私!ヒロインだわ!
マリアンヌさん視点のお話です。
第2話
書いたはいいが、どこかでおかしな所が出そうで・・・ドキドキです。
それから私は、リズエリーテがイベントを起こさないから、私が自ら頑張るしかなかった。
他の攻略対象者の婚約者は、私が何もしなくても、嫌みを言ってきたり、わざと当たってきたりするから、シナリオ通りで、たまにシナリオと違う意地悪もあるけど、それは現実だから、ちょっとした齟齬があるのねっと思っただけだった。
実際にリズエリーテが全く意地悪してこないからね。
それでも、自ら頑張ったお掛けで、ラアド様はリズエリーテをどうにかしなければと思われているみたいなので、今はその時じゃないから、私が何もしないで下さいと、お願いし、聞こえるか聞こえないかの声で、「証拠を集めないと」と言っておいた。
そしたら、攻略対象者達が集まって、ごしょごしょと内緒話をしていた。
卒業式でリズエリーテに突き付ける証拠集めをしてくれるのだろう。
卒業式もあともう少し、攻略対象者達は私に夢中だ。
皆で仲良く居るが、私とベンチに座るのに、喧嘩しそうになるので、時間を決めて座ることにした。
その間他の攻略対象者達は、私たちを囲む様に芝生にすわっている。
イケメンに囲まれてまさに逆ハーレム!本当にこんな状態になるなんてね!
我ながらびっくりだけと。
だけと、本当にこんな状態で満足して、そして、自分の婚約者を蔑ろにするなんて、酷い人達と思うけど、そうさせたのは私だから複雑だ。
でも、こうしないと真エンドにいけないから、私の幸せの為には仕方ないの!っと言い聞かせている。ルンルン。
証拠集めも大変だった、証人もちょっと可哀想な事をしたけど、証人も立てれた。
それにしても、リズエリーテはラアド様に何も言いに来ないのね??まあ、私は行動がしやすいからいいけどね。
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そして待ちに待った卒業式の日、攻略対象者達が壇上に上がられて、卒業の挨拶をされて。
そしていよいよリズエリーテの断罪が始まる。
私も壇上に上がり、ラアド様に腰を抱かれて立っていた。
そしてラアド様が、リズエリーテに壇上に上がるように言った。
ラアド様がこれまでの、私が起こしたイベントをリズエリーテがしたとの事で話されている。
シナリオ通り、またリズエリーテだけがシナリオと違う態度だけど、ここまでしたらもう流れを変えることは出来ないだろう。
話を聞いたリズエリーテは、「身に覚えはありません」と言っていたが、びっくりしたのだろう、少し時間が経ってから言ったので、ラアド様から「直ぐに否定しないのがその証拠だ」と言われ、そしてそのまま婚約破棄の上追放となった。
やったわ!成功した!と私は心の中で喜んだ。
それから私はラアド様の王妃になるべく、お城に住まわされた。
それでも、他の攻略対象者達と、これまで同様に会っている。
まあ、この方達は魔王様に会うための鍵だったから、もうすぐお別れだけどね。
それから、リズエリーテが魔物に殺されたと騎士団が確認したとの事だった。
でも、私は知っている、リズエリーテは魔王様に連れて行かれたのよね。
確かこの一週間後に私は女神様より神託を受けるの、なんで真エンドやってないのに知ってるのかって?
それは、通常ルートでも、魔王様には会うのよ、でも、攻略対象者達とパーティーを組んで魔王様を倒しに行って、魔王様を倒すとエンディングを迎えるのよ。
真エンドは、リズエリーテを助けに行く事になり、魔王様と会話を出来る様になるの、だから、所々通常ルートと同じなのよ。
ふふ漸く魔王クロウ様と話せるのね、その時は本当のぶっつけ本番だから、注意しないと、ここが私のこれまでの培ったゲームの知識を総動員してフラグを立てるのよ!
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何故か私は神託を受けなかった。
なんで?私は仕方なく一週間たったから、ラアド様に神託を受けたとの事で話す事にした。
今、ラアド様の執務室を伺っている。
「ラアド様、聞いて頂きたい事がごさいます」
ラアド様は、王子様スマイルで私に話す。
「どうしたんだい、マリアンヌ、僕はいつでも君の話なら聞くよ、言ってごらん」
私はではと一礼して、厳かに話す。
「実は女神様より神託を受けました」
ラアド様は、びっくりした表情で目を見開いて話す。
「マリアンヌは、聖女だったのか?」
「聖女かはわかりませんが、神託を受けたのは本当です」
「ああ、君の言うことは全て信じるよ、神託を教えてくれる?」
私は頷いて、悲しそうにして話す。
「はい、リズエリーテ様が、魔王に連れていかれ拷問を受けてらしゃいます、私は助けたいです」
ラアド様は、私に優しい眼を向けられて言った。
「マリアンヌ、なんて優しいんだ君は、うん、わかったよ、どうするか検討しよう、暫く時間をくれるかい、でもおかしいな騎士団が死亡確認したのだか」
言われた私は、あれって思った。
ゲームでは、直ぐに他の攻略対象者達を集めて出発するのに?まあ、取り敢えず様子を看ようと私は頷いて了承した。
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数日たった時に、ラアド様が私に衝撃的な話をされた。
「マリアンヌ、リズエリーテを助けに行くにあたり、異世界から勇者を召喚しようと思う」
聞いた私は、はっ?と呆けた表情になったであろう。
なになに?!そんなのシナリオに無いよ!!
ダメダメ!絶対ダメ!止めないと。
「ラアド様、異世界から勇者を召喚するのは止めて下さい!リズエリーテ様は我が国の国民です!ですから、私達が助けに行かないと」
「マリアンヌは優しいな、君がそう言うのであれば、再度検討しよう」
そう言われて、ラアド様は私の部屋から出て行かれた。
大丈夫かな、大分強い口調で言ったから止めてくれると思うけど。
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翌日、私は異世界からの勇者を紹介された。
なんで?!いつの間に!?私が困惑していると、その勇者がにこやかに私に言った。
「僕に任せて下さい!絶対魔王を倒して見せます!」
違うから!!倒しちゃダメだから!シナリオとかけ離れていく!?でも、ラアド様はこの勇者に闇の森に向かわせる気だ!うう~ならせめて私が同行するようにしないと、魔王様に会えない!!
「ラアド様、では、私も勇者様と同行致します」
そう言った私にラアド様は、少し困った表情をされたが、手を顎に置いて少し考えられる仕草をして言った。
「考えておくよ、じゃ、勇者ハヤト君、行こうか」
そして、勇者ハヤトを連れて私の部屋から出て行かれた。
私は暫し呆然として、ヨロヨロとソファーに近より座った。
そして両手で頭を抱えて、混乱した状況整理をした。
まずは、卒業式までは、多少イレギュラーが有ったけど、ほぼシナリオ通りに進んだ。
でも、その後がおかしな方向に行ってる。
私が知らないだけで、これが真エンドへのシナリオなの?と思いそうになったが、絶対違う!勇者召喚なんて乙女ゲームに必要無いでしょ!だってヒロインがある意味勇者なんだから!
ああでも、ラアド様は注意しないと、私が知らない間にあの勇者君を闇の森に派遣してしまう気がする。
かといって、勇者君に張り付くと攻略対象者達がおかしな方向に、勘違いして状況が変わるのも困る。
どうする事も出来ずに三ヶ月たった。
この間は、ラアド様と一緒に居る時間が多かったので油断してしまった。
ある日勇者君達は出発したとの事で、ラアド様から私は言われた。
ラアド様は、私の手を握り悲しそうな表情で、謝られて危険な所に私を行かせたくなかったと言われた。
私は余りのショックに、呆然ととしたまま、へたりと床に座り込んでしまった。
慌てたラアド様が私をソファーに抱き上げて連れて行かれたけど、私は余りのショックに泣きそうになった。
なんで!?私は魔王様に会うために頑張ったのに!!後少しだったのに!何を間違えたの!?
それから私は暫く部屋に引きこもった。
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引き籠ってから二週間位はたったのかしら、私はこのままではいけないと思い、王宮の書庫で魔王様について調べる事にした。
もしかしたら、攻略対象者達だけがそっくりそのままだったたけで、魔王様は私が思ってる方で無いのかも知れないと思ったからだ。
違ってたら流石の私も諦めがつくし、でも、そうなると、ラアド様達の事はどうすればいいのかしら?っと思ったが、一つ一つ片付ける事にした。
そして、私は書庫へと向かった。
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私は書庫の扉を開けた。
そしたら、私が会いたかった魔王クロウ様が居た!!
私は目を見開きじっと見詰める。
魔王クロウ様はちらりと私を見ただけで、何処かへ移動するのを逃せないと、私は思わず魔王クロウ様の腕にしがみついたら、クロウ様が「見えてるのか?」と仰った。
私はクロウ様の声を聞いて、泣きそうになるのを堪えながら言った。
「はい、やっとやっと会えました、クロウ様、お逢いしたかったです」
クロウ様は、何故かぎょと驚いていたけど、直ぐに平常心を取り戻された様に私に話しかけてくれた。
「取り合えず、腕を離してくれないか、で、何故俺を知っている?」
ああなんていい声なのだろう、それに、やはりこのゲームの中でクロウ様が一番大人でかっこいい!!
私はぼーと見とれてしまいそうになりながらも、クロウ様にお願いするように話した。
「えっ、それは私が聖女で、夢のお告げて、クロウ様が、リズさんに酷い事をしていると聞いて、その理由も私知ってます。
元はと言えば、リズさんが、魔族の獣人をいたぶって殺してしまった事でしょう、獣人も生きてるのに酷い人てす。
ですが同じ事をしては、クロウ様も同じになってしまいます、私の為にもう、リズさんに拷問するのは止めて下さい、私があなたの心を癒しますから」
クロウ様に会った時の為に考えに考えたセリフ、完璧だと思う。
後はクロウ様の態度で、それに相応しく対応しないと。
ここが大事な所と私は気合いを入れた。