109.鉱宝樹
■ 鉱宝樹 ■
創世神の眷属として世界を管理する一柱
【鉱国】に様々な種類の鉱物や石をもたらしている。
金属で有りながら生命であり成長する。
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階段の先には地底湖とでも言うのだろうか、一面の湖が広がる。
そして、その周りには不思議な光を発するきのこや草花が咲いている。
暗い筈の洞窟内で蓄光し緑色にぼんやり光るきのこやそれを反射するメタリックな花や歪な形の草
そして、遠くには大きな木が見える。
浮き橋とでも言うのだろうか、ドワーフの国にしては珍しい木の橋を渡っていく。
本当に湖面に浮いていて安定感が全く無いが、普通に歩く分には問題ない。
木の下にたどり着くと流石にそこには地面が露出している。
『やぁ!邪神の尖兵を倒してくれてありがとうね!あいつらには根を食われて困ってたんだぁ』
「いや、宝樹に会う事が任務だったので」
『へえ?僕に会いに来るのなんてごく一部のヒュムやドワーフだけなのになんでだろ?』
「氷宝樹の近くに巣くうヒュージスライムを駆除する任務から、氷宝樹に連絡の取れなくなった他の宝樹を見てきて欲しいって頼まれまして」
『へえ!あっちも邪神の尖兵が現れたのか!なんかこの辺りの魔物達の変質も進んでたしちょっとまずい感じだったんだよねぇ』
「はぁ、まあ今回は何とか倒せましたし、この辺りはもう問題ないですかね?」
『そうだね!一番魔化した奴倒してくれたから、あとは自然と浄化されるよ!他の宝樹達にもこれから会いに行くのだったら、同じような事になってるかもしれないからよろしくね!』
「まあ、その辺りは管轄している国とうまくやっていくつもりですが。ところで一件気になってたんですけど、宝樹とは世界樹の子供だって聞いたんですけど、世界樹ってどうなってしまったんですかね?」
『世界樹に興味あるの?遠い昔に邪神との争いの際に宝樹を残して根を全て使い尽くしたんだよ』
「へぇ、それで宝樹と元々世界樹の根の張っていた空洞だけ残されたと」
『そういうことだね。ところでついでにもう一件頼まれて欲しいんだけど』
「嫌な予感しかしないですね」
『僕の力が弱まって一匹蛇が復活して暴れているんだ。輪の蛇って呼ばれてるんだけど、ちょっと行って倒してきて欲しいな』
「でた、ちょっと行ってっていうやつだ。大きいんですよね?自分一人なんですが」
『何も問題ないよ。口開けてぐるぐる回ってるから、口から飛び込んで、心臓刺すだけ!ちょうど宝剣も持ってるみたいだし何の問題も無いよ!』
「はぁ、分かりました。じゃあ、準備してきますが何処にいるんですかね?その蛇」
『良く見てもらうと分かると思うけど、この場所に来る階段はいくつかあって、君から見てちょうど左側の階段がこの山の外につながってるから、出ればすぐに見つかるよ!後準備してる時間は無いよ!そんな事してたらここにくる途中の道にいたドワーフ達がぐるぐる回って地面えぐってる蛇に押し潰されちゃうよ!』
「え?そんな急ぎの案件だったんですか?」
『うん!急いで!急いで!がんばって!後向かう途中僕の根が露出してるところがあったら宝剣を当ててみて、少しだけ力を貸すから!』
「はぁ、分かりました。行ってきます」
なんとも、強引と言うか何と言うか、結構しんどいがもう一頑張りか
確かに左手にも浮橋があるのでそこを渡りそのまま真っ直ぐ階段を上がっていく
時折光を反射する何かが地面から露出してるので試しに宝剣を当てれば、
透明な宝剣に放射状に金色の針金のような物が入る。
宝石好きな自分から見ればルチル・クオーツのようでなんとも好きな見た目だが、今はさっさと階段を上り上を目指す。
お待たせしました。