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和ロリな少女は異世界を旅する  作者: ほずみ
本編
33/48

35 模擬戦しよう

 次回は来週の日曜19時となります。

 翌日、模擬戦のルールが発表された。

 ルールは以下の通りとなる。


 ・代理参戦は不可。

 ・武器は協会ギルド側で用意したものを使用すること。

 ・勝敗は相手が気絶するか、降参することによって決まる。


 なお、領主の娘であるココが選手として参加するため、回復魔法を使える者が招かれている。その為、多少の怪我ならば治すことができ、遠慮せずに戦うことができる。


 現在私とクリスは協会ギルドの一室にいる。

 ココやガルディさんとは朝食の時に顔を合わせたくらいで、それ以降は見ていない。

 その朝食の時にクリスの対戦相手の事を聞いてみたけれど、クリスの戦い方に合わせた使用人を選ぶから安心して欲しいそう。

 改めて確認するが、クリスの戦い方は魔法を使った遠距離型だ。おそらく魔法を使える者を出してくるだろう。


「クリス……本当に大丈夫?」

「何がですか?」

「私が受けるからって、クリスは受ける必要なかったと思うの」

「ガルディさんの言い方を考えますと、私の実力の確認も入っているように思います。のぞみさんの実力だけでココさんを預けるのは、心配なのではないのでしょうか」


 そういえば確かに「お前達2人」って言っていたよね。


「そっか……。私に何かあったとして、クリスがあまりに弱かったらココがどうなるかわからないものね」

「はい。私も自分がどこまでできるかわかりませんので、思い切りやってみたいと思います」


 クリスは自分の杖を握り締め、戦う覚悟を決めた。

 丁度その時、一室のドアがノックされ、協会ギルド職員が呼びに来た。


「待たせたな。準備ができたぞ」

「わかったわ」


 椅子から立ち上がり、クリスと一緒に部屋を出る。

 まず案内されたのは、保管庫だ。


「武器はこの中から選んでくれ。大体は揃っているからな。そっちの嬢ちゃんもここにある杖を使ってくれ」

「私もですか?」

「ああ」


 大した効果は装備効果はなかったはずだけど、念のためだろう。

 私は手に合う剣、できる限りロミちゃんと近い大きさの物を探す。

クリスもしっくりくる杖を探しているらしく、いくつか手に取っては振ってみたりしている。


『ご主人様、そのけんでしたら、わたしにちかいとおもいます』

『……これ?』


 ロミちゃんの念話に従って手に取り、振ってみる。

 

「……うん、ちょうどいいかも」

『よかったです』


 剣と言っても木製だ。いくら木製だと言っても、叩かれたら痛いくらいにしっかり作られている。

 ロミちゃんの場合はほとんど重さを感じないけれど、これは本来の重さが伝わり、それなりにずしっとくる。

 クリスの方も丁度いいものが見つかったらしく、木製の杖を手にしていた。


「良さそうな武器は見つかったみたいだな。訓練場では領主様が待っているぞ」


 訓練場に到着して驚いたのは、その広さと人の多さだ。

 訓練場の広さは、小学校や中学校のグラウンド並みに広く、その半分ほどの面積が模擬戦の為に確保されていた。

 模擬戦の為に空けられたスペースを取り囲むように、人が集まっていた。


「……まさかこんな事になっているなんて……」

「見世物にでもなった気分よ」

「冒険者どもに取ってはいい娯楽になるからな。それにココ様が参戦するんだから、当然だ」


 ココ目当ての男が多いみたいね。

 彼女はいかにもお嬢様という雰囲気を纏っていて、話し方もお嬢様そのものだ。しかし、困っている人がいたら、救ってあげようとする優しさも持っている。街の外で会った時のように、行動力も高いのだろう。おまけにかなりの美少女だし。

 彼女は私が思っている貴族とは違っていた。


「まずはそっちの娘からだな」

「私からですか?わかりました」


 クリスが模擬戦の舞台に上がる。クリスから少し遅れて、対戦相手となる使用人が舞台に上がった。


「クリス様のお相手をさせていただきます、ミトでございます。手加減など不要でございます」


 彼女は使用人らしい服を着ている。待って、家の中で見た使用人と同じ物だ。戦うときもその服装なの?

 服装はともかく、彼女の手には杖が握られている。クリスと同じ後衛なのだろうか……見た目はメイド服なんだけど。

 クリスが選んだものは長杖で、彼女の物は片手で持てる程の大きさだ。

 試合開始の合図が下され、2人は魔法の詠唱を始める。


「水よ穿て。ウォーターボール!」

「水よ、玉となりて、敵を打て。ウォーターボール!」


 2人の魔法が発動し、水の弾が飛んでいき、そのまま互いに衝突する。魔法の威力はクリスの方が高かったようで、勢いは落ちたものの、そのまま飛んでいく。

 ……あれ?クリスとミトさんの詠唱が違う?理由はあとでライラに聞いてみるとして、戦いを見守る。

 ミトさんは水属性以外にも風属性の魔法を使ってきたが、クリスはその魔法すべてを防いできた。

 魔法戦は強かったが、接近戦に持ち込まれてからは、身を守ることが多くなり、隙ができた所に一撃を入れられ、そのまま負けてしまった。


「のぞみさん……負けてしまいました」


 戻ってきたクリスはとても悔しそうにしている。模擬戦といえど、負けるのは悔しいよね。


「……私がクリスの分も頑張るからね」

「……はい」


 次は私の番だ。

 協会ギルド職員に呼ばれ、模擬戦の舞台に立つ。

 その直後歓声が上がり、その歓声とともにココが舞台に上がってきた。


「お待たせ致しました、のぞみさん。わたくしと踊りましょう」


 ココは紫をベースとしたワンピースに、ケープを羽織っている。

 正直、戦う格好ではないと思うの。……私も人の事言えないけれど。

 手に持つのは片手剣と丸い盾だ。

 試合開始の合図が下され、私は剣を正面に構える。


「のぞみさん、参りますわ!」


 宣言ととともに、ココが斬り込んでくる。

 その剣撃を受け止める。


「ふふっ……この程度は止められて当然ですわね」

「あまり喋りたくないんだけど……」

「あら、失礼」


 そこから先を模擬戦と呼ぶには無理があった。

 木製の剣と剣がぶつかる音が響き、時おり魔法が飛ぶ。


「はあ、はあ……やりますわね。のぞみさん……」

「ココもね……」 


 私とココの剣の実力はほぼ互角であるが、体力的な理由で私が押され始めている。


「……のぞみさん、元気がなくって?」

「う、うるさい……!」

「あら、怖い。そろそろ終演にしましょうね」


 魔力を剣に纏わせた攻撃がくる事を悟った私は、同じように魔力を剣に纏わせる。使うのは光属性。

 魔力を乗せた、お互いの剣がぶつかったその時だった。

 バキッ!と音がして、慌てて離す。


「!?」


 剣を確認すると、刀身の所にヒビが入っていた。


「これ、そのうち折れるよね」

「……そうですわね」

「仕切り直す?」


 剣が傷んでいる状態で続けても危ないだけ。本当の戦いなら状況次第だけど、今は模擬戦の途中だ。

 武器を変えて仕切り直しもできる。


「必要ありませんわ。のぞみさんの実力はわたくしと同等ですもの。それだけわかれば十分ですわ。それに使いなれた武器ならば、わたくしの勝利はあり得ませんもの」


 ココは潔く負けを認め、職員を呼び出す。

 勝敗は武器破壊による引き分けと宣言させ、模擬戦は終わった。

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