128.大霊峰-雪原地帯-
■ 兎ボス ■
実は現状開かれている8国の中で、どこでも見られるパーティボスが、兎である。
姿こそそれぞれ違えど、単独で挑めるパーティボス
様々なイベントで、戦うことになるだろう。
そして、プレイヤーの戦闘力や対応力を試してくるだろう。
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
次の十字路は少し様子が違う。
進行方向左側にあからさまな空洞がある。
十字路の周りはちょっと登れなさそうな、高台になっていた筈なのに、誘うような空洞
覗いてみれば、少し下りになっているので、降りてみる。
そう深い道でもなく、奥には部屋になっており、焚き火があるところから、セーフゾーンのようだ。
煙はどう逃げるのか分からないが、火もちゃんと使えるようなので、
一旦、食事を摂り休憩する。適当に肉と野菜の煮込みだ。
そして、少し考える。
何気にフィールド魔物が強いなと
しかし、宝樹にしても村長にしても大丈夫だろうと言っていた。
今のところ戦えてはいるが、きつく無いといえば、嘘になるだろう。
避けられる内、ブロックできる内はいいが、直接ダメージには皮殻甲の自分は弱い
ん~そういえば、宝樹は瘴気生物を倒した事で力に余裕があるとか言ってたな、
どういうことなんだか、成長余裕があるって事なのかね????
ちょっと考え込んだ末、今のところ十字路だらけだし、周囲を探索しつつ戦闘慣れしておくかね
折角、拠点に出来る場所も見つかったし、ここを中心に戦闘経験を積む事にしますか。
そうして、周囲の探索を始める。
ただし、迷子にならないように、直線で進む。
来た道から奥に進む方向を正面として考え、右に突き当りまで進めば、絶対に越えられない崖
掴むところすらないので、完全にこれ以上先には行けませんよの崖だ。
左の突き当たりも同様。
途中出てきた魔物は組み合わせこそ違えど、今のところ見た魔物ばかりだ。
上から襲撃してくる、翼膜を持つ細長い魔物も何匹かは倒した。
ここぞと言うところで、襲撃してくるいやらしい魔物だ。
[雪蝙蝠の翼膜]や[氷雪の破片]等を落としていく。
徐々に戦いなれていく。
戦闘パターンを覚えるのもあるが、
結構あからさまに、殴る数が減っている気がする。
多分手数や振りのスピードは【訓練】を受けて最適化しなきゃいけないのだろうが、
今は一振りのダメージが上がるのが、助かる。
そして、進行方向奥に進む。
雪原地帯終着点は氷地帯、結構広い氷張りのフィールドだ。
雪原地帯より大分歩きやすい、そのままフィールド中央まで歩いていく。
すると、地響きが起きる。
向かいから一匹の兎が、跳ね・・・ずに滑ってくる。
一回跳ねれば方向転換し、そのまま滑ってくる。
いつだかの【帝国】で会った、顔のつぶれた兎ではない。
サイズこそパーティボスだが、寧ろ顔は尖り、爪は長く、その爪をスパイクにして、で氷の上でも自在に動いている。
そして、滑ったまま体重を乗せた頭突きを入れてくる。
即座にブロックするが、自分の足のグリップ力が効かずに押し戻されていく、
ようやっと、止まったかと思えば兎はバク転し、距離を取り後ろ足で、立つ
今度は唐突にその場で、スピンする。
アレだ、アイススケートのスピンだ。くるくると回りながらじわじわと距離を詰めてくる。
そして、接触の瞬間ブロックすれば、吹っ飛ばされる。
先程からちゃんとブロックしているので、ダメージこそ少ないが、吹っ飛ばされて何のチャンスも無い。
滑りながら近づいてくる、兎
今度は右手を叩きつけてくるが、
やっっっと上からの攻撃にブロックをして、硬直したところに
擒拿術 猿捕茨
硬直延長したところで、急所であろう首
動きを阻害する股関節、膝、肘
と切りつけていく、
硬直が解け、体当たりでまた吹っ飛ばされる。
しかし、待てば向こうから突っ込んでくるので慌てない、
うまいこと硬直すれば、こちらからダメージを与えていく。
そして、偶々だが耳を切りつけたとき、大きく仰け反った。
嗚呼、耳が弱点かと思わず、にやけてしまう。
なんだかんだ、戦えていてもそこまで大したダメージを与えられていなかったことに、フラストレーションがあった。
でも、耳が弱点と分かれば、こっちの物だ。
二足で立っている時は、それこそ高さが合わないが、
四足の時は狙いごろ、ブロックより耳を狙う事を優先する。
そうして、冷静に何度耳を切っただろうか、
突然攻撃パターンが変わる。
両前足で、足元の氷をガンガン叩きつけはじめる
何があったのかと見ていると最後の一撃とばかりに兎が飛び掛ってきたので、ブロックし、押しのけたところから
氷が割れる。
兎を押しのけた場所から割れ目が広がり、足場を失う。
瞬時の事とは言え、氷の割れ目に掴まり、ぶら下がる。
しかし、体を地上に戻すことが出来ずに、そのまま降ちてしまう。
落ちた先にはちょうど倒れた兎。全く動かない、事切れているようだ。
先に落ちた兎の上に落ち、落下ダメージは抑えられたのだろうが、
周囲を見渡せば、両側は完全な壁、
前後に道が続いている。
よくよく足元を見れば、水路になっている。
雪溶け水が、地下水のように走っているのだろうか、
もう下流に進むか上流に進むかしか、答えは無いので、上流に進むことにした。