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118.赤と割り込む白

 ■ 後詰 ■


 <戦陣術>で使用可能な術

 隊列の入れ替えと同時に攻撃力の上昇効果がある

 前列、後列と隊列が分かれていないと使用できない。混戦状態では使用不可

 隊列入れ替え時の勢いで戦線を押し上げる効果も期待できる。


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


 「さて、まず弱化アイテムの情報はあった?」


 「いや、一応合流したクランメンバー達にも手分けさせたが、弱化アイテムはみつからねえな。

 ただ情報だけなら『あまり追い込むとろくなことにならない』だそうだ」


 「ああ、最後の一撃とか追い込まれてから使う切り札的なものがあるのかね?とにかく温存しながら戦って、最後は一気呵成に決めるしか無いか」


 「まあ、そんなところか、それでうちのメンバー達は隊長から見てどうよ?」


 「正直言ってバルト達とレギオンやったときよりはマシだね。騎士になるために最低限はクエストこなしてるのが効いてるんだろうね。まあ現段階でどれくらいの差があるかは知らないけどさ」


 「じゃあ、何とかやれそうかね?失敗したとしても今迄より進展がありさえすりゃあいいさ」


 「軽く隊列組んだりした感じじゃ、悪くないね。士気にもなれてるし、隊列組む時はじめは戸惑ってたみたいだけど、自分が指示出せば勝手に誘導されるから今までのマニュアルで列組むのに慣れていたら仕方ないからね」


 「じゃあ、問題は・・・・」


 「・・・・ああ、あいつだな」


 「ふむ、やはり大会で渡り合い、さらにバルト・ロメオに与する者など信じて良いのですか?場合によっては情報だけ持ち去られて、バルト達とレギオン討伐をするのでは?」


 「いや、だから最初から言ってるだろう?今回の討伐に文句があるやつは参加しなくていいって、一応俺達は最強を名乗ってるし気に入らないなら留守番してろ」


 「しかしあなたではころっと騙されてしまうのではないですか?赤騎士よ!なれば私が監視し、裏切るようであれば手を下しましょう」


 「いや、だから俺が勝てない相手にどうやってお前が手を下すんだ白よ・・・・」


 「流石に指揮してる最中に後ろから刺されるのは勘弁して欲しいんだけどね。まあ、最前線で戦わず指揮に集中するつもりだし、不意打ちなんぞくらう気も無いけどさ」


 「ふん!自ら最前に立たずに後ろで指図するだけなぞ卑怯者のすることではないですか!やはりこのような者の手を借りるべきではありません!私の策なら今度こそ・・・・」


 「おい!いい加減にしろよ!本当にお前だけ置いて行くぞ!!お前の策どころか誰も攻略の糸口すらつかめないレギオンとの戦い方を教えてくれるっつうのになんて言い草だ!あ!?現時点でも集団戦用の多人数に同時に効果のある補助術の存在を教えてもらってるんだからな?俺らが勝手に練習してた隊列も実は『スキル』で補えるんだからな?まじで頭冷やして来い!それで納得いかなきゃ留守番だ!」


 「くっ・・・・」

 黙ってその場を立ち去る白騎士


 「言い過ぎじゃないの?仲間なんだろ?」


 「むしろ仲間なんだから、言うべきことは言うだろうよ・・・・悪かったな、腕は立つし悪いやつじゃないんだが、妙なところで賢しげとでも言うか変なキャラ作りしてる奴なんだわ」


 「まあ、自分のところのメンバーを使い潰されて情報だけ持ってかれたらそりゃ困るだろうし、いきなり他所者の指示に従うのが癪なやつもいるだろうよ」


 「とはいえ、既に有益な情報をいくつも貰ってて情報抜かれたらなんていうけちな話も無いだろうよ。逆になんか聞きたい事あったら聞いてくれよ」


 「別になあ、攻略情報とか見ない事にしてるくらいだしな・・・・ああそうだ、騎士が称号職なら普通の【兵士】の上位ジョブってなんだろ?」


 「ああ、それな一応俺達も国のメンバーに聞いて確認したんだが、【伍長】【隊長】【百人長】【千人長】らしい」


 「【什長】では無いのな、まあ20人だしな。それで自分が20人しか率いれないと勘違いしたのか、しかし【王国】の方がジョブ名分かりやすいな」


 「ごめん頭冷やしてきた」


 「早いな!口調変わってるし」


 「まあ、本来こういうしゃべりかたなんだ、学生だしな。だが腕が立つのは本当だ」


 「ふーんまあ自分はいい年だしあの程度でどうこう思いもしないから気にしなくていいよ。それよりぼちぼち狩り日を決めようか。勝つにせよ負けるにせよ一度やらなきゃ分からんし」


 「じゃあ、次の祝日でどうだ?一番人数が集まれるだろう」


 「自分はかまわないよ」


 「うし、じゃあ最終調整と準備といくか、なんかこれだけは準備しておいたほうがいいものはあるか?」


 「<簡易調理>使える人は何人いる?後セーフゾーンはボスの近くにあるかね?」


 「セーフゾーンは誂えた様ないい場所にいい規模のもんがあるぞ、後調理系スキルの使い手は今回の集まりにはいないな」


 「んじゃあ自分が100人分食材調達するか」


 「そんな負担は流石にかけられないだろ。携帯食料もって行くぞ」


 「それだと食事バフをボス戦で使えないじゃん?」


 「ん?隊長、料理はすぐに食わないと消費期限切れちまうから持ち歩けないぞ?」


 「だから食材を買うわけじゃん?食材なら自分の鞄なら長持ちするし、そういうのイベント特典で交換してもらった」

 

 「なるほど、大会の特典はアイテムバッグの機能拡張にしたのか、便利だけど随分地味なものにしたもんだな。まあそれより調理はどうするんだ?流石に調理場は近くに設置されて無いぞ」


 「セーフゾーンの焚き火があれば十分だから。何人かには話した気もするんだが<簡易調理>持ってれば、野外で調理して飯食えるから。攻略サイトとかあるって聞いてるのに全然そういう情報は無いんだな?」


 「そうなのか・・・・よしそれなら食材の調達手伝うぜ、何が必要だ?隊長が作ってくれるんだ、せめて食材の費用はうちで持つ」


 「そう?そしたら作ってみたい料理があるから食材のメモ渡すわ。ここいらでは食事は白い食事と赤い食事に分かれてるらしいんだけど、それぞれ肉と乳製品な。それを合わせたようなやつで食べやすいのが一個あったから作ってみようかと思っててな、下ごしらえが必要なんで決行日の前日にでも渡してくれると助かるわ。中間食材でも自分のバッグ保存が利くし」


 「そうかじゃあ、このメモの物集めておくわ、隊長はなんでそんなに有用な知識蓄えてるんだかな?」


 「そりゃあこのゲームの事はこのゲームの住人のNPCが一番良く知ってるもの。クエストやって信用を得て一つづつ教えてもらう。それだけでしょ?俺たちがこのゲームで遊んでやってんだとばかりに勝手気ままやってたって、しょうがないじゃん」


 「そういうもんか?まあ、なんだかんだ自分の体使って情報集めてっていまどき珍しい面倒くさいゲームだからな。俺世代なんかは多少面倒だったり難しいもんをクリアするから楽しいんじゃないかって思うし、ゲームってそういうもんだと思ってるから苦も無いがな。んじゃ、ボス戦は頼むぜ」


 「ああ、まずは今出来るところまでやってみようか」

次回レギオンボス戦の予定

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