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和ロリな少女は異世界を旅する  作者: ほずみ
本編
31/48

33 お嬢様を助けよう

 現場に着いた私達は、少しでも見つかるのを遅くするため、姿勢を低くする

 状況から考えると、あの剣を構えた少女がココさんなのだろう。

 ここ彼女の後ろには4人の子供がいる。

 確認できる狼の数は8匹であり、その中に1匹だけ大きな体の個体がいる。この群のリーダーと見て間違いない。

 狼の群れは私達には気づいていないが、こちらがなにか行動すれば気づく。

 

「……クリスの水属性魔法で隙を作れる?」

「やってみますね」

「それじゃお願い。私はそれに合わせてロミちゃんと突っ込むから。その後は援護をお願い」


 ロミちゃんに目で確認すると頷き、光の粒子となって姿が消える。


「わかりました。のぞみさん、頑張ってください」


 クリスがその体制のまま、詠唱に入る。


「水よ、矢となり敵を射て。〈ウォーターアロー〉」


 クリスはいつの間にか水の矢を放てるようになっていた。

 その事に驚いている場合じゃない。

 私も矢の後を追うように飛び出す。


「キャイン!?」

「なんですの!?」


 クリスの放った最初の水の矢は1匹の狼に命中し、続けざまに数本が当たり絶命させる。

 矢に驚いたココさんと狼の群れがこちらを向く。


「ココさんよね!?馬車の中にいた人から、助けを求められたの、でっ!」


 私に飛びかかってくる狼を斬り伏せる。

 それを聞いたココさんも攻撃に出た。

 子供達がいるため攻める事ができず、防戦一方だったが、私とクリスの乱入によって状況が変わり、反撃に打って出た次第だ。

 子供達に向かう狼もいるが、彼らはクリスの〈ウォーターボール〉または〈ウォーターアロー〉にやられている。


「ありがとうございます」

「詳しい話は後にしましょ。今は狼をやっつけるのが先よ!」

「わかりましたわ」


 ココの武器は剣と円い形をした盾だ。剣の長さは片手で持てるサイズであり、敵の攻撃を盾で防ぎ、剣で反撃をすると言う戦い方をしている。

 盾を持たず、敵に突撃する私とは違い、堅実な戦法だ。

 私も前と同じ事にならないように注意しながら戦う。


 やがて大きな狼含めて全滅させることができた。

 大きな狼は遠吠えして襲ってきたが、クリスが魔法で動きを鈍らせ、私とココさんで倒した。


「お疲れ様です、のぞみさん」

「クリスもありがとう」

「気を抜くのは……まだ早いようですわ」


 草原の向こうから何かがこちらへ迫ってくる。


「あれは?」

「先ほどのつがいですわ!逃げますわよ!」


 家族を殺されて、物凄く怒っているのが手に取るようにわかる。

 その怒りの矛先はもちろん私達だ。


「クリス!あの爆弾まだあったらお願い!」

「はい!」


 爆弾を目くらましに使い、私達は走る。

 流石に狼の速さからは逃げきれず、回り込まれてしまった。


「ガウガウッ!」


 なんて言っているかはわからないけど、私を殺そうとしているのは確実だ。

 その証拠に、怒りを湛えた狼の目は私を捉えていたから。

 相対してわかったけれど、さっきの個体よりもきっと強い。


「二人とも、手伝ってくれる?」

「もちろんです」

「……貴女が殺されてしまっては借りが返せませんわ」

「ありがとう。それじゃ……いくよ!」


 先ほど戦った大きな個体もビッグウルフというウルフの上位種であり、小さいものはウルフという魔物だ。攻撃的な性格であり、動きは速く、単独行動をしている個体はいない。

 もしいたとしたら、それはウルフの亜種だろう。

 ビッグウルフは私を主に狙ってくるので、クリスとココさんがダメージを与えていく。


「あんたの狙いは私でしょ!?ほらこっちこっち」


 ビッグウルフを挑発し、私は逃げる。クリスかココさんにターゲットが移りそうになったら、挑発して逃げる。これを繰り返して、なんとか勝つことができた。


「は、走り回ったから……足が……」

回復薬ポーション飲みます?」

「ありがとう……」


 クリスからポーションを受け取り、それを飲み干す。 

 倒したウルフとビッグウルフは私の鞄に仕舞う。


「あの、私にも回復薬ポーションくださる?」


 ココさんにも回復薬ポーションを渡す。

 ちょうどそのタイミングで、馬車が戻ってきた。


「ココお嬢様!無事でございますか!?」

わたくしは無事ですわ。彼女たちに助けていただきました」


 ココは疲れてその場に座り込む私と、私に飲み物を出すクリスを見て言った。

 最初に見たときはわからなかったけど、この人はココさんの関係者なのね。


わたくし、ココお嬢様の執事を務めさせていただいております、ヴァルターと申します。以後お見知りおきを」


 関係者どころか、ココさんの執事だった。


「あの俺たちは……?」


 ヴァルターさんが連れてきた冒険者の声に聞き覚えがあったので、覗いてみるとトーマ達だった。


「エマ?」

「のぞみちゃん!?やっぱり俺たちは結ばれる運命なのか……?」

「それはない。のぞみちゃん久しぶりね」


 トーマを無視してエマと挨拶を交わす。その横でトーマが「俺は無視なのか」と落ち込んでいたけど、知らない。

 マナもなんだか嬉しそうだ。


「皆様はお知り合いだったのですか。お嬢様を助けていただいたお礼をしたいのですが、皆様はお時間はおありでしょうか?」

「私達は大丈夫よ。メイサへ向かう途中だけど」

「俺たち何もしていないけどいいのかな……」


 言われてみればトーマたちは何もしていない。


「構いませんわ。ヴァルターの依頼に答えてくれたのでしょう。ならばその権利はありますわ」

「お嬢様のおっしゃる通りでございます。トーマ様方も是非」

「そういうことなら……」


 こうして私達とトーマ達一行はココのお宅へと招待されることになった。


「……この馬車に護衛はいませんか?」


 そういえば護衛らしき人は見当たらない。ココさんが貴族のお嬢様ならいてもおかしくないのに。


「先程起きた魔物の襲撃により重症を負ってしまいまして……わたくしヴァルターが御者と兼任しているという状況でございます」

「それなら私たちが護衛しましょうか?私達は何もしていませんし、その状態でお礼を受けるのは辞退したいですから……」


 エマの言葉を聞いたトーマは「しなくてもいいじゃない」とでも言いたげな顔をしていた。

 なんでこんな奴(トーマ)がリーダーをしているのか疑問に感じる。エマの方がリーダーに向いていると思うのだけれど……。

 結局、トーマ達『風の悪戯』が護衛を請け負うこととなった。報酬はお金とお宅への招待ということになった。


「そういえばココさんのお宅ってどこなの?」

「メイサですわ。わたくしはココ・リンデルニア。メイサの領主ガルディの娘ですわ」


 領主の娘?


「……ココ様って呼んだほうがいい……のですか?」

「ココ、と呼び捨てで構いませんわ。言葉遣いもですわ」

「じゃあ……ココで」


 年齢を聞いたら16歳で、クリスの1つ上だった。クリスは恐れ多いという事で、「様」付けしようとしたが、ココに「様はやめて」と言われ、「ココさん」で落ち着いた。

 そして3日後。

 私達はメイサへとたどり着いた。



トーマはこういう役割です。



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