だ。
どうやってダメージ与えんだよ??と思ったら、胸部に魔石が露出していた。
しかし、羽の色が戻るに連れて、体内に引き込まれていくように見える。
すぐさま、腰から剣を引き抜き叩くが・・・・
凄く硬い、剣をあっさり弾かれる。
あっ!と思い即剣を納め背中の宝剣を抜くが、遅かった。
風圧で押し戻されながら蛇の動きを見ていると空に再び舞い上がる蛇。
そしてまた始める雷の雨。集中して避け続ける。
先程よりは余裕があり、ある程度は雷の落ちる順番を意識して避ければ、苦しいと言うほどではない。
次第に羽の色が灰色になっていく蛇。
そして、また壁に激突。
このときの岩の飛び散り方の方が規則性が無くて怖い。間一髪避けきると
また、水を飲み始める蛇、今度こそ胸部の魔石を宝剣で切ると魔石が割れ
空中に浮いた蛇の形態が変わる。一対だった羽が割れ二対になる。
そして今度はさっき以上の密度で降り注ぐ雷
しかし、羽が2倍の所為か雷の量は倍でも、降り続ける時間は変わらないらしい。
只管避けていると、頭上から影が落ちる。
足元に気を取られていたら、頭上に蛇の尾がある。
思い切り走り出し横に避けると尻尾が落ちてくる。
衝撃で飛ばされるが、直接ダメージは回避した。
しかし、飛ばされた先で雷を一発食らう。
動きが一瞬完全に止まり全身に走る痺れに直立不動になってしまう。
結構な大ダメージだ。すぐに回復液を飲みながら、
思わず髪を確認するが、髪がふわふわには、なっていなかった。
第二形態は足元を警戒しつつ、頭上も警戒しなければならないようだ。
必死に雷をかわしつつ、ちらちらと頭上も確認する。
そして、完全に羽が灰色になると、また壁に激突
降ってくる岩の内、大きなものは避けたが、ぱらぱらと小さなものはぶつかってくる。
そして、胸部に新たな魔石が、露出する、破壊する。
すると浮き上がり更なる形態変化、羽が三対に増える。
今度は上を見ない蛇。
顔の前に大きな陣のような物が浮き上がると
蛇を中心に放射状に弧を描くように広がる足元の光。
すぐさま蛇から極力距離を取る。
距離を取ればとるほど隙間が出来るからだ。
そして、ためが終了したのか、一気に放出される放射電撃
隙間でギリギリかわす。
すると今度はさっきとずれた位置に避ける。
電撃が放射される。
すると今度は頭上に蛇の尾が伸ばされる。
次の電撃が放射されるまでの一瞬に蛇の尾を避けるべく走る。
ギリギリで放射電撃をかわし、尾の攻撃からも逃れる。
徐々に集中力が削られていき、しんどくなってきた頃。
ようやっとまた、羽が灰色になり、突撃してくる。蛇
胸部の魔石を三度叩き割る。
もう終わりかな?と淡い期待を抱いたが、今度は三対の羽から光が伸び、
6枚の羽がまるで、迸るエネルギーのようになったところで、
足元からランダムの光、放射電撃、尾と攻撃の密度がめちゃくちゃに上がっていく。
まるで自分が若い頃やっていたアーケードのシューティングさながら、隙間から隙間に抜けていく。
時折、雷を食らうが、とにかく即回復して、避け続けるしかない
どんどん集中力が削られ、回復が追いつかなくなってきた頃。
灰色になった羽から一気に光が広がり、全身に光をまとった蛇が、遥か遠くまで飛び立ち
そして、高速で突っ込んでくる。
今までで、最大の揺れと飛んでくる岩の数にダメージをくらいつつ、最低限に抑えるべく必死で避け。
水を飲み始めた蛇の胸部の魔石を破壊すると
今度こそ蛇が光の粒子へと変わる。
するとファンファーレが聞こえる
クエスト発見者
討伐者
が貰える様だ。
最近はファーストアタックやラストアタックやMVP等は出てこないが、単独で倒せるような相手だからかね。
現れたるは羽の模様のメダルと靴だ。
ん~靴は普段用と防寒用とあるのだが、まあ困ることは無いか。
パターン化された攻撃とは言え、あまりの密度に完全に集中力が削られ、思考がふわふわする。
仕方ないので、池横のセーフゾーンで休む事にする。
玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、レタス、ベーコンを具にして、青い瓶のスープの元と牛乳、ちょっとだけチーズ
これで、リラックススープ(勝手に命名)できあがり~
と、スープを飲んで、一休みする。