1話
誤字脱字があると思いますが温かい目で見てくださると嬉しいです。
基本的に1日1話を夕方ごろに投稿。休日などは3話程投稿できればなと思っています。
文字数は1000から2000字ほどを目安にしています。
「アルト!私と付き合いなさい!」
エストレーナ公爵家では日常となりつつある光景にメイドや執事、公爵家の人間でさえも微笑ましいものを見るように笑みを浮かべる。
「エリス様。何度も申し上げていますが、お付き合い出来ませんよ。」
このような会話を7年という長い歳月も続けている。
「そろそろOKの返事してよ!」
エリス様が付き合いを申し込んでいる理由は7年前に遡る。
エリス様は公爵令嬢というとこもあり、莫大な身代金を要求するために誘拐を企むものが少なからずいる。
ある日、エリス様がお忍びで街へ出かけることがあった。その時に誘拐をされてしまった。
エリス様が誘拐されたという知らせが公爵家に知れ渡った時、真っ先に屋敷を出てエリス様を探し出したのはアルトだった。
公爵令嬢を攫うくらいなので誘拐犯の実力は冒険者ランクで言うとBランクの実力があったのだが、それをアルトは目にも止まらぬ速さで倒してエリス様のことを救出したのでエリス様はその姿に惚れてしまったのだ。
そんなことがあり、エリス様は7年間も付き合いを申し込んでいる。
公爵家の人間が笑みを浮かべているのもアルトがエリス様に危害が加えられる前に助け出したからだった。公爵家の人間は皆、エリス様を愛していらっしゃるのだがその中でも現当主のグリス様が1番愛していらっしゃる。
「アルト。娘の気持ちは本物だ。そろそろ考えてやってくれんか?」
グリス様は娘に甘いから娘の考えに賛同する。
「グリス様。私は平民出身です。エリス様は公爵家の令嬢で私とは身分が違いすぎます。」
私は平民出身で冒険者として活動していた。
そこでグリス様に腕を買われてこの屋敷で働くようになった。
「まぁそうなんだが…アルトなら許そうではないか。」
「グリス様何をおっしゃるんですか。そんなことしたら私だけでなく、公爵家も批判されてしまいます。」
貴族と平民が付き合うこと自体があり得ないことだ。平民側が大きな功績を残して貴族の爵位を貰えば付き合い、結婚ということもあり得る。
「ならアルトが貴族の爵位を貰えばいいじゃない!」
「エリス様。そう言われましてもそう簡単に爵位はもらえませんよ」
そう告げると、エリス様は口を膨らませてムーっておった表情を見せる。
「はっはっは。確かにそうだな。さて、今日は夜も遅いからお開きとしようか。」
とグリス様が告げると、各々部屋へと戻って行った。
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