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エデンの園と白い林檎
一行が雲を突き抜けた先には、宙に浮かぶ巨大な島があった。玉ねぎのような形状をしており、島中央に高くそびえ立つ霊峰から、巨大な滝が流れている。滝は四方から流れており、そこから広大な川となって島全体を潤していた。
「ここが、我ら天使が住まう園です。名は、エデンと申しますわ。」とミーシャが言った。
(アダムとイブの話は、ここにはあるのかしら。)
一行は、島にある川の麓にふわりと着地した。辺り一面、草原が広がっていた。そこには、水仙等の綺麗な花が咲き乱れていた。川の麓に、白い林檎をたわわに実らせた木が生い茂っている。全体的に、非常に美しい場所であった。アルテミスが尋ねた。
「ここが、皆さんの住む天界ですね?」
「そうよ、とても美しいでしょう?」とミーシャが微笑んだ。
川岸には、天使たちが水を掛け合って遊んでいた。そして、お腹が空くと川岸に生える林檎に手を伸ばして食べるのであった。まさに、楽園のような場所であった。