新スキル
WJOにおけるスキルの区分は基本的に、1次スキル、2次スキル……といった具合に、階層分けされている。この階層が上がるほど、スキル効果は強力なものになっていくが、反面レベル上げが困難になる。
私が現在所持しているスキルの階層は、一つを除いて、1次。
その例外は『識別』。このスキルは進化など無い。
兎も角、スキルの進化とは、要はスキルの階層を一つ上げることである。
進化後のスキルは、進化前のスキルの完全上位互換にあたる。
例え元のスキルのスキルレベルが20であろうと、30であろうと、進化後のスキル(Lv.1)には効果的に負けている。
まあ、色々言ったけど、スキルの進化は出来るなら、した方が良い、ってことで。
「『敏捷強化』の進化後は『敏捷大強化』? そのまま過ぎない?」
「お姉、ゲームのスキルって大抵そんなもんだから」
確かに、アンバーの言う通り、スキル名は効果そのままなことって多々あるし、下手に分かりにくい名前よりは全然良いんだけどさ、もうちょっとなんか欲しかった。
『スキル進化まで早いな。βじゃ最速でももう数日掛かってた』
『最初がステ強化系かよ』
『↑珍しいの?』
『普通、武器系や魔法系が最初にスキルレベルを上げきる(単純な使用による経験値の問題)んだが、おそらく戦闘中の動きが多いことと、刀と格闘の二つに分散しているから、そうはならなかったんじゃないかな?』
『めちゃ詳しくて草』
「情報と分析ありがとう。多分そんな感じだと思うよ」
いいながら、『敏捷大強化』の効果の確認をする。
――――――
『敏捷大強化』 種別:パッシブ
AGIをスキルレベルに応じて、増加させる。
あらゆる動作の速度にボーナスを加える。効果量はスキルレベル依存。
――――――
ステータスを確認してみた感じ、AGI増加効果は『敏捷強化』で増えていた30から更に1増えた31。多分、進化元のスキルのレベルも計上されているんだと思う。
あと、『敏捷強化』では、歩行・走行速度にボーナスだったのが、あらゆる動作になってる。地味だけど、嬉しい変化だね。
進化に必要だったスキルポイントは、6。まあ、余ってるし、問題ない。
『特定の条件を満たしたため、スキル『電光石火』の取得が可能になりました』
……ん?
『敏捷大強化』に進化したら、なんか新しいスキルを取得出来るようになった。
早速、効果の確認をしよう。
――――――
『電光石火』 種別:パッシブ
走行時、短時間で加速できるようになる。
短縮効果はスキルレベル依存。
ただし、最高速度は変わらない。
――――――
うん、これ良いね。
迅雷とかがより使いやすくなりそう。嚆矢とかは本当におぞましい加速をみせそうだね。ちょっと怖いけど、試してみたさはある。
『出たオマケスキル』
『特定のスキルを取得することで、取得条件を満たすスキルたちの代名詞だね』
『βでも、持ってる奴いたな』
『PVPでめっちゃ有利』
「βの人にもいたんだ。……いや、そりゃそうか」
「お姉には合ってると思うよ。ただし、走る時だけ」
十分だよ。それでも、かなりのものでしょう。
取得しよう。
「――あっ」
「どしたの?」
「スキル枠が足らない……」
どれか抜かなきゃだね。
一番いらないのは、一番最近取った『隠蔽』だね。出番ないまま終わった、だと……?
「お姉、割とスキル選び雑なんだもん。そりゃあ、そうなるよ」
「そうだね。今度から、もうちょっと考えるか…………」
まあ、兎も角、スキルも新しくなったところで、狩りの続きと行こうか。
ラピス Lv.32
HP:1760
MP:384
STR:49
VIT:32
AGI:150(97)
DEX:52(48)
INT:32
MND:32
スキルポイント:48
『刀』Lv.26
『敏捷大強化』Lv.1
『識別』Lv.18
『格闘』Lv.20
『雷魔法』Lv.12
『走破』Lv.15
『電光石火』Lv.1
ジョブ:《侍》熟練度:22
『称号』:『戦陣を切る者』
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いつ見ても偏りェ……となりますね。
お読み頂きありがとうございます。
今後も読んでくださると幸いです。




