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令嬢 これ迄を振り返る

令嬢視点です。




 クロウがわたくしに用意してくれた部屋を出たのを見送ったわたしくは、自分の部屋をクルリと見渡し、少し嬉しくなったのです。

 両親が亡くなってから、レットフォード侯爵家の家にわたくしの部屋はなかったから。


 クロウは、この部屋はわたくしの好きにしていいと言ってくれました。

 早速わたくしは、買って貰った服をクローゼットに入れて、その他小物類もそれぞれ直しました。

 それにしても、クロウは本当に優しいですね、わたくしがクロウに買って頂いた事を申し訳なく思っているのを汲んで、出世払いと言ってくれました。

 わたくしが少しでも負い目にならない様に。

 こんなにわたくしの事を、気遣ってもらえる事が凄く嬉しかったのです。


 そしてわたくしは、部屋の窓を開けて通りを見ました。

 ちらほらと色んな種族が歩いています。

 人と獣人族がお喋りしながら、歩いているのがなんか嬉しい、こんな夢の様な国があるんだと。


 ダリア王国は、人が至上の種族とし、獣人など異種族は、差別されていたから、わたくしが王妃になったら、人種差別の無い国に少しでも近づけたかった、両親の夢だったから、もはや出来ないけれど。


 深呼吸をしてベットへと座り、改めて檻からここに来るまで事を思い返しました。


 最悪の卒業式、それは、今までの自分を否定され、要らない者と皆から切り捨てられたと実感しました。

 そして、誰もわたくしを見てはいなかった。

 そのあとは、もうわたくしは死ぬんだと諦めました。

 しかも、とても怖くて悲惨な死に方で。

 それでも、漸く父と母と同じ場所に行けるのだからと、もういいと思いました。

 わたくしは、たった一人で生きる事に疲れてしまっていたのでしょう。

 そして、乱暴に腕を捕まれ、檻の馬車に放り込まれ、気が付いた時には、森の中で。


  わたくしの諦めきった瞳には、景色ではなく森の木々の緑色しか眼に入ってなかった。

 ぼんやりと深い緑を見ていたらその中に、小さな眩しい程の青銀がポツと発現した、その光は小さいのに暖かく感じて、そしてなんて優しい光なのだろうと思ったら、それは段々と大きくなって眼の前に現れたのは、とても綺麗なエルフの青年。


 その綺麗なエルフの青年はクロウと名乗り、わたくしを助けようとしているのを見て、わたくしの為に、クロウにまで魔物の餌食になることはないと思い立ち去るように言ったのですが、クロウは申し訳なさそうな、ちょっといたずらっ子のような顔をして、檻の鍵を開けちゃいましたと言って扉を開けてしまっていた。


 その事にびっくりしていると、いつの間にかクロウが檻の中に入ってきて、わたくしの手を取り檻から連れ出してくれた。



 それからは森の中を、クロウと二人で歩いて、そして何日か野宿をすることになりました。

 わたくしには初めての経験ですが、何も考えられなかったわたくしは、言われるがまま過ごしていました。


 森の中を歩く最初の何日かは、何も考えられずただクロウに手を引かれ歩いているだけで、クロウが話し掛けてくれていたのだけど、頷くだけだったと思います。


 そして、初めての野宿で焚き火の側で寝ていると、夢の中で、わたくしは暗い真っ暗闇の中で、魔物に追いかけられていました、周りには誰も居ません、必死で走るわたくしに助けは無いと、自分で何とかしなければと思いながらも、心の中では誰かと助けを求めていたら、いつの間にか、わたくしの手を引く手が現れ、青銀の光がポツと走る先に現れて、そこに向かって引っ張ってくれてました。


 ただ引っ張ってくれる手は見えるのに、体や顔の部分は、闇に隠されて見えなかったのです。


 その日から何日か同じ夢を見て、いつもはもうちょっとで青銀の光の入り口の手前で目が覚めて、光の先には行けないのてますが、その日は光の中へと入れたのです、そしてそこでわたくしは目が覚めたのです。


 ゆっくりと目を開けると、目の前に綺麗なクロウの眠っている顔があり、そしてわたくしの手が握られていました。


 わたくしは、ビックリしてしまいましたが、夢の中でもクロウは、わたくしを助けてくれたのだと思い凄く嬉しかったのです。

 そして、まだ空は暗いのでもう少し眠ろうと、目を閉じると、もう暗闇で魔物に追い掛けられる事は無く、心地よく眠れました。


 そして明け方頃なのでしょう。

 クロウが少し動く気配を感じましたが、まだ微睡んでいるわたくしに、そっとクロウが起き上がり、わたくしの頭をそっと撫で囁きました。


「大丈夫だ、もう、怖いことは起きない」

 いつもと違う、クロウの言葉使いは力強くて、わたくしの心臓が、ドキンと脈打ちました。


 その日から少しずつ眼に写る色が増えて、木々の色、土の色、そして、自分を導いているように前を歩くクロウの青銀の髪、時々木々の間から青い空の色と、風景が見えて、森の中を移動してると認識して、そして自分がまだ生きている、自分の命を助けてくれようとしてくれる人がいる。

 わたくしの事を気にかけてくれる人がいると思い。

  わたくしは要らない人ではないんだと思いえました。


 そしてクロウに迷惑を掛けたくないと思い必死で歩るきました。


 そして着いた城で、自分に起こったことを淡々とクロウに話すことが出来たのです。


 わたくしの話を聞いてくれたクロウの雰囲気が、凄く冷たい目と気配で、わたくしに向けられた物ではないと、わかっていても怖くて体が震えてしまいましたが、わたくしが勇気を出してクロウに声を掛けたら、わたくしを見る目は優しくて穏やかな雰囲気に変わり、わたくしの為に怒ってくれていたのだとわかり、嬉しくて、そしてよく頑張りましたと、頭を撫でてくれました。


 わたくしの頑張りを、知ってくれてる人が一人でも居るんだと、なんだが報われた気がしました。


 両親が亡くなってから、そんな風にしてもらった事など無かったわたくしは、嬉しくてクロウの顔をじっと見詰めてしまい、改めてその綺麗な顔をまともに見てしまい、ドキドキと落ち着かなくなり、あわてて就寝の挨拶をしてベッドへと潜り込みました。

 その日は、もう魔物に追いかけらる夢も見なくなり、両親が亡くなってから初めて何も考えずにぐっすり眠ることが出来のです。


 翌朝からは、驚きの連続でした。


 まず、出発したのですが、何故かクロウは城の地下へと向かう階段に来たのです。


 不思議に思ったわたくしが訪ねると、ああっとクロウにとっては普通だった様で、謝った後に説明してくれました。

 凄く申し訳なかったです。


 その時のクロウの微笑みに、わたくしは心臓がこれ以上高鳴るのを止めるために、不自然に目をその階段に向けてしまいました。


 しかし、クロウはそんな失礼な事をしたわたくしに、手を差し出してエスコートしてくれたのです。


 今まで、そんな風にエスコートされた事が無くて、なんて優しい人なのだろうと、嬉しくてその手を取りました。


 そして、地下へと降り立ち普通の扉がそこに在りました。

 この扉は転移扉との事です、本当にその扉を開けるとクロウの国に行けるのか疑問でしたが、クロウが扉を開けると、そこには草原が広がっていました。


 先にわたくしが扉を通り抜けると、本当に草原でその先に壁で囲まれた町がありました。


 こんな魔道具なんて、ダリア王国では見たことも聞いた事もありません!


 その事に驚き、そして綺麗な風景に、気持ちのいい風を感じ思わず両手を広げ、はしゃいでしまいました。


 その事にクロウは、これからはもっと感じた事を、素直に表現していいとまで言ってくれました。


 そのままクロウに甘え、色々聞いてしまいました。

 クロウは、ひとつはひとつ丁寧にわたくしに教えてくれました。


 そして、関所では、クロウの冒険者ガードですぐに町に入る事が出来ました。


 わたくしは、きっとクロウは凄い冒険者なのだと思ったのですが、クロウは違うと言ってましたが、きっと謙遜なのでしょうが、少しわたくしは、残念に思いましたが、わたくしの中で、クロウは素晴らしい冒険者と知っていればそれで良いのです。


 そして、今もわたくしのやりたい仕事を考えてと頭を撫でてくれた。

 これまでクロウに頭を撫でられて、心が暖かくなりました。

 こんな暖かい気持ちは両親に撫でられて以来で、もう無いものと思ってました。

 クロウには色んな事を、わたくしに思い出させてくれます。

 これからは自分の為に、そして助けてくれたクロウの為にも、生きてみようと思えたのです。



リズさんの容姿あまり書いてないてないので、ここで自分の妄想発表します。

髪型は姫カットで黒髪ロング、猫目、身長150cmぐらい、とこんな感じに思ってます。


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