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106.鉄鼠 2WAVE

 ■ 戦線維持 ■ 


【帝国】の【兵士】が取得できる戦陣術の内、

 防御力上昇効果、ノックバック等の近接デバフ耐性効果のある術


 効果自体は群を抜いたものではないが、

 ノーリスクで士気と精神力のコストのみで使える上、隊列の状況を問わず一定の効果が発揮される為、使用しやすい術の一つである。 

 

 使用効果の高い物程、使用条件の難易度や高コスト、リスクを負うことが多い。


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////



 さっさと回復しながら、1WAVE目と同じように布陣する。

 一応相手を観察しながら再編成を進めているが、どうにも相手の動きが読めない。

 勝手に団子になって集まってるだけにしか見えない。


 先の1WAVE目と違うところと言えば、色付きのモグラがちらほら混ざっているといったところか?


 「あの色付きが噂の宝石食ってる奴ですかね?」


 「その通りだ」


 「何色か見えますけど、能力とかは分かりますかね?」


 「ふむ、赤は火を吹くから範囲術攻撃を使うと思えばいい。

茶は防御力が高いから足止めだけにして無理に倒そうとしないほうがいいだろうな。

青が吹き出す白い息に触れれば身体能力が下がるから、先に倒すか近づかないことだ」


 タンクに範囲火力職にデバフ支援か、いやらしいな。まあ、当たり前のことなんだが。

 しかし普通なら茶色を前線に出して固めそうなものなのにごちゃ混ぜなのは何か意味有るのか?


 「術抵抗上げる方法はありますかね?」


 「有るぞ。ただ移動速度が遅くなるからな、ここぞというところでどの部隊に使わせるか考えたほうがいいな」


 ふむ、術抵抗↑ 移動速度↓ ってタイプか<戦陣術>も効果が高い物程そう言う部分あるしやむなしか。


 そうこうしているうちに、魔物とドワーフ達の緊張感が高まる。

 合図などしなくても自然と再衝突の空気が固まる。


 そして、モグラが一斉に駆け寄ってくる。

 しかし、先ほどの再現かと思うほどばらばらにただ駆け寄ってくるのみだ。


 「さっきと同じだ!盾構え!『行くぞ!』」


戦陣術 激励

戦陣術 戦線維持


 「そういえば、さっきの戦闘の支援効果って残ってるんですかね?」


 「効果時間に限りの有る物は既に切れてるが、『膨筋』の術の効果上昇は残っているぞ。後、士気も据え置きだ」


 なるほどね、悪くは無いな。


 「じゃあ、念のため前線の防御を上げる術をお願いします」


 「ふむ、それなら大盾隊!『防筋』」


 またもや腰に握った拳を当てるドワーフ達、しかし今回は胸を少しすぼめてる?背中を広げるように力を込める。

 

 フロント・ラット・スプレッドだ。


 分かってはいたが、一瞬思考が止まる。


 そして衝突。


 先程よりも戦線のばらつきが、少ない。

 どうやらあのポージングの効果自体は間違いないようだ。


 とりあえず前線で接触しているのは、まだ灰色だけだが、こいつらを片付けないと色つきが出てこない訳か。


 作戦としては相手の勢いが落ちたところで攻撃力を上昇した2列目大槌と交代、灰色を片付けて、

 術抵抗を高めた3列目大槌と交代、極力茶色は無視して、色つきを削る。

 一定数削ればまた引くだろうから、移動速度の下がった3列目大槌を置いて他の部隊で『追撃』


 以上、一気呵成の波状攻撃作戦だ。隊列を組むことを主軸にした戦い方は合わないと分かった以上、どこかで一気に勢いを付けて追い返すよりあるまい。

 隊列の入れ替わりが多いから、その度に術士部隊の足止火力支援が必要だ。

 

 そうなるとその他の支援術は精神力温存の為なしだ。


 先ほどの壁の上から見ていたときと違い、相手の姿や攻撃パターンが良く見える。

 灰色の攻撃パターンは体当たりと長い爪での引っ掻きと爪で抱え込むようにしての噛み付きの3種か


 刃が通らない硬い毛皮だけあって、体が重いのかそこまで速さは感じない。


 まあ、ドワーフと戦う魔物だし、すばやい魔物じゃ噛み合わないな。


 ぼちぼち相手の突撃の勢いが無くなってきたところで、次の指示だ。


 「2列目大槌隊の攻撃力を上げつつすばやさは下げたくないんですけど」


 「ふむ、じゃあ、大槌隊『暴筋』だ!」


 2列目大槌隊が一斉に両腕を高々と掲げ上げ、拳を握りこみつつ肩から平行になるまで2の腕を下げ、90度よりやや頭側に前腕を折り、手首をさらに内側になるように捻り込む。

 二の腕がはち切れそうなほど膨らむ


 フロント・ダブル・バイセップスだ。


 分かっているのに一瞬見入ってしまう。


 まあ、いい。頃合だ。


 「術士隊牽制攻撃だ。ばら撒け」


戦陣術 後詰


 術士隊の攻撃術で相手が鈍ったところに大盾隊と2列目大槌隊が入れ替わる。


 そして攻撃力の上がった大槌隊がどんどん灰色モグラを駆逐する。


 ゴリゴリと相手モグラを削っていく様を見ながら、色つきと接触する瞬間を見計らう。

 

 「そろそろ、術抵抗を上げ・・・・」


 次の指示を出そうとした瞬間、一斉に赤モグラが火を吹き、青モグラが白い息を吹き出す。


 「え?ちょ・・・・あいつら味方巻き込んで・・・・」


 明らかに灰色のモグラ達を巻き込んでいる。

 むしろ灰色のモグラ達の方が被害が大きい位だ。


 「ふむ、あいつらにそんな理屈は通じないな」


  何てことだよ!計算違いもいいところだよ!隊列組んだりしないのは『獣だし~』位にしか思わなかったけど仲間ごと焼き払うとか・・・・


 「ああああ!もう!畜生!」

 思わず頭を抱えてしまう。

 計画を立てている時ほど、うまくいかないもんだ。

 とは言え今回は完全に自分の思い込みで、計算違いが生まれてばっかりだ。

 誰も責められないし、はっきり言って自分の情報収集が足りなかった事が全ての原因だ。


 「大盾部隊は左壁寄りに縦列!3列目大槌部隊は右壁寄りに縦列!支援部隊と術士部隊は一杯まで引け!引きながら術士部隊はとにかく前線の圧力を減らせるようにばら撒け!」


 2列目大槌部隊に負担をかける形のまま隊列を変更する。

 消耗が激しいが不幸中の幸いか相手も削られていく為、何とか維持できている。


 おおよそ凹型に隊列変更できたところで、指示を出す。


 「術士部隊思い切って、牽制しろ!2列目大槌部隊はそのタイミングで引いて、支援隊術士隊に混ざれ!」


 そして、2列目大槌部隊が引くにつれ、統制の取れていないモグラ達が押し寄せてくる。

 ただ、真っ直ぐだまになって、もぞもぞ寄せてくる。


 「両サイドは飲み込まれないようにまずは耐えろ!『行くぞ!』」


戦陣術 激励

戦陣術 戦線維持


 引けば引くほど乗るように相手の圧力が増すが、もう少しだけ我慢だ。


 ぎっちりと場が埋まり、圧力が最大になったところで、


 「ここで、決めるぞ!」


戦陣術 鶴翼陣


 凹の間に詰まっているモグラを一気に食い散らかす!

 

 がしがしとモグラを減らすが、徐々にこちらの隊列も崩れ、ただの団子状態になっていく。


 モグラもただの塊こちらもただの塊になった。


 「密集隊形!決めるぞ!急がなくていい!削り倒せ!」


戦陣術 方陣


 【帝国】で使っていたようなきっちりと隊形を組んだものではないが確実に相手を押し返す。

 そしてじっくりと追い返す。


 相手が減り、徐々に有利になっていく。

 

 ほぼ、勝勢が決まったところで自軍状況を確認する。

 予想通りとしか言いようが無いが結構ひどい。


 とりあえず2/3位までは押し返したが、大丈夫だろうか・・・・

 回復を急ぐ事にする。

すみません何とかかんとか書き上げました。

誤字脱字あったらごめんなさい。

タイミング見て直します。

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― 新着の感想 ―
[一言] おっさんやはり失敗しないと成長しづらいタイプですね
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