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和ロリな少女は異世界を旅する  作者: ほずみ
本編
44/48

46 治療しよう

 ~クリスSide~


 のぞみさんの指示に従い、私とセチアさんは兵士さんの支援に入ります。

 支援といっても、戦闘ではあまり役にたてそうもないので、傷ついた兵士さんの治療のお手伝いをしています。


「あんたの回復薬ポーションは効くな……これでまた戦場へ行けるぜ」

「あまり無茶はしないでくださいね」

「おうよ」


 その兵士さんは再び戦場へと戻っていきました。

 どうやって治療しているのか、というと、私は錬金術で作った薬で、セチアさんは治癒魔法で傷ついた兵士さん達を癒していきます。

 もちろん、勝手にやっているわけではなく、衛生兵の指揮官様に話を通してあります。最初にお手伝いを申し出た時には、「本当にできるのか」と怪しまれましたが、セチアさんが「わたし達は巫女なので大丈夫です」の一言で、疑いは晴れたようです。

 ……私は巫女ではありませんが、いいのでしょうか。


 ゴブリンに深手を負わされた兵士さんでも、私の薬とセチアさんの治癒魔法を組み合わせることで、治療ができます。その場合は通常の回復薬ポーションではなく、錬金術で調合したポーションを使います。すでに何名かに治療を施してしますけれど、薬の効果で「体が軽くなった」と言っています。

 私とセチアさんがお手伝いに入った時、怪我をした兵士さんが多くいましたが、彼らの処置を終えた今では、時々担ぎ込まれてくる程度です。

 兵士さんに話を聞くと、赤色のドレスのようにも見える、変わった服を着た冒険者の少女と、帽子をかぶった貴族と思われる少女が、ゴブリンを蹴散らしているという話を聞きました。

 この話から推察するに、のぞみさんとココさんで間違いないでしょう。


「のぞみさんもココさんも頑張っているみたいですね」

「わたしの愛するのぞみ様は、ゴブリンなんかには負けません!」


 前半部分は置いておくとして、セチアさんに同意です。のぞみさんが通常のゴブリンを相手に、苦戦するとは思いません。上位種であれば話は別ですけれど。

 その話を聞いてからは、怪我をして撤退してくる兵士が減っていきました。

 彼女たちのおかげでゴブリンが減り、砦の防衛が多少楽になったようです。

 負傷者の治療が済んで、待機しているところに、新たな負傷者が運び込まれてきました。


「はぁ……はぁ……やっと着きましたの……あとはお願いします、わ……」


 背中に気絶しているのぞみさんを背負って、この場所まで来たのはココさんでした。

 そのココさんも体力の限界を超えたのか、着くなり倒れてしまいました。

 自分達のリーダーでもある、のぞみさんが運び込まれて「まさか!?」と思いましたが、のぞみさんは技能スキルを使用した可能性が高いです。

 ココさんは頬に傷があります。のぞみさんは服を斬られていますが、目立った傷はないように見えます。

 魔道具を借りて容態を確認してみますと、のぞみさんのHPは約3割、MPに至ってはほぼ0であり、ココさんのHPは5割、MPは8割ですが、のぞみさんを背負ってきた疲労で倒れたようです。

 のぞみさんの状態は技能スキルを使った代償と見て間違いないでしょう。


「セチアさんはHPの回復をお願いします。回復薬ポーションを飲ませることはできませんから……」

「そうですね。わかりました」


 お師匠樣から、気絶している者へ回復薬ポーションを使うには「下から注入すればいい」と聞きましたが……それをのぞみさんに行うことはできません。というか、したくないです。

 それにMPでしたら、時間が経てば回復しますからね。

 

「のぞみ樣とココ樣の回復終わりました。お2人とも疲労がありますので、目を覚ますのは少しかかりそうです」

「ありがとうございます、セチアさん」


 2人のHPも安全圏まで戻りましたし、目を覚ますことを待ちましょう。


 その日の夜遅く、オーク討伐依頼(クエスト)に出ていた冒険者パーティが帰ってきました。

 オークの討伐は成功し、翌朝から通行のランク制限が「パーティメンバーの半数がDランク以上」に下げられるそうです。

 これにより、私たちでも通行することが可能となります。

 と、言いましても、私たちのリーダーでもある、のぞみさんがまだ目を覚まさないので、出発はしばらく無理そうです。


 ◆


 ~のぞみSide~


 私が目を覚ましたのは、ゴブリンの襲撃から一夜明けた日中だった。


「…………?」

「のぞみさん?気がつきましたのね」


 知らない天井が広がり、傍らにはココがいる。


「……ココ?ここはどこなの?」

「ここは砦の医務室ですわ。クリスさんとセチア様が癒してくださいましたの」


 自分の状況を確認してみると、技能スキルの影響で減ったHP、MPはほとんど全回復していた。


「……クリスとセチアは?」

「お2人なら、治療した方々の様子を見て回っていますわ。しばらくしたら戻ってくるはずですわ」

「そっか。2人にはお礼を言わないとね。それからココにも」


 技能スキルを使った反動で倒れた私を、砦まで運んでくれたのはココ以外にいないと思う。

 

「お礼なんていりませんわ。のぞみさんの技能スキルで強敵はほぼ全滅でしたもの。残ったゴブリンの中にハイゴブリンが1匹いたと聞きましたが、討伐したらしいですわ」

「そうなの……でも言わせて。ココ、ありがとう」


 ……あれ?私を運んできたのはココだとしても、私がいた場所は最前線。同じ最前線で戦っていたココも襲われたはずじゃ?

 あの状況じゃ全部倒すのは無理だったし。


「私を運んでいる最中に襲われなかった?」

「襲われましたわ」


 やっぱり襲われたのね。

 どうやって対処したのだろうか。


「だけど問題ありませんわ。ロミさんが手伝ってくださいましたの」


 お礼を言う相手が増えた。


『わたしはごしゅじんさまのけんであり、たてでもあるのですから。それにライラさまがでていきそうだったので、わたしがでました』


 ライラが出てくるよりはいいかな。ライラの事だから、ずっと見ていたのだろうけど。


『はい、見ていました。のぞみ様、かっこよかったですよ。もちろん今も見ています』


 念話が来るのが早い。

 それはともかく、ロミちゃんとライラにお礼を伝えた。


「そういえば私の服と鞄はどこに?」

「それでしたら、そこにありますわ」


 ココが指差す方向を見ると机があり、その上に鞄と折りたたまれた赤色の衣類(和風ドレス)があった。


「それにしてもあの服は不思議ですわね。ゴブリンの返り血や傷があったのに、全て消えてなくなってますもの。高価な物であれば、そういった技能スキルがついていたりしますわ。のぞみさんの物は、手触り肌触りともに素晴らしいものですので、ついていそうですわね」

「そうかもしれないね」


 実際にはついています。神様リドちゃんから貰ったものだし。

 ココとの話がひと段落したところで、コンコンとノックが響いた。

 ココがドアを開けると、クリスとセチアが顔を出した。そして、ココに言われて、私が目を覚ました事に気がつくなり、セチアが飛び込んできた。


「のぞみさまぁぁぁ!」

「ふぎゅっ!?」


 そのままセチアによって、ベッドに押し倒されてしまった。


「のぞみ様の肌に傷なんて残しておけませんので、念のため確認します!」

「え?ちょっ!?」


 私の着ている貫頭衣を胸元まで捲り上げ、直接手で触って確認する。

 胸元から下へ、お腹を通り、さらに下へ……って、それ以上はだめだって!


「いだっ!」


 思わずチョップが出てしまった。

 心配してくれるのは嬉しいけど、そこに傷はないからね!?

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