1。授業中、白昼夢で人生ふりかえってました
帝国の姫。
それが我輩に与えられた生まれながらの地位だった。姫というのは高い教養が必要というのは当時の考え方で、(まあたぶんいつの時代もそうだけど)それ故に私にも一流の教師がつけられていた。ダンス、マナーなどのお嬢様系のお稽古事からはじまり、魔法、武術、国語、算数、生物と一般の子供が習うもの、歴史、地理、政治、時事などの王族としての授業。
けして、庶民が考えてるほど「うふふ」「おほほほ」な生活じゃなかった。(我ながらそれはどんな生活だ)これらは物心のついた2歳から始まり現在、7歳に至る。
「初代帝王は高い知識とすg・・・」
大変だと自分ながら思ったが、これらの知識は日常的に役立つ。予想外に。
父上が最近かえってこないなぁと思えば戦争だったりと時事でわかる。
買い物でお金をケチられそうになっても算数で指摘できるし(なぜか指摘された側は真っ青になっていたが。)
侯爵家のうざいお嬢が来たときに動作の優雅さの違いを分からせてやったり。(ざまあみやがれ。)
それから腹違いの姉と城内おにごっこをして間違えて花瓶を割った時に魔法で修理したり。
日常生活で大変役立たせてもらった。
先生の声がよみがえる
「次代の時も一度戦があったが、これ・・・」
そう言えばだが、今は戦争中である、父上対民の。民に反乱されるって父上悪い王だったの?って思ったがそうでもないらしい。
反乱しているのは一部の貴族。デュセンタ公爵、通称デュンを中心とした一部の貴族である。デュンと呼んでいるのは我輩一人なのだが、常に呼んでいるから通称で間違えない。
まあ、公爵家となると王家と同じぐらいの権力を持っているからね。王家でも安易に処刑できないうえに無理にに処刑してデュンサイドの貴族の反感を招く必要がない。
現状といえば父上が押している、だがいつ裏切り、暗殺、襲われるかわからない。戦に敗けた側の扱いはひどいと詰まらん授業で分かっていたから常に心の準備をしている。殺されるか奴隷に落とされるかね。その二つなら奴隷がいいかな。死んだら終わりだもん、終わりはやだもんね。
奴隷がいいとは言え奴隷がいいな(はーとと気軽にいえるものじゃないことは承知している。奴隷になったとしてもよくて戦闘奴隷悪くて使い捨ての盾、ハーフという世にも珍しい物体を使って人体実験かもしれないが。
すでに何かが起こることを察した一部の貴族が避難を開始している…後、王族も。そう、それらの貴族が避難しているということは裏ですでに何かが起きているということだ。母上に疎まれている我輩を置いて、母上がこっそり抜け出す準備をしているのを知っている。泣きたい……。
悲しいかって?なぜそんなこと聞いてるのか?そんなわけがないじゃないか。どうせ生活に困ったら弟も売られるんだから(ざまあ)、我輩は運がいい。困まって売られるなら最初から自立する。
母上はそういう人だからな!
「その戦で有名になった三世ですが愛妻家としても知られていました。彼g・・・」
ちなみに我輩の母上だが正妃である。父上の12人中の正妃だから我輩も運がいい。側妃の子供はそこらの子供よりも生活が質素なときがある。そこらというのは裕福な貴族程度?隠し子っていうの?それに加え双子の弟が王になるにしても国2番目の権力がもらえるのだから将来は保証されている。……されていた。……弟に子どもができない限りはね。
――だがその地位も戦争のために奪われかねないのだからもう、戦争ったらもぉ、やめてよぉ
そしてちなみにだが母上と父上は恋愛結婚ではない。あたりまえだがな、王家で恋愛結婚をしているのは一握りだし。いや一握りもいないかもしれない。料理でいうひとつまみかな。母上がエルフ族の姫だったから政略結婚したらしい。当時あまり仲は良くなかったと聞くので人質ですね、わかります
だから我輩はエルフと人間のハーフということになるらしい。エルフはもともと森にすんでいたこともあり少量だが森、つまり自然への適性があるらしい。だから森に逃げることにした。あれ言わなかったけ?我輩も有事の際は国外に逃げることにした。逃げないとやばいときだけだよ?我輩も好き好んでこの生活を手放すほどマゾじゃない。敵も姫様が森に逃げるなんて思わないよね?一石二鳥で都合がいい。
もう一つ理由があるのだが戦時中に逃げた王族は反逆者とみなされ追放になる。逃げて、戦争が収まり戻ったときには追放でしたなんて冗談じゃないから慎重に皆行動している。
先生の声で意識が覚醒する。
「ルナカルス様!聞いておりましたか?」
聞いてるわけねーだろばばあ
「罰則にご本の9から23ページ写してきなさいな」
「」