↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

ある投資家の宗教遍歴

作者: shigy
掲載日:2026/09/14

あなたもNISAで積み立て投資!

きっかけは、メディアの煽り。

「みんなやってるらしい」

というだけの理由で、旧NISA教の門を叩いた。

いわばファッション入信だった。


ところが、すぐに相場は伸びた。


みるみる膨らむ含み益。


「NISAすげえ!」

「NISA神!!」


こうして私は、いつしかNISA教の敬虔な信徒となった。


そして始まるNISA新教。


「投資は種銭!」

「枠は埋めてこそ!」


成長枠へ、どんと入金。


この頃にはすでに、穏健な信徒ではなかった。

私はNISA新教原理主義・ターネセン派へと進んでいた。


やがてトランプ関税で相場が崩れ、含み益が吹き飛ばされる。


しかし私は動じなかった。


「ここは買いだ!!」


信仰心を証明するかのように買い増しを敢行。

NISA新教過激派組織・ナンピン派への鞍替えである。


そして相場が反発する。


爆益。


「NISA神は素晴らしい」

「NISA神にすべてを委ねよ」


私は確信した。


儲かるは信者と書く。

信じる者が儲かるのだ。


――しかし、試練は突然訪れる。


利上げ。

円高。

続落する含み益。


「……あれっ?」


ここにきて初めて、私は自らの信仰を疑い始めた。


答えを求め、私はNISA教よりさらに古い、ほぼ失われた教義――NISAの源流をたどる。


投信教。


歴史の影に埋もれた、古い宗教である。

そこで私は、これまで知らなかった、忘れ去られた数々の苦難の歴史を知ることになる。


黒き月曜。

崩壊・失われた30部族。

出ドットコム記。

リーマン捕囚。


先人たちは幾度となく市場に打ちのめされ、それでも市場から離れなかった。


私はそこで、ようやく理解した。ひとつの真理にたどり着いた。


相場を読もうとすること。

底を当てようとすること。

上がったら喜び、下がったら神の御心を疑うこと。


それこそが、迷いだったのだ。


毎月、決まった日に。

決まった額を。

淡々と積む。


功徳を「積む」。


私はナンピン派に少し距離を置き、

現在は投信教穏健派の流れを汲む、ドルコス師の教えを受けながら、

NISA教徒として月に一度、静かに功徳を積んでいる。


相場が上がっても騒がず。

下がっても騒がない。


ただ積んでいく。


かつての私は、NISA神の奇跡を求めていた。


今はもう、奇跡を求めない。


積立こそ功徳。

継続こそ信仰。


そう信じている。

どうか出口で暴落は勘弁して下さい。

なんなら早めに1・2回暴落来て下さい。



と祈りを捧げています。合掌。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。