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104.再びのサンハッカー

 ■ サンハッカー ■

 

 宝樹の影響で特に地下資源豊富な地域の都

 ある意味で【鉱国】を代表する地域であり、まさに対外的な玄関口である。

 地下資源を利用する生産職はこの辺りを拠点としていることが非常に多い


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////




 さてとまずは商業長に面会かねっと。

 再びサンハッカーの【組合】に着くと、いつだかの人当たりの良さそうなドワーフのおばさんが、声をかけてくる。


 「あらあら、こんにちは。一周巡ってきちゃったのね。話は聞いてるわ。

 すぐに呼んでくるから、こっちの応接室で待っててちょうだいな」 


 いつだかとほぼ同じように奥の部屋に通される。

 そしてまた老年の温厚そうな眼鏡のドワーフが前回と全く同じ様子で現れる。


 「やあやあ、お客人お待たせしてしまったね。この都を中心とした街を一通り巡ってきたようだね。何か興味を引かれるものはありましたか?」


 「ええ、まあ、ぼちぼちと必要な物も手に入って助かりました。

 ところでそろそろ宝樹との面会は出来そうでしょうか?」


 とりあえず早めに用件を伝えておくと


 「それがですね、お恥ずかしながらトラブルが長引いておりまして、もう少々お待ちいただけないかと思っているのですよ」


 「トラブルですか?」


 「ええ、まあ、この地域ではよく起こることなのですが、今回は苦戦しているようで、お待たせして大変心苦しくはあるのですがもし宜しければ、こことは別の都にも行ってみたらいかがでしょう?」


 「もし、差し支えなければ、トラブルの内容を教えていただいてもよろしいでしょうか?差し出がましい事とは思いますが、もし手伝えることなら手伝いますよ?」


 「いえいえ、お客人にそのようなことをしていただくのは忍びないですからね。

 実はですね、食糧事情のあまりよくない【鉱国】と言えど全く食料を生産していない訳ではなくてですな【帝国】東部の『ガラー街』から【鉱国】に入ると、ある都なのですがその都を中心に食糧生産の街が、点在してるのです」


 「ちゃんと食料生産拠点があるなら、今回食料まで輸送する必要なかったんじゃ?」


 「単純に需要と供給のバランスをギリギリで保っている為、輸入に頼っている部分は有りますが、それ以上に輸送手段が足りていないのですよ。

 【運び屋】の【営業所】にも当然依頼を出しているのですがある程度の規模での輸送となると相応に人材難らしく、この度【帝国】でそう言った輸送を得意としている方が【運び屋】になるとのことで、ご協力を仰ぎたかったのですよ。

 ただ、【帝国】に所属する【兵士】の肩書きもあるとのことなので、あくまで輸入と言う形をとらせていただきましたが、

 流石に輸送隊だけ貸してくださいとは言えませんな」


 「じゃあ、最初から輸送を頼みたかったのなら、この都の周りを巡らせずにそっちに行くように言ってくれれば良かったのに」


 「その辺りは1点目として、輸入した食料品を捌く時間が必要だったことと、

 2点目として流石に国家間で決まった宝樹の件を任されている方にそこまでお願いするのは忍びなかったと言う具合です。

 ちなみに【帝国】から連れて来られた他のヒュムの【運び屋】はめいめいに依頼を受けて【鉱国】内を移動していますよ」


 「なるほど、今回トラブルが長引いて待機時間が長くなってるから失礼ついでに依頼しちゃえと言うわけですか」


 「お気を悪くされたら申し訳ないが、相応の規模の輸送になりますので報酬も相応にお支払いいたします」


 「ところで、列車が通っているようですけど、それで運べないのですか?」


 「あれはこの山の中限定のものですよ。外にレールをひいたところで魔物に破壊されるのが落ちです」


 これは、このまま輸送の依頼受けなきゃいけないパターンかねぇ?

 まあ、元々輸送隊だし、物運ぶのがいつの間にか専門だし、別に自分の事情で宝樹に会うのが遅くなるわけでもないし、引き受けちゃうか?


 「じゃあ、お引き受け・・・・・」


 バンッッッ

 と唐突に扉を乱暴に開けて入ってくるドワーフ

 ・・・・【兵舎】の受付にいた人か?


 「商業長!まずいことになったぞ、守備隊長がまた倒れた。交代要員含めて兵を率いるやつが、もういねぇ。このままだと第2隔壁を破られるのも時間の問題だぞ!」


 嗚呼、ピーンときたわ。こういうストーリーの進み方ね。


 「落ち着きなさい、まだ破られたわけではないのですから。一番早く戦線に復帰できる隊長はいつ復帰になりますか?」


 「明後日だ。このままだと確実にもたない。何がしか方法を考えねぇと」


 「ふむ・・・・」


 「ああ、聞きかじっただけだと指揮官が足りないようですが、100人程度率いれる位では用が足りないですかね?」


 「いや、十分だが・・・・背に腹は変えられぬか。

 大変申し訳ないのだが【特務上級士官】殿、

 力を貸していただきたい」


 「何なりと、言ってください」


 「ふむ、この都を中心とした地域は宝樹を囲むように存在するのだが、実は宝樹と街の間に住み着く魔物が居るのです。

 何度間引いてもいつの間にか姿を現すやつらなのですが、主に地下の石や金属を食べているのですよ」


 「え?それで宝樹は食べられたりしないんですか?」


 「宝樹のおかげでそう言った地下資源が豊富なのはその魔物達も理解しているようで、宝樹には手を出しませんが、こちらの街側には侵入を試みてくるので、隔壁と仕掛けで今まで撃退と間引きをしてきたのですが、とうとう仕掛けが効かない個体が現れて、苦戦を強いられていたのです」


 「なるほど、で、仕掛けが効かないとなると倒す算段は?」


 「もう一度仕掛けを起動できれば、大半を倒すことは可能です。後は残った個体は各個撃破するしかないでしょう。

 今回の苦戦の理由は残った個体がいることに気がつかずに撤収して第1隔壁を抜かれたのが原因ですからね

 ただし、仕掛けを使うには第1隔壁をもう一度取り返さねばなりません」


 「まあ、勝利条件が決まっているのなら。やるしかないでしょう。となるとスキルは指揮用にしてしまったほうが良さそうですね」


 「そうしていただけると助かります。【教会】でスキルを設定次第、現場に向かってください。道案内は付けますのでよろしくお願いします」


 「分かりました。お引き受けします。宝樹に会う為の事であれば摩擦を起こさない程度なら好きにしていいと言われてますから、今回はそちらからの依頼だし、問題ないですよね」


 「はい、どうかよろしくお願いします」


 とのことなので、足早に【教会】に赴き


<剽剣士><不動心>


<防衛域><軍術士><行軍>


 <古樹><統法>


 をセット

 装備も指揮用に軍狼の装備に替える。


 さてと、どんな相手か分からんが、やるだけやってみますかねぇ。

次回戦闘回に入る予定。

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