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和ロリな少女は異世界を旅する  作者: ほずみ
本編
40/48

42 巫女様と行こう

 朝を迎え、まずは冒険者協会(ギルド)へ向かう。

 目的は先日の依頼クエスト報酬を貰うことと、セチアの冒険者登録をすることの2つ。

 元々、神殿で巫女をしていたセチアにとっては、必要のないものだ。しかし、私に同行するならば持っていてほしい。

 ……街に入る度にかかる通行料が馬鹿にならない、と言う理由もあったりなかったりする。


「……というわけなんだけど……」

「……わたしが冒険者に……ですか……?のぞみ様がそう言うのであれば……」


 そんなわけで私達は冒険者協会(ギルド)にいる。


「ココお嬢様だけでなく、巫女であるセチア様まで仲間に加えるなんて……メイサはどうなってしまうのでしょうか……」


 セチアを冒険者登録し、パーティに加える旨を受付嬢に告げたら、街の心配をしていた。

 しかし、そこは協会ギルドの受付嬢。仕事はしっかりこなす。


「セチア様もこれで冒険者になりました。頑張ってくださいね」

「はい。頑張ります!」


 続いて、先日受けた依頼クエスト報酬を受け取る。


「……多くない?」


 袋にはぎっしりと銀貨がつまっている。


「報酬に加えて、ココお嬢様へリンデルニア家からの支度金も入っています」

「お父様ったら……」


 ココの支度金も入っているとなると、受けとるのは躊躇う。


「のぞみさん、受けとりませんの?」

「ココの為のお金でしょ?私たちのお金じゃないし……」

「それでしたら……」


 ココが報酬をそのまま受け取り、それをそのまま私に差し出す。


「……どういうこと?」

わたくしから所属するパーティ『赤青の流れ星』へ寄付ですわ。これなら受け取れますわね?」


 そういうことならいいかな。

 袋を受け取り、鞄にしまう。

 冒険者協会(ギルド)を後にして、セチアの武器を選ぶため武器屋へ行く。

 クリスとココとは別行動をとり、足りない物資を調達に行ってもらっている。

 主な物資は夜営の道具全般だ。今使用している物は2人から3人向けの物であり、4人で使うとなると少し厳しい。


「セチアは武器持ったことある?」

「ありません。わたしはずっと巫女をしていましたから……魔法でしたら光属性魔法が少しと、回復魔法が使えます。のぞみ様も巫女ですから、同じ後衛ですね」


 私が後衛?私には自分と同じくらいの大きさのロミちゃんが……あれ?いない?

 いつ入れたのか、ロミちゃんは鞄の中にあった。

 取り出すと同時に、念話が飛んできた。


『……ごしゅじんさま……わたしもう、このままかとおもって……』

『ごめんね。ロミちゃん』


 あとで慰めてあげないとね。

 刀を改めて背中に背負う。


「のぞみ様、それは?」

「私の愛刀で、火属性の精霊刀なの。クリスが杖と道具アイテムで、とココは片手剣と盾で戦うのよ」

「……のぞみ様は後衛ではないのですね?」

「そうね……魔法は火属性が使えるけど、前にいる方が多いし」


 現状の戦闘スタイルからすると、後衛がクリス1人しかいない。援護が間に合わず、大怪我する可能性もある。私としては、回復魔法を使えるセチアには援護してほしい。


道具アイテムってどんなのですか?」


 道具アイテムで戦うって言われてもピンとこないようだ。クリスの戦闘はみないとわからないからね。


「爆弾とか薬かな。他の見たことないし」


 そのうち星でも降らすのだろうか。どこかの錬金術師達みたいに……。

 今はセチアの武器選びが先だ。


「武器はなにがいい?」


 セチアは少し考えて答える。


「そうですね……わたしは杖がいいです」


 セチアも杖になるのね。

 クリスは杖を持っているけど、あれは杖の形をした棍棒だと思う。近寄ってきた魔物を杖で殴ったり、魔物の股関をフルスイングでホームランしたり……。


「……どうかしましたか?」

「……ごめん、なんでもないからね」


 武器屋に着いたので、店内を物色する。

 

「やっぱり素人じゃ良し悪しはわからないね」

「そうですね……お店の方に相談してみましょう」


 店主を呼び、初心者でも使いやすい杖をいくつか持ってきてもらうことにした。


「またせたな。駆け出しにはこいつが丁度いいだろうな」


 店主が持ってきてくれた物は、30センチ程の長さがある杖で、装飾は特についていない。

 装備すると『魔力が少し上がる』という効果が付与されている。


「手にとってもいい?」

「おう。ほら」

「ありがとうございます」


 セチアは店主が見繕ってくれた杖を手に取り、振ったり、回したりして使い心地を確認している。

 やがて、セチアは頷いた。


「のぞみ様、これにします!これをください」


 店主にお金を渡し、支払いを済ます。

 外に出ると、クリスとココが待っていた。


「待たせてごめんね」

「大丈夫ですわ」

「そう?それじゃ、テンガンの砦へ向かおうと思うけれど……ココのお父さんに挨拶はいいの?」

「すでに済ませてありますわ。それと、お父様からのぞみさんに手紙を預かってますわ」

「?」


 ココから手紙を受け取る。

 手紙は綺麗に包装されており、リンデルニア家の家紋と同じ判が押されていた。


「読んでいい?」

「もちろんですわ」


 日陰に移動し、手紙を読む。

 そこには『娘をよろしく頼む。なにかあれば我々リンデルニア家が力になろう』と書かれていた。

 他にもいろいろ書いてあったけれど、ほとんどがココの事ばかりだった。中には昔の失態とかあって、最後に『ココに見せては駄目』と添えてあった。内容が内容だし……仕方ないよね。

 手紙を丁寧に仕舞う。


「それじゃ、出発しよっか」

「そうですわね」


 返事をしてくれたのはココだったけど、クリスとセチアも頷いていたので、4人で街の北門を出る。


「セチアは戦うのは初めてだったよね?」

「はい。街から出たことはありませんから」


 セチアは巫女としてメイサにいた。巫女としての力は持っているけれど、役目を終えたから私たちについてきている。

 ちなみに巫女は処女ではないとならない、というわけではないらしい。極端な話、女性であり、素質があればなれるそうだ。


「ですが、先程言いましたように、初級魔法なら使えます」

「私とココが前衛、クリスとセチアが後衛で何度かやってみようね」


 やってみよう、とは言ったけれど、まだ街からそんなに離れていないので、魔物らしい気配はない。


「魔物いませんね……」

「ある程度離れないとだめかな……」


 結局、街が見えなくなるまで進んだところでスライムを見つけた。

 そのスライムはまだこちらに気づいておらず、ゆっくりずりずりと動いていた。

 ちなみに戦うときは、ぴょんぴょん跳ねて移動する。


「あれはセチアが倒してみてね」

「頑張ります」


 セチアが前に出て、魔法の詠唱を始めた。


「……光よ、玉となり敵を打て……〈ライトボール〉」


 セチアの詠唱に呼応し、魔法が発動する。

 光の球体がスライムに向かって飛んでいき、やがて命中した。

 スライムはその魔法1発で倒れ、核だけを残して消えた。


「……倒したのですか?」


 セチアからしたら、魔法を1回使っただけで倒してしまったから、倒したという実感がないみたい。


「そうよ。スライムには魔法が効くからね」


 私はそれを知ったあとで、物理で倒してみたりしていたよね……もうやらないけど。


「魔法が効かない魔物の時はどうしましょう?」

「その時は私かココ、クリスに頼むといいよ」

「わかりました」


 杖による近接戦闘はクリスに頼むことにした。

 ……クリスの教えを受けたセチアがどうなるかなんて、私はまだ知らない。

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[一言] ホームランWWW·····え···? 股関を···?
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