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神様、久しぶり。

シェリーの気絶後の夢の中です。

え?気絶と睡眠は違うって?気にするな……、気にしないで下さいお願いします。


「目……ます……じゃ」


何処からか老人の声が聞こえる。

久しぶりに聞くその声は懐かしくは思うものの、あまり良い思い出の無い人物のものだ。


「目を覚ますんじゃ!」


「おうふ!!」


ゴンという鈍い音と共に来た痛みに更式は頭をおさえた。


「やっと目を覚ましたかの?」


声の主は暇つぶ(しん)(勝手に命名)のものである。


そして神様は殴られた更式からぶつぶつと暴言がとんでいるのだが、全く気にしていない様子でしゃべり始めた。


「久しぶりじゃのう更式。

およそ十二年ぶりかの?」


「ああ、そうなるかな?」


「大変そうじゃのう。人の前で言葉を変えなきゃいかんというのは」


「もう馴れたしそうでもねえよ。最初は人格はともかく精神の方が身体に引っ張られてたから自然な反応が出来て助かったからな」


「ほう、助かってるにしては最近気付かれないようにゆっくり言葉使いを中性的なものに変えていっとるの?」


「そんな微妙なとこに気付いてたのか、他の奴からしたらまだほとんど変わってないはずだぞ」


「おぬしに違和感があったからの。

……まだ性別については不満があるのかの?」


「いや、もうさすがに諦めたし不満はねえよ……。只な……」


「只……なんじゃ?」


「いや、只、何も考えずに過ごしてるとな精神だけじゃなく人格も俺じゃ無くなりそうなきがしてな……」


実際、今まで平気だった事がシェリーの部分で許せなくなっていってる所が最近増えてきた。

たとえば髪や肌などの美容に関する所が更式だった時よりも細かくなってきた。

だが、これはもう12歳のシェリーの思春期が始まったので、精神が女らしい方向に引っ張られる強さが強まったと考えられる。


「なる程な、わしには到底理解できそうにないわい」


「神は全知全能じゃないのか?」


「本当に全知全能ならおぬしに質問なぞせんわい」


「まあ、そうだろうな本当に全知全能なら俺が。いや、この場合は私が、か。

私が5歳の時に村の鍛冶屋に潜り込んで、いつの間にか弟子になる様に行動した本当の理由を知ってる筈だしな」


そう、シェリーは5歳の時ぐらいから鍛冶仕事を見ながら鍛冶士のおじさんとコミュニケーションをとり6歳の時にはいつの間にか弟子の位置に付いていた。


「能力を生かす為じゃなかったのかの?」


「それもあるが。

ほら、鍛冶屋っていかにも男の仕事って感じがするだろう?」


2人の間に沈黙がながれる。

そして、ブッとゆう声と共に神様が吹き出した。その後しばらく2人の笑い声や話し声はおさまらなかった。













「さて」


更式が膝を叩いてたちあがった。


「なんじゃ?」


「神様が久しぶりに来たとゆうことは“あれ”が出来たんだろ?」


「ああ、前回両者の認識の違いで出来た問題は解決済みじゃ」


「予想より長かったが大丈夫だったか?」


「ふん、おぬしが勝手に付けた予想より長かったからといって心配される筋合いはないわい」


更式は、それもそうかと頷いた。


「だが、おぬしも馬鹿じゃのうインターネットが欲しいならわざわざ“元の世界の情報を検索したい”とは言わず。一言、インターネットがしたいと言えば良かったのにのう」


「ああ、あん時神様が“言わば脳内インターネットじゃな”って言ったから伝わったもんだと思ったんだよ」


「そんなこと言ったかの?」


「言ったよ!」


突然、更式の視界がぼやけ始めた。


「ふむ、もう時間じゃな」


「そうみたいだな」


「脳内インターネットはもう使える様になっとるからな」


更式の視界はぼやけながら白に染まっていった。










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