表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正解は君のために  作者: 風太生
35/103

運命 1

 運命の”運“という漢字の意味は『運ぶ』ではない。

 『巡り合わせ』という意味らしい。

 どこかで誰かが言っていた。

 つまり、命の巡り合わせだ。

 この”命の巡り合わせ“という言葉の響きは実にロマンチックだと僕は思う。

 君と僕は命の巡り合わせで出会ったんだ。

 そう口に出して言ってみたかった。

 だがもちろんこんな気障な事、声に出して言う勇気はない。

 それに、何が僕たちの運命かなんてお互いに知る由もない。

 でも、そう信じていたかったんだ。

 せめてそれくらいの気休めは許してほしい。

 だが、巡り合わせという言葉にはこのような意味合いが含まれていることを忘れてはならない。

 それは、人の意思に関係なく訪れるということ。

 たとえそれが不幸であっても。

 そう、僕たちは運命を選べない。

 受け入れるしかない。

 思えば君はずっと葛藤していた。

 あの頃の僕は、その葛藤について少しでも理解できるのではないかと浅はかな考えを抱き、陳腐な言葉を君に投げかけていた。

 あるいは君がそれについて語ることはないのだろうと分かっていながら、ただ何かを隠していることには気づいているんだぞ、とたったそれだけのことをアピールするためだけに、相談ならいつでも乗るからという姿勢だけを君に見せつけていたのかもしれない。

 どちらにせよ、それで満足していた。

 彼氏面をしていた。

 きっとそれで自分のことを可愛がっていたのだろう。

 今思えばとても愚かだ。

 だが、そう思うと同時に、こうも思う。

 何回やり直せたとしても、君の隠し事について本当に知りたいんだ、と思っていたとしても真実にはたどり着けないだろう、と。

 そもそも、あんな非科学的な事を予想できる方がおかしい。

 運命とは、あまりに現実離れしていて、それでいて残酷で、けれども愛おしい。

 そんな自然を超越した、ある意味奇跡のような出来事にこれから僕は巻き込まれる。

 いや、予想もできないくらい前から僕は既に巻き込まれていた、という方がいいかもしれない。

 とにかく、僕がそんな彼女の、未羅の秘密を知るのはもう少し後の話だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ