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116.赤との再戦、ピンクの師匠

 ■ 氷剣術 紅氷華 ■


 氷精系デバフ術

 相手に完全に剣を突きこんだ状態でのみ発動可能

 範囲は剣を突きこまれた一体のみ

 相手の残生命力に対して必要精神力が変動する。

 凍傷→凍結→即死

 とかかるデバフも変わる

 膨大な生命力をもつ巨大魔物にいきなり使用しても大した効果は期待できない。


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


 高原の戦士に連れられて来たのは見覚えのある赤と黒の騎士、正直なところ黒は革装備だし騎士っぽくないけど、一度戦ってる騎士団の二人だしすぐ分かる。


 「こいつが相手か、なかなかやりそうなプレ・・・・ニューターだな。俺がやるぜ」


 と赤がそのままこちらに向かって来て、5歩位のところで自分に向き合う。


 「はじめましてだよな?なかなか立ち姿だけでも様になってるようだが、何かやってるのか?」


 「いや別に、クレイモアの全国大会に行くようなことはないね」


 「ちょ!お前ぼっち・・・じゃなかった隊長か!道理でな、あの時より出来るようになってないか?」


 スライムの時とか確かにちゃんと訓練つけてもらってるし、ショートソード使いとしても前よりは出来るようになってる自覚は多少ある。

 しかし何より思うのは、バルト達と大型魔物討伐の為の訓練を行ったせいかプレイヤーの身ごなしが何となくだが前より分かる様になったのだが、


 この赤騎士・・・・


 「そっちは【訓練】サボってるだろ。現実の方の技術は到底太刀打ちできる気がしないけど【訓練】サボってたらこっちじゃ強くならないぞ。まあ全く【訓練】しない他人よりはマシみたいだけど」


 「あん?【訓練】だ?最低限はこなしてるぜ!騎士やるには必要だからな」


 最低限ね、何となく勝ち目はありそうだな。

 というか身ごなしだけ見る分には勝てるっていう確信しかないんだけど


 「ちなみにガイヤとだったらどっちが強いの?ガイヤのこと知らなければ別にいいんだけど」


 「何言ってんだ?ガイヤ知らないプレイヤーなんていないだろ?βから闘技場で戦ってる対人戦のプロ、一対一なら勝てるやつも限られてくる位のな」


 「この前なんかやたら弱いPK5人に絡まれてたけど」


 「大抵のやつは分からないんだよ。βの連中はまじで桁が違う。俺が30ならやつらは100以上位の差がある」


 ・・・・つまりアレだ、一応【訓練】はして、赤騎士は30%くらいは引き出せてるんだろうな

 戦ってみない事にはなんとも言えないけど、この赤騎士が弱そうに見えるって事は自分の素のステータス大分上がってるのか?いつの間にか。


 そんな事を考えていると


 「そろそろ良いか?お互い知った者同士のようだが手は抜くなよ?はじめ!」


 剣を抜いて取り敢えず肩に担ぐように軽く構える。


 赤騎士も同様に剣を抜き両手で顔の前に掲げ剣の切っ先を空に向け何かを発動すると体全体にエフェクトの光がかかる。


 自分の方は<軍率士>はずしてきてしまったので、バフは無い。


 両手で剣を掴んだまま肩にかかえこちらに走り寄ってくる赤騎士に対し、自分は逆に剣を下ろし切っ先を地面につける。

 後2歩の所で地面に突き刺し


氷剣術 霜界


 急な減速につんのめる形になった赤騎士を回りこむように避け、グリーブと腿当の間の膝裏を突く、

 そしてすぐまた間合いを開ける。


 本当につんのめり、膝をついた赤騎士だがすぐに立ち上がりこちらを向いて剣を正眼に構える。

 そして流石に地面が白い事に気がついたのか摺足で円の外に向かう。


 霜界があるうちは自分のほうが有利なので、今度はこちらから切りかかる。

 正面から突きこむと相手は剣を真っ直ぐ振り上げる。

 すぐに横に回りこむと、相手は片手で剣を持ち体ごと回転するように剣を振ってくるので已む無く転がって距離を取り回避する。

 そして相手は円の外へ出てしまう。


 まあ、軽い挨拶程度であまり広い範囲の物じゃないし已む無し。


 ここからは多少打ち合いになる事も想定して


氷剣術 凍牙


 術の発動状態を維持する。


 ほぼ同時にお互い踏み込むと、今度は腰溜めに剣を後ろに構え明らかに振り回す姿勢の赤騎士


 踏み込めば斬られる。遠距離技持ちならいくらでも対応できるのだろうが、残念ながら自分は完全な接近戦タイプ。

 もしかしたら赤騎士もそうなのかもしれない。


 横から振り回すのが分かっているのだからやる事は一つかと腹をくくりつっ込む。


 案の定振り回してきた剣をブロックする。


 お互い硬直し、一瞬早く立ち戻った自分は斬るより寧ろ相手の手首を掴む事を優先。


 硬直が解け<掴み>を振り払う赤騎士のその瞬間の無駄な動きを見逃さず、空いた首に剣を突きこむ。


 反応し、体を捻ろうとするもきっちり突き刺さり、出血と急所判定そして急所判定による硬直が発生する。


 オープンヘルムなのが狙いどころ、両目を潰すように擦り斬る。


 硬直は解けたようだが、盲目が発生して、自分を探すのに手間取っているようだ。


 取り敢えず相手の左肘の内側を狙って斬りつける。手首はガントレットを着けているので、肘を攻撃してみるが、チェインメイルのような物を着込んでいるのか手ごたえはいまいち。


 自分のいるほうを見当つけたのか斬りかかってくる赤騎士

 しかし切っ先がブレブレになっている。


 よく見ると手が震えている。


 凍牙の効果である確率での凍傷が発生したようだ。


 距離を取ると闇雲に剣を振っている。剣にエフェクトがかかっているってことは多分術を発動しているんだろうが、当たらなければ意味はない。


 大きく唐竹割りに振り切った所を狙って真っ直ぐつっ込み、ジャンプして回り込むようにスライドしながらまた首を斬りつけ、そのまま背後に回る。


 さっき突いた膝裏を思い切り突き込み下がると


 振り向きながら切りかかろうとしたタイミングだったのか、体を捻りながらそのまま仰向けに倒れる。


 それはもう壊れたマリオネットさながら。


 近寄るとまだ剣を向けてくるが、目も見えてないうえ凍傷状態だし、出血状態エフェクトも出ているし、多分片足も部位破壊状態の可能性が高い。


 寝転がると腹辺りに鎧と腰当の隙間が見えたので剣を突きたて


氷剣術 紅氷華


 止めを刺す。


 「それまで!十分に力は見せてもらった」


 赤騎士は戦士二人に担がれ退場していく、そしてその後を何も言わず黒騎士が付いていく

 

 「ふむ、では約束どおり案内を出そう。とは言え山岳地帯までは距離もある。十分な準備が必要だ。それまではここに逗留するが良い。客分用のゲルもある」


 そう言って自分達の大きなゲルに引き上げる族長と戦士たち

 

 取り敢えず、客分用のゲルに行ってみますかと歩き出そうとすると


 「ちょっと待つよ!スケベなお兄さん!」


 ええ?いきなりスケベ認定だし、ピンクの中華服のおっさんが怪しげな店の客引きのように自分を呼び止める


 「自分そういうのお断りします。では」


 「いやいや!お断りしないほうがいいね!お兄さん<掴み>使ってたでしょ!でも掴んでただけ!アレじゃ何の意味もないね!おいちゃんなら、お兄さんの事ドスケベにしてあげられるね!」


 すると戦士風の猿獣人?がやってきて言う


 「師匠は素手の組み合いならここでも有数ですよ。巨体のケンタウロス族を捻り倒します」


 ああ……そういう師匠キャラなのか、しかし何故ドスケベ?


 「他人のこと掴もうとするなんて思いつくことがスケベの始まりよ!でもスケベで良いよ!スケベは生命力の証、繁栄にはスケベの力が大事ね!だからおいちゃん見込みのある子をドスケベにしてるの!」


 「具体的にどうなるとドスケベになるんでしょうか?」


 「いくつかあるよ!両手空きの<格闘>使いなら<投げ>や<絞め>がお勧めよ!投げ倒したり組み付いたりして何が目的よ!ホント!

 でもお兄さんは片手空きだからね!おいちゃんの一押し<擒拿術>を教えてあげるね!

 どういうものか分かるね?スケベだもんね!」


 昔漫画で読んだ気がするわ

 「関節固めて捕縛する技ですか?」


 「何言ってるの?術なんだから精神力で色々な効果を与える術に決まってるね!<掴み>状態じゃないと発動しないのは<詠唱術>が特定の文言を言わないと発動しないのと同じね。相手を掴むって意外と難しいよ」


 折角、次の目的地に行くまで時間あるみたいだし、習ってみるのもありですかね。


 「じゃあ、教えていただいても宜しいですか?」


 「任せるね!因みに<掴み>は今後<擒拿術>に変わるね。でも<掴み>はちゃんとできるから安心するね!装備スキルの<掴み>もちゃんと発動するからね」


 そう言って、また別の広場に連れて行かれる。

 そこには武器をもたない獣人たちが思い思いに組み合ったり、地面に立てた丸太を押したり引いたりしている。


 「お兄さん術の使い方の基本は知ってるみたいだから早速一つ<擒拿術>教えてあげるね、それを何度も練習して他の術も身につけるね。

 基本は掴んだら術を使用する事よ」


 「え?なんの【訓練】もなしにいきなり術習得できるんですか?」


 「何言ってるの?<精霊術>取得した時も寄付しただけで基本の術教えてもらったでしょ?

 じゃあこの三本のくじ引きから好きなのを一つ選ぶね、最初に覚えられる基本の術の内どれかを教えてあげるね」


 と言って手に三本の紐を握って突き出してくる師匠


 その内の一本を引くと先が黄色に塗られている。


 「ああ、外れよ・・・・スケベ心が足りないね。でも引きなおしは無しよ。擒拿術 猿捕茨を教えてあげるね」


 「あの何が外れなんでしょう?」


 「他はね掴んだ瞬間ダメージを与えるやつと掴んだ部位を一定時間部位破壊状態にする術だったの。

 お兄さんのやつはね、硬直した相手を掴んだ時に硬直時間を延長するやつなの

 硬直させるには一般的なのが盾系スキルのブロック、急所攻撃、威嚇系スキルなの

 威嚇系は魔物倒してれば手に入る事もあるけど掴めるほど接近で使う事は稀だし

 急所攻撃は細剣や短剣や小剣のような小回り効く武器で尚且つ<剣力>のような命中力重視じゃないとでにくいし

 盾系スキルは盾持ってるから片手が空かないの」


 「いや、全部持ってるんですが?寧ろこれしか当たりじゃ無い感?ブロックしてから反撃が基本スタイルなので、この術だけあれば十分ですわ」


 「アイヤー!!!硬直して動けない相手を掴んでさらに動け無くするなんて!!!まさにドスケベの逸材だったのね!!!じゃあ、早速実践的な使い方教えてあげるね!」


 そう言われて休む間もなく<擒拿術>の【訓練】が始まる。

 まあ、強制戦闘は緊張こそしたものの疲れるほどのものじゃなかったし、いいんだけども

 ドスケベの逸材かぁ

紅氷華本当は劇中で性能チェックしてる一幕入れたかったのですが、習得してから大分経ってしまったので、こういう形で説明しました。

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― 新着の感想 ―
[一言]  擒拿術  猿捕茨  読めない……まあ、支障はないですが。  しかし、ここまでクエストやろうとしない人ばかりとなると、既存の強者ってどういう人たちなんでしょうねえ?  ある程度知っている人も…
[一言] 何故だろう、頼む、ハメさせてくれって幻聴が聞こえたのは…
[良い点] 他のプレイヤーが絡むと隊長の凄さが良くわかりますね! [一言] ピンクの中華服のおっさん……でスケベ…… 梁〇泊にいらっしゃいませんでしたか?色違いだけど(笑)
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