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5。しょくりょう、が、そこつきました。

今回は忙しいこともあり短いです。本当に短いです。


代わりと言ってはなんですが、活動報告にルナカルス(主人公)の落書きをあげておきました。めちゃクオリティー、画力が低いです。イメ-ジが壊れるかもしれませんがそれでもよろしければぜひ見てください。

 目が覚めると、そこは見知らぬ天井だった。


 と、言いたいが我輩が目覚め、上を向いてもよーく見知っている天井があった。というか正確に言えば、空なのだから天井ですらない。


 うーん絶好の昼寝日和ですな。そう、つまり今の天気は雨。


 偶然だが我輩は木の下にいるから濡れてはいない。


 そういえば、まだ「ニシジン織」を着たままだと思いだし慌てて脱ぐ。折角のドレスが汚れたらもったいないと思ったが、少し皺がよっただけでまだあまり価値は下がっていないと思う。

 

 見渡す限り一面木、空間、木、木。雨の降る、しとしとという音のほかには何も聞こえない、ある意味静かで不気味な場所だった。


 

 きっと、移転してここに来たのだろうとは思う。移転が成功したという点においてはよいが、悪い点もあるから失敗ともいえる。


 悪い点の一つ目、目が覚めたということは先ほどまで気絶していた。

 二つ目、気絶した原因としては魔力の枯渇が考えられる。っていうかきっとそう。

 三つ目、ここがどこかわからない。だが、流石エルフのハーフということもあり、森ならまだ少しの適性があるだろうから、スラム街などよりはましだ。

 四つ目、……ぎゅるるるるるぅ……

 

 特に三つ目、四つ目は命取りになるかもしれない。地面を見ると赤土だし見るからに栄養がなさそうで植物の実にはあまり期待できないことが分かった。そう思ってよく見ると確かに木々も城の聖林と違い、ひょろっとしているうえ、葉の色が深緑色ではなく薄い黄緑だった。


 まあ、非常食がある分ましだが……なかったらと思うとぞっとする。



 不幸中の幸いというか、雨が降っているおかげでのどの渇きは癒せるだろう。我輩は口を大きく開けて水を受けとめようとした。が、


「全く入らぁねぇ!話が違うじゃねーか!」


 ということに気が付いた。仕方ないと思い鞄からボールを出そうと1メートル先に転がっていた鞄に手を伸ばしたが、



「ん?……まさか。」


 んん?もしかして、と思い顔が青ざめた。いくら探しても、そう。


「ボールがないぃいいい!!」



 そういえば荷造りの時、かさばるからと言って持ってこなかったんだっけ?


 仕方ないか。だが、だがもしかして、葉っぱをボール状にしておいとけば雨が自動で入ってくるのではないのか?我輩、天才なのかも。


 葉っぱをボール状にして置き、ついでに赤土の上に寝っ転がって滴を口に受け止める。


 いつも10秒で終わるこの行為が、10分もかかるとはどういうことだよ?60倍じゃないか。よくよく考えなくても9分50秒無駄になっているじゃないか。


 水分補給したが動きたくないので、しばらくそのまま寝っ転がっていた。……この土、栄養はないが寝心地はいいな。これがかの偉人が言っていた『短所がないものはいないのと同じように、長所がないものも存在しない』なのか。


 非常にいい言葉だ。我輩にも長所があることを暗示しているのだからな!





 突然、空を切るような音がして意識が覚醒する。そしてそれが魔物か獣だと気づき一気に青ざめる。……思えば今日青ざめすぎではないのだろうか?


 だってさっき叫びまくったじゃん!そりゃ獣だって来るよ!自分より弱そうな獲物が自分から『私はここにいまぁす』と言っているのだもん!来ないわけがない!


 

 Q先ほどなぜに気付かなかったのか?

 A………。



 先ほどからずいぶんな間ゴロゴロしていたようで、もうあたりは暗い。獣は夜行性が多いからね、今鳴いたのも分かる。……授業でやったじゃないか。なんで忘れたんだ。


 我輩は目を凝らしてあたりを見渡した。


「なんだぁ。なにもいないjy…!!っひぃい」


 何もいないと思った瞬間に青い目玉が二つぎょっろっとこちら側を睨んでいるのが見えた。薄暗い中から急に二つの目玉が飛び出るのを想像せよ。めっちゃ怖いよな?


 ……安心した次の瞬間だからか、随分と情けない悲鳴が出てしまった。




 目を凝らしてじぃと見ると段々目が慣れて来たようで灰色い毛並みをした猫だと分かった。


 とても愛らしく、危害を加えるような存在には見えない。


「みゃあ」


 おおぉ?もしかしなくても猫が話しかけてきてくれた?!(※威嚇です)話しかけてくれたはいいが、なんと話しかけられたかわからない上に、わかっても猫語がしゃべれないので返事ができない。


 うーん仕方あるまい。推測で返事しようか。


「そっかそっか、おなかがすいたのか」


「みゃあ」


 お、図星みたいだ。『動物と話せる少女、ルナカルス!』響きいいな。


「そうかそうか、あ、非常食分けてあげようか?」


 自分の食べ物さえ足りていないことは都合よく忘れ、そう言うと猫は度胆を抜かれたような顔つき(推測)になった。


 ……もしかして、我輩を食べるつもりだった?


 そんなバカなことないよね?億が一、そうでも我輩が食べられないように餌付けしなきゃね?



「ほらぁ、おいで?いいものあげるよ」


 誘拐犯のようなことを猫なで声でいうと、我輩は餌付けを開始した。









 三日後。


 ………。しょくりょう、が、そこ、を、つきた。

「このまま死んで、ミイラになって、1928年後に参古学者に発掘されて、博物館に展示されるのはいやだぁ、ううっ」

「みゃあ(具体的だな、おい)」

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