47 防衛都市へ行こう
11月中に更新再開するために、終わりの部分を書き換えました。
私が目を覚ました翌日。
今日出発してもよかったけれど、私はセチアに「念のため1日安静にしていてください」と言われ、大人しく過ごすことにした。
ちなみに断ることはできなかった。大丈夫だからって反論していたら、だんだん表情が変わっていき、最後には泣きそうな顔で言われてしまった。
クリスとココは使ってしまった薬を作るための素材採取へ出掛けて不在、セチアは私の側で看病してくれている。
「のぞみ樣、ご飯食べられますか?」
「いや、普通に食べられる……」
セチアがしゅんとしてしまった。
そんな顔をされては、私も動揺してしまう。
「……あー……難しいかな……?」
そう言うなり、表情がばあっと明るくなる。
セチアはそうしている方が可愛いと思うの。口には出さないけれど。
「それではわたしが食べさせあげますね。はい、あーん」
なんか凄く恥ずかしいけれど、我慢して食べる。
私が飲み込むのを見てから、次を差し出す。それは食事が終わるまで続いた。
「ありがとうね」
「いえいえ、やりたくてやっていますから。お皿洗ってきますね」
ぱたぱたと食器を持って出ていった。
ちなみに同じことを夕食でもやってくれた。クリスとココが見ている前で。その時の2人の視線はすごく温かかった。
夕食の席で出発は明日の朝と決まった。
そして翌朝。
「お世話になりました」
「こちらこそ助かった。気をつけていけよ」
砦の責任者と兵士達に見送られて、防衛都市アルデバランを目指す。アルデバランまでは通常5日かかると聞いているけれど、私達だともう少しかかりそう。ココが言っていたように、7日くらい見ていればいいかな。
強い魔物も出るみたいだし、気を引き締めて行かないとね。
砦を出発して9日目の日中、防衛都市アルデバランに到着した。
防衛都市という名に相応しく、強固な城壁が街全体を取り囲み、中に入るための通用門には行列が出来ていた。
私達はその一番後ろに並ぶ。
「防衛都市というだけあって、通行チェックも厳しいのかな」
「この街は国境の街、防衛都市ですもの。身分証の確認に犯罪歴のチェック、怪しい方であれば、所持品も調べられますわね」
ココが教えてくれた内容に対して、何か思うところがあるのか、クリスが遠い目をしていたので、何かあったのか聞いてみた。
「……私は全部経験ありますよ……お師匠様のせいで……」
聞かなきゃよかったと思った。
やがて私達の番となり、身分証を提示した。
「君たちは冒険者だったのか。通行料として1人につき銀貨1枚貰うぞ」
私達は4人なので、銀貨4枚を支払い、無事に通過することができた。
まずは冒険者協会へ向かう。基本的に冒険者協会は街の中心部にあることが多いので、中心部を目指す。
そして協会の目印となる看板を探す。看板の模様は街ごとに多少の違いはあるものの、剣や斧が2本重なって描かれているのが冒険者協会、剣や盾等の武器が描かれているものが武器屋、回復薬の瓶等が描かれているものが道具屋となっている。
冒険者協会の中へ入る。
内装はベラトの協会よりも広く、お酒が飲める食事処、といったところか。
「随分賑わっているのね」
「そうですね。この街にも何かあるのでしょうか?」
迷宮のあったベラトよりも賑わっていて、昼間からお酒を飲んでいる冒険者の姿も見える。
「う……」
「のぞみ様、見られてますね」
視線は刺さるけれど、私だけでなく、巫女服を身に纏ったセチアにも視線が向かっている。
巫女は街では崇拝対象にもなりうる存在だ。そんな巫女様から「様付け」で呼ばれる私には、好奇の視線も含まれているような気がしている。
怖がっていても仕方ないので、受付へと向かう。
「い、いらっしゃいませ、ご用件はなんでしょう?」
受付の方は新人らしく、背後でベテランらしき女性が控えていた。
「初めて来たのですが、どこかおすすめの宿はないですか?」
「そこでしたら……えっと」
新人さんが困っていると、背後の女性が口を開く。
「『渡り鳥』という宿屋さんがオススメですよ。協会を出て、左手へ進みますと、空飛ぶ鳥の看板を掲げた建物があります。その建物が宿屋『渡り鳥』さんです。」
「ありがとうございます。エルナト大迷宮に行きたいのですが、ランク制限ってあったりします?」
「エルナト大迷宮ですか……。エルナト大迷宮は黄道十二迷宮の1つとなっておりまして、パーティ全員がCランク以上であれば入れますよ」
この『パーティメンバー全員がCランク』という条件はクリアしている。
私達は全員Cランク冒険者だから。
教えてくれた受付嬢さんにお礼を言って、協会を出る。
まだ明るい時間帯だが、今日は宿へ行き、旅の疲れを癒すことにした。
「いらっしゃいませー!お泊まりですかー?」
宿屋だというのに元気な受付嬢がいた。
「あ、ごめんなさい。ウチは食事処もやっているんですよー」
驚いたけれど、そういうことならしょうがないよね。
「そうなんだ。4人で1泊でお願いします」
「はーい!ありがとうございまーす!4人で金貨1枚でーす!食事、水、桶、布は別料金となりまーす!」
「食事を4人分2食と、桶、布を人数分も追加で」
「はーい!ありがとうございま……あ」
受付嬢の動きが一瞬止まる。そして顔を上げて、謝罪してきた。
「ごめんなさいー。4人部屋はありますが、最大4人部屋となってしまいますー」
何のことかわからなかったけれど、皆の顔を見る限りは、それでも良さそうだったので「構わない」と伝えた。
料金を支払い、部屋の鍵を受け取った。食事は併設されている食事処に、鍵と一緒に受け取った札を出せばいいとのことだ。
「お部屋空いていてよかったですね」
「そうね。満室だったらどうしようかと」
「最大4人が使える部屋、というのが気になります」
上から、クリス、私、セチアの言葉となる。
部屋の内装は、2人が寝られる程の大きなベッドが2つあり、椅子や机といった設備はなかった。
「こういう事でしたのね……最大4人というのは……」
このため、今回もペアを作ったのだが、私としては悲しい結果になってしまった。
「のぞみ様、今晩はよろしくお願いします」
「あ、はい」
セチアは頬を染めつつも、嬉しそうだ。何をするつもりなのか知らないけれど、クリスとココも同じ部屋にいるのだから、変なことはやめてほしい。
「のぞみさん、明日のご予定はどうしますの?」
「迷宮に入るための準備をするつもりよ」
「ならば明日の朝は早起きですわね」
迷宮に潜るとなれば、食料を買い込む必要がある。
迷宮内で調達できるのが一番いいのだけれど、それができなかった場合に備えておくのも大事だからね。
新作で「私はロケットランチャーで異世界を蹂躙します」とか思いつきました。
決して、「巨大昆虫から地球を守るゲームで、ロケランぶっ放して、街壊すのが好き」というのは関係ありません。関係ないったらないです。
まぁ、執筆する時間が足りませんが。




