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和ロリな少女は異世界を旅する  作者: ほずみ
本編
25/48

27 パーティに入れてもらおう

遅くなりました。

 ミンタカの街を出て四日後の朝、私達はベラトの街についた。

 スムーズに行けば二日で行けるはずの道のりを、四日もかかったのには理由がある。

 今はもう痛みもないが、私の怪我の治療の為に一日、ベラトの街の近くで錬金術の素材採取に熱中してしまい、気がついた時には門が閉じられてしまっていた。

 その為、街の近くの森の中で野営を行い、翌朝まで待ってから街へ入った。


「やっと街に入れた……」

「ごめんなさい……私が熱中してしまったばかりに……」

「いいものがたくさんあったんでしょ?」

「はい」


 最初は申し訳なさそうな表情をしていたが、今はとてもいい顔をしている。

 野営中はクリスに助けられているので、このくらいはどうってことない。


「まずは冒険者協会(ギルド)へ行きましょ」

「そうですね」

「……場所知ってる?」

「いえ……ごめんなさい」


 街の名前は知っていても、来たことないなら知らないよね。

 街往く人に冒険者協会(ギルド)の場所を聞いて、協会ギルドへとやってきた。

 中に入ると視線がこちらに向く。中にはちらっと私を見て、もう一度見る者もいた。


「のぞみさん……見られてますよ?」

「わかってる。この服装のせいよね」


 私の服装はこの世界にはどう考えてもなさそうな物だから、視線が集まって当然と言えば当然ね。

 中の様子はミンタカにある協会ギルドと違い、食事処も併設されていて、とても賑わっている。

 迷宮ダンジョンが近くにあるためか、武器を装備した冒険者の数が多く、今は朝だというのに、ビールのようなお酒を飲んでいる冒険者もいる。

 視線が突き刺さる中、受付まで行く。


「いらっしゃい。要件は?」


 受付はお姉さんではなく、どちらかというとおばさんだった。

 ミンタカの受付嬢とだいぶ違う対応だけど、ここは異世界だから、場所によって教育が違うと考えたほうがよさそう。

 それは置いておいて、要件を伝える。


「私達はミンタカから来たのだけど、途中で倒した魔物の素材や魔石を売りたいの」

「それなら、向こうのカウンターだよ」


 受付が指す方向にはカウンターがあり、そこで品物の売買をしているのが見えた。


「もうひとついい?」

「なんだい?」

迷宮ダンジョンに入りたいのだけど、制限とかってあるの?」


 ランク制限があったら、私達は迷宮ダンジョンに入ることができない。


「ないよ。冒険者登録をしてあれば、ステータスカードの掲示だけで入れるからね」

「わかったわ、ありがとう」

「あんたたちは二人パーティかい?もしそうなら、あんたたちで人数増やすか、パーティメンバー募集している冒険者に入れてもらうかした方がいいよ。二人で行くのは厳しいからね」


 忠告をもらったのでお礼を言って、売買カウンターへ向かう。

 受付のおばさんが伝えておいてくれたのか、買取はスムーズに進んでいった。

 最後にお金を受け取り、無事に終わった。

 となると次は、仲間をどうするか、という問題になる。

 戦闘中の基本的な役割として、私が前に出て攻撃、クリスが魔法で援護となるが、現状ではクリスも前に出てきて戦っている。

 後ろにライラを呼んでおいて、必要になったら援護を頼む形となっている。

 刀であるロミちゃんは私が手に持っているため、人数には入れない方がいいかもしれない。

 ライラは伝説上の存在になってしまっているから、クリス以外にはあまり知られたくない。ライラの事を知っているのは、ミンタカの受付嬢であるリノさんだけとなる。

 ステータスカードは名前やランク等を除き全て非表示にしてある。


「クリス、仲間についてだけど……募集しているパーティを探してみない?」

「そうですね……そうしましょうか」


 依頼板クエストボードとは別に、仲間パーティ募集用の掲示板があった。これはミンタカの協会ギルドにはなかった設備だ。

 その掲示板に貼られた求人の中で、よさそうな求人をみつけた。

 募集は二名で、前衛と後衛が一名ずつ。私は剣も魔法もできるので、私が前衛、クリスが後衛で応募してみることにした。


 ◆


 求人に書いてあった場所に行くと、私と同じくらいの年齢だと思われる少年一人と、少女二人がいた。

 

「すみません、パーティ募集の貼り紙を見て来たのですが……」

「おぉ……女の子が二人も。俺のお嫁さんになっふげっ!」

「違うでしょ!」


 少年は少女にスパーンと頭を叩かれ、崩れ落ちる。

 

「トーマが失礼しました。私はエマ、こっちがマナ。三人パーティを組んでいます」


 自己紹介を済ませ、簡単な面接を行う。

 結論から言ってしまうと、私達は彼らのパーティでお世話になることになった。エマに叩かれたトーマがリーダーで剣士、エマが魔法、マナが弓を使う。


「のぞみさんだったわね。武器は背中に背負っている、その大きな剣であってる?」


 エマさんが剣(刀)を指して聞いた。


「魔法も使えるけど、メインはこっちです」

「そうなの?その剣、見せてもらってもいい?」


 私はいいけれど、これはロミちゃんに聞いてみよう。刀はロミちゃんそのものだから。


『ロミちゃん、どう?』

『いやです!……ですがご主人様がどうしても、というのでしたら……』


 即答だった。だけど、私次第なのね。

 どうしようかと迷っていたら、エマさんが口を開いた。


「見せられないならいいのよ?冒険者の武器は生命線なんだから」

「エマさん、ありがとう」

「エマでいいわよ。それからいつも通りの口調でいいわ。なんだか堅苦しいもの」

「そう?じゃあ、そうさせてもらうね」


 私の次はクリスとなる。


「あなたがクリスさんね。武器は持っていないように見えるけど……」

「杖を持っていますよ。今はしまってありますが……」

「それから食事の準備は任せてって、言っていたけど……」

「私の趣味なんですよ」


 私も食事の準備はクリスに全て任せてしまっている。私がしている事は食材調達と、食器の準備くらい。

 調理中の不思議な光景は……もう見慣れたから驚かない。


 話し合いの結果、戦いの陣営も決まった。私とトーマが前衛、クリス、エマ、マナが後衛となり、前衛の援護をする形になった。

 迷宮ダンジョンへ出撃するのは、明日の朝からということになり、今日はその準備をすることになった。


 迷宮ダンジョンについての基本情報はエマから教えてもらった。

 迷宮ダンジョン入り口の階段を降りた先が第一層となり、階段を降りるごとに第二層、第三層と数字が増えていく。

 階段は常に出現しているわけではなく、どこかにいる階層主を倒せば出現する仕組みであり、出現する場所も何箇所かある中から、ランダムで出現する。

 階層主と階段を探す為の道具は、迷宮羅針盤(ダンジョンコンパス)と言い、迷宮ダンジョン内で簡単に手に入れることができる。

 この道具ダンジョンコンパスは、世界中にあるどの迷宮ダンジョンでも共通して使えるが、外では使用不能になる。それでも冒険者であれば、多くの人が持っている物だそうだ。

 迷宮内から地上へ戻る方法は三つあり、一つは五層ごとにある安全地帯と呼ばれる場所にある、転移魔法陣に乗る事。二つ目は迷宮羅針盤ダンジョンコンパスを使い、上りの階段を探す事。三つ目は迷宮羅針盤ダンジョンコンパスを破壊する事だ。一つ目の方法に限り、第五層の転移魔法陣から再スタートを切ることができるが、二つ目と三つ目は実質最初からやり直しとなる。

 

 迷宮羅針盤ダンジョンコンパス迷宮ダンジョン内で見つかるから除外するとして、薬と食料だ。薬はクリスが錬金術で作ってくれているから問題無い。一番の問題は食料だ。

 私の鞄の中にはコケコや狼の肉がかなり入っているが、傷んでいるのでそろそろ捨てようかと思っている。

 食料をどうしようかと考えていたら、薬を作りながらも説明してくれた。


「のぞみさん、鞄の中にコケコや狼が入っていましたよね?言い方は良くないかもしれませんが、多少食材が傷んでいても、魔力を使っている錬金術なら問題ありません。新鮮なものよりも味が落ちてしまいますが、そのあたりは私の魔力で何とかなりますので」

「……本当に大丈夫なの?それ……」


 ものすごく不安なんだけど……。


「大丈夫です。私を信じてください」


 さんざん錬金術で作られたご飯を食べてきたんだから、今更信じるも何もないよね。

食べ物は傷む前に食べましょう。


のぞみ「……ごめんなさい」

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