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10.【北砦】の日常のはじまり

 ■ 北砦 ■


砦と名はつくものの、かつては交易の中継地点であった


丘陵地帯【天大橋】より以北はさらに標高の高い山間国家と川沿いを進んだ先にある渓谷国家

そして【古都】を中心とする国家の緩衝地帯であったことから、交易の中継地点として築かれたものである

魔物(モンスター)が多く出没する地域の為 一定の防御能力を有している


今ではどの都市国家も統一され 争いは無いが 山間部 渓谷部からの物資輸送中継地点となっている


ここの物資を【古都】南方にある大河を使って輸送している


///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


 昨日は、ちょっと今までとは違った展開になったが、楽しかったな。


 ゲームを始めた当初こそ生まれて初めてのフルダイブ型VRに興奮したものの、結局はリアルの憂さ晴らしでしかなかった。


 コレまでより少しだけ新鮮な気持ちで、ゲームを起動する。


- 北砦 -


 あれだな【北砦】でログアウトするとちゃんとそこからスタートするんだな。


 今まで【古都】の【兵舎】でしかログアウトしたこと無かったけどさ。


 正常じゃないログアウトするとどうなるのかね?まあ、無理して試すことも無いか。


 昨日の今日で、若干興奮気味みたいだ。新しいことを試してみたくなってしまう。


 だが、それも良し!悪い気分じゃないし。失敗してもゲームなんだ人に迷惑さえかけなけりゃいいさ。


 早速中央棟受付に向かう、そして昨日会ったばかりの五厘刈りのおっさんに声をかける。


「おはようございます」


「おう、おはよう。昼だがな。まあニューターはよく寝るからその辺の時間感覚はちょっと違うんだったな」


「見ただけでニューターって分かるんですね。ところで兵長って呼べば良いんですかね?」


「いや、お前の登録情報にニューターって書いてあるだけだ。後、俺は兵長じゃない。役長とでも呼べ。この砦の後方支援全般をしてる。それで、任務受付ってことで良いか?」


「そうですね、お願いします。ここでの任務は初めてなんで内容も教えてもらえると助かります」


 期待に胸膨らむ今までとは違った時間の始まりだ!


「ああ、分かってる。基本的に受けられる任務は【巡回】【整備】【料理番】【訓練】【歩哨】だ」


「相変わらずですね。【古都】で受けられるものと代わり映えがしない」


「そりゃあ、戦争でもなきゃ、そうそう変わる物でもないだろう。ただ【巡回】はこの砦周辺を歩くことになるから魔物(モンスター)と戦うことになる、気をつけろよ。【歩哨】はあくまでも砦の中と砦に侵入する魔物(モンスター)がいないか警戒する任務だ。」


 ですよね~。いきなりクエストが変わる訳無いよな。あくまで【兵士】らしく通常業務をこなしますかね。【古都】から転勤になっただけのことだ。


 とは、言え魔物(モンスター)との戦闘は興奮した。自分は戦闘狂ではないけど、楽しみだ。昨日よりはうまくやれるだろうか。


「そういえば、昨日の戦闘で熱に浮かされたようになったんですけど、『士気』のせいだって」


「そうだな『士気』の高い状態で【訓練】通りに行動するには、ある程度慣れが必要になるな。<戦意>を取っておくといい、自分の『士気』に関わるスキルだ。すぐに慣れるだろう。

 スキルは、ただ取得しただけでは意味が無いからな【教会】で必ずセットするように」


「ここでも、それ言われるんですね。そう言えば、ここの砦って【教会】あるんですか?」


「大事なことだからな、どこに行っても言われるぞ。そして【教会】は南棟だ。【兵士】以外も利用するからな」


「それじゃあ、まず<戦意>取得します。」


 いつものリストの中から<戦意>の項目を選択する。


 アビリティは、

()()() 戦闘時「士気」を高揚する

()()() 戦闘時「士気」を下がりにくくする

()()() 戦闘時「士気」が下がっても状態異常にかかり難くする。


 どれも、いいじゃないの。


 ここは、()()()だな。本当は()()()で、慣れた方がいいんだろうが、下がりにくくするって事は、下げてくる相手がいるって事だ。そうじゃなければ、下がる状況に陥ることがあるとか。


 とにかく上げとけ!ウェーイ!みたいなパリピ気分ではないし。そんな年齢(とし)でもない。


 ここは、素直に受け入れやすい()()()取得。


「後は、任務ですね。【巡回】が良いんですけど、時間はどれくらいかかります?」


「出てくる魔物(モンスター)によるだろうが、大体2時間って所か【熟練兵】の連中はこの前の魔物(モンスター)との戦闘でよっぽど興奮したのか皆受けたがってるぞ」


 嗚呼、ゲーム内では何日かすでに経ってるのか。


「逆に、手が足りない任務ってありますかね?」


「ふん、そう言ってくれると助かるぜ。【整備】と【料理番】だな。【歩哨】は【重装兵】希望の連中が一定数いるから問題ない。」


「じゃあ、その二つにします。今日は3時間くらいの予定なんですけど。」


「じゃあ【整備】の方に回ってくれ、場所は西棟だ。コレまでと違うところは自分たちの装備だけじゃなく荷馬車の点検や、一時的に集積されてる物資の管理もしなくちゃならないところだ。<手入れ>と<言語>はセットして行くように、それ以外にも生産に関わるスキルがあればセットしていくと良い」


「了解!」いつもの敬礼をして、いつもの任務票を受け取り、


 まずは【教会】へ

 戦闘も無いだろうし適当に付け替えて


 西棟へ

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― 新着の感想 ―
[一言] チート物も好きだけど努力系や足掻く系も好きなので読み始めました。 各話の本編前に少しずつ解説を挟んでくれるお陰で簡単に読めるし設定の創り込みも凝っているので凄くのめり込めます。 ゲームも好き…
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