22 冒険者協会へ行こう その2
「冒険者登録を行う前に注意事項がございます。よろしいでしょうか」
「はい」
冒険者になると所属が『冒険者協会』となり、国の柵にとらわれることなく動けるようになるが、その代わり、何があっても国は助けてくれない。つまり、生きるも死ぬも自己責任となる。
国の援助を受けるには、冒険者をやめて、どこかの国に所属しなくてはならず、その時まで持っていた冒険者ランクは失効となるうえ、所属するためには高額なお金を払う必要がある。
そのため、一度冒険者になった者が、改めて国に所属することは少ないそうだ。
「ここまではよろしいでしょうか?」
「大丈夫です」
「それでは登録料として、銀貨3枚いただきます」
クリスにお金を出してもらい、支払いを済ませる。
そしてステータスカードを渡して、登録をしてもらった。
「これで登録完了でございます。ステータスカードをお返しいたします」
ステータスカードを返してもらい、内容を確認すると、所属が『プレアデス王国』から『冒険者協会』に変わり、その横に冒険者ランクが追加されていた。
私の冒険者ランクはEランクとなっていた。
「続きまして、冒険者ランクと依頼の説明に参ります」
冒険者ランクには上からS、A、B、C、D、Eの六つのランクがあり、上に行くほど、報酬や待遇が上がっていくシステムだ。ランクを上げるには依頼を達成して、ポイントを稼がなければならず、依頼を失敗すれば、ポイントが減るばかりか、冒険者協会からの信頼も落ちてしまう。
冒険者というものは信用第一の職業のため、あまりに失敗しすぎると仕事が請けられなくなってしまうこともあるらしい。
依頼の受け方は、依頼板に貼られている依頼票を自分で選んで、受付に持っていくか、受付で紹介してもらうかの二種類がある。
依頼票が貼り出される時間は、毎朝日が昇るのと同時であり、当日中新たに貼り出されることは、緊急時を除けば滅多にない。
なお、協会に依頼を発注した場合、その依頼が依頼板に張り出されるのは、翌日の朝となる。
自分で選んだ依頼も、紹介された依頼も、どちらも報酬に大差ないが、受付で紹介してもらったものを達成したほうが、信頼度が上がりやすく、条件のいい依頼を受けられる可能性が高い。
そして、この街の常設依頼として、スライム討伐、ゴブリン討伐があると言う。
常設依頼は街によって変わるので、受付で確認してほしいそうだ。
「これで冒険者についての説明を終わります。何か質問はございますか?」
質問は特に……いや、あった。
「友人とパーティ登録するにはどうしたらいいですか?」
クリスとパーティ登録をしたいからね。
「パーティ登録でしたら、こちらで可能でございます」
「じゃあ、彼女とお願いします」
クリスを呼び、パーティ登録を済ませた。
登録をしてから気になったけど、パーティを作る利点ってなんだろう。
そのことについても聞いてみた。
まず第一に、戦いが楽になる。これは言わなくても分かるわね。
そして、依頼もパーティ単位で受けることができるようになり、討伐依頼を受けた際の魔物討伐数もパーティ単位で共有となる。
これは当たり前のことだけど、パーティ登録していても、個人として依頼も受けることもできる。
「ほかに質問は?」と聞かれたが、特に思いつかなかったので「ない」と答えた。
「申し遅れました、私、冒険者担当のリノと申します。ご用命の際は私にお申し付けください。これからのご活躍、お祈り致しております」
このまま初依頼に向かうことにして、リノさんにちょうど良さそうなものを選んでもらおうかと思ったけど、依頼板の確認もしたかったので、自分で探すことにした。
クリスと一緒に依頼版を眺める。
「私達にできそうな依頼ってあるかな」
「この時間ですと、あまり残っていませんね……」
「……そうね」
残っている依頼を確認すると、郵便物の配達の手伝い、新薬の実験台、ミンタカの森奥地でオーク討伐等、私達にはできそうにないものばかりだった。
その中にひとつだけ残っていたものが目に付いた。
「クリス、これならできるんじゃない?」
その依頼がこれ。
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ホワイトコケコの討伐
討伐数:10匹
期限:3日
ランク制限:なし
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「どう?」
「大丈夫だと思いますよ。実物は見たことありませんが、人懐っこい魔物なので、襲われることはほとんどありません」
ということで、この依頼を受けることにする。
受付にいるリノさんのところに依頼票を持って行き、話を聞く。
「リノさん、この依頼を受けたいんだけど……」
「はい、ホワイトコケコの討伐ですね。それでは依頼票とステータスカードを預からせていただきます」
リノさんは私から依頼票と、ステータスカードを受け取ると、依頼票に受注者である私とクリスの名を書き、受理の印を押した。そして依頼票とカードを私達に返却する。
「この……えっと、ホワイトコケコってどこにいるの?姿もおしえてほしんだけど……」
「この魔物は街をアルニラム山脈方面に出た先にある、森の中に住んでいる大きな白い鳥で、『コケーッ!』と鳴きます。我々人間の姿を見ますとすぐ逃げ出しますので、対策を考えておいた方がよろしいですよ。それから、その森にはゴブリンも出ますので、お気を付けください」
ホワイトコケコって鶏をそのまま大きくしたような感じなのかな。
それに私たちを見ると逃げるのよね……クリスと二人でうまくやらないと大変そうね。
「わかったわ、ありがとう」
リノさんにお礼を言って、協会を後にする。
そのまま東門へ向かい、街を出る。
街を出るとき門番に呼び止められたけど、受理の印が押された依頼票を見せたら、問題なく通過できた。
街に帰ってきた時も、依頼票を見せれば通行料は免除されるそうだ。
東門を出て少し歩くとすぐ森に入った。
「依頼開始ね」
「はい。頑張りましょう」
『ロミちゃんも準備しておいてね』
『はい。ご主人様!』
背負っているロミちゃんに声をかければ、元気な返事が返ってくる。
さぁ、私達の初仕事、頑張ろう!
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