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和ロリな少女は異世界を旅する  作者: ほずみ
本編
42/48

44 テンガンの砦へ行こう

 水浴びを済ませ、荷物番をしてくれている2人のもとへ戻る。


「遅くなってごめんね」

「構いませんわ。次はわたくしとクリスさんですわね。クリスさん、行きますわよ」


 2人も私達と同じように、服を枝に引っ掛け、泉へと向かった。

 今度は私達2人が荷物番となる。

 魔物の襲撃もなく、時間が過ぎていった。

 やがて、水浴びをしていた2人が戻ってきた。その腕には泉で泳いでいたと思われる魚が抱えられていた。


「おかえり。で、その魚は?」

「焼いて食べようと思って捕まえてきました。のぞみさん、お願いできますか?」


 錬金術で焼き魚は……できないか。火を起こすのは私の仕事だし。

 というわけで、今回の朝食のメニューは焼き魚とパンとなった。私としてはご飯が欲しい。

 そもそもこの世界にお米ってあるのかな?

 考えていたら食べたくなってきた。


「……お米ってどこかで買えないかな……」

「お米ならありますわよ?」

「えっ?」


 思わずココを見る。


「お米はアルデバランへ行く途中にある村で栽培してますの。この国唯一の生産地ですわ」

「そこへ行けば買えるかな」

「少々高いですが、買えないことはありませんわ」


 お米が買えるなら買うよ?値段次第だけど。


 食事を終え、泉を後にする。

 まず向かうは『テンガンの砦』だ。


 2日後、ようやく『テンガンの砦』が見えてきた。

 『テンガンの砦』はテンガン山と言う山の麓にあり、その役割は山に潜む魔物の監視はもちろん、旅人や冒険者達の保護、休憩所にもなっている砦だ。


「テンガンの砦ってあれ?」

「そうですわ。テンガン山の魔物を討伐するための拠点だけでなく、一休みするための設備もありますわ」


 砦の入口まで行くと、門番の兵士に呼び止められた。


「君たちは冒険者か?」

「そうだけど……なにかあったの?」


 話を聞くと、本来麓にはいないはずの魔物ーーオークの集落コロニーが確認されたため、立ち入りを制限しているということだった。

 ちなみにオークの強さは個体により差があるものの、弱い個体でもホブゴブリンと同等だという。

 砦を通過するためには『単独ソロならばCランク以上、パーティであれば、メンバー全員がDランク以上であること』、または、『Cランク以上の冒険者の護衛をつけること』の条件をクリアしなくてはならない。

 冒険者である私達が、同じ冒険者に護衛を頼む、というわけにもいかない上、セチアがEランクのため、メンバー全員Dランク以上という制限にも引っ掛かる。

 つまり、先へ進めない。


「……メイサを早々に出発したのが裏目に出てしまいましたね」

「そうね……」


 どうしようか考えていると、門番の方から助け船を出してくれた。


「君たちはメイサから来たんだよな?」

「そうだけど?」

「メイサの冒険者協会(ギルド)にオーク討伐依頼(クエスト)が出されていたのは知ってるか?」

「知らないわ」


 朝一番で協会ギルドに行って、そのまま出発したようなものだからね。そもそも、私達がメイサにいたのは3日前の話だし、その時は依頼クエストがまだ出ていなかったと思う。

 その事を伝えたら納得してくれた。


「そうだったのか……。ならば安全が確保されるまで、砦で休むといい。おい、案内してくるから少し変われ」


 兵士は部屋の前まで案内すると、私に鍵を渡し、持ち場へ戻っていった。

 部屋は4人部屋と説明されたが、大きめのベッドが2つと、他は机と椅子があるだけだった。


「ひとつ言いたいんだけど……何でこの部屋に案内したのかな」

「わたしたちがそういう関係に見えたのですよ、きっと」


 セチア、それはないと思うの。


「たまたま空いていなかっただけなのかも知れませんわ」


 ココの意見に賛同する。

 でもベッドは2つしかないことには変わりない。簡単なくじ引きでペアを作った結果、私とクリス、ココとセチアのペアで使うことになった。

 セチアは私と一緒がよかったみたいだけど、一緒になるとなにされるかわからないから、私としては安心して休める。


 そのまま2日が過ぎた。

 先に言っておくけれど、2日も何もしなかったわけではないよ。

 私は砦にある修練場を借りて、ココを相手に模擬戦を繰り返していた。それを見た砦の兵士たちと、打ち合いをすることになってしまったのは仕方のないことよね。

 おかげでいい訓練にもなったし。

 クリスは錬金術で道具アイテム作りを、セチアは魔法を魔術兵から教わっていた。


 そして今日、メイサからの討伐隊が到着する予定だと兵士の男から聞いた。

 そして到着したのが彼ら。


「もしかして……のぞみちゃん、よね?」


 聞き覚えのある声に名前を呼ばれ、声がした方向を見ると、見覚えのある女の人がいた。


「……エマ?」

「やっぱりのぞみちゃんね!久しぶり!どうしてこんなところに?」


 エマがいると言うことは、トーマ達が依頼を受けた冒険者なのよね。討伐隊って聞いているから、ほかにも依頼クエストを受けた冒険者も来ているはずよね。

 その事は置いておいて、彼女に経緯を話す。


「……それはまあ……タイミングが悪かった、というか……。私たちが頑張るから、のぞみちゃん達はゆっくりしててね」

「エマー、いくぞー?」

「のぞみちゃん、それじゃまたね」


 彼女は手を振って仲間の元へ去っていった。

 私は部屋へ戻り、エマと会ったことをみんなに伝えた。


「エマさんがいると言うことは、トーマさん達とも会う可能性がありますね」

「私トーマって苦手なのよね……」


 そんな私の愚痴に対して、クリスは苦笑いで返した。

 セチアは誰のことかわかっていないようで、セチアから質問が飛んできた。


「あの……エマ様とトーマ様ってどちら様ですか?」


 ココは「聞き覚えがありますわね……」と言っていたが、クリスの一言によって思い出したようで、「わたくしの護衛をしてくださった方々ですわね」と納得していた。

 セチアには言葉を選んで説明したのにも関わらず、説明後の第一声が「わたしのライバルですね」だった。


 討伐隊の出発を見送ってしばらくしたら、砦の中が騒がしくなってきた。

 その後すぐ、一人の兵士が私達の部屋のドアを叩いた。

 私がドアを開けると、切羽詰った様子で叫んだ。


「君達、すまないが手を貸してくれ!緊急事態なんだ!」

「わ、わかったわ!」


 なんだかわからないけれど、すぐに出られるように準備をしておいてよかった。


「準備ができたら、すぐに山側の門へ行ってくれ!」


 山側の門へ行くと、門は開け放たれており、その先で兵士達がゴブリン達と戦闘を繰り広げていた。

 

「……なんなのよ……これ」


 なぜこうなったのかわからないが、状況的にこちら側が押されているようだった。

 

「休憩部屋にいた冒険者達だな!?報酬はこの程度しか出せないが頼む!手を貸してくれ!」


 たまたま持っていたと思われる、銅貨や銀貨の入った袋を投げ渡される。

 それを受け取り、念のため持ってきた鞄に放り込む。


「クリスとセチアは兵士さん達を!ココ、ロミちゃん!いくよー!」

「わかりました!」

「わかりましたわ!」

『はい!ごしゅじんさま!』

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