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和ロリな少女は異世界を旅する  作者: ほずみ
本編
11/48

10 採取へ行こう(準備編)

 クリスが錬金術を行っているのアトリエから、爆発音が聞こえた。

 アトリエの扉を乱暴に開け、中にいる家主に向かって叫ぶ。


「クリス!大丈夫!?」


 呼び掛けても返事はない。


「ロミちゃんは剣のままいてね?」


 聞こえているのかどうかわからないけど、ロミちゃんに一声かけてから、アトリエの中にはいる


 中の様子は爆発の影響で、悲惨な状態だった。

 錬金術に使うと思われる、様々な器具ーー形は少し違うが、理科の実験で使いそうな道具だーーが散らばっていた。

 中には割れてしまっているものもあるため、足元に気をつけつつ、家主のクリスを探す。

 クリスはすぐに見つかった。爆発で吹っ飛ばされたのか、床に仰向けで倒れている状態で。


「クリス?」


 返事はないが、一目でわかるような怪我はしていない。

 クリスの頬をぺちぺちと叩く。


「……うぅ……のぞみさん……?」


 クリスの意識が戻り、私はひと安心する。


「そうよ。痛いところはない?」


 クリスはゆっくり起き上がり、軽く体を動かす。


「……大丈夫です。ありがとうございます」


 まずこんな状態になった理由を聞いてみる。

 何を作っていたら、こうなったのか気になるし。


「……で、何を作っていたの?」

「いつも作っている薬なんですが、なにか不純物が混ざっていたらしくて……混ぜていたら、いきなりドカン!と」


 クリスは不思議そうに答えた。


「私には錬金術の事はよくわからないけど、たまには失敗もある。失敗しない人間なんていないから……」

「そうですよね……のぞみさん、ありがとうございます」

「どういたしまして」


 クリスは元気が出たらしく、せっせと片付けを始めた。私も手伝おうとしたけれど、「片付けも錬金術の修行の一部なので……」と断られてしまった。


 片付けが終わり、今後どうしようか、と考えていたら、クリスから「森へ行こう」とお誘いを受けた。

 なんでも、爆発のせいで素材の大半が使えなくなってしまったそうだ。

 アトリエ自体は森の中にあり、クリスの作る回復薬ポーションの材料も付近で採れるため、素材に困ることはない。


「私も行っていいの?」

「はい。私1人よりものぞみさんと一緒の方がいいですから」


 私はすぐに了承した。

 機会があれば、剣を試し切りしたかったし……。


「その前に、のぞみさんの衣服を何とかしましょう。あちこち裂けてますし……」

「うん……そうね……」


 この世界に来てすぐ、枝や葉っぱに引っかけて、ボロボロにしたからね。

 ちなみにボロボロになっているのは服だけであり、下着類は無事だ。

 初めての異世界人が私と同じ女性でよかった。悪い人間だったら……って、考えちゃダメよね。

 

「森にはゴブリンがいますからね。ゴブリンが今ののぞみさんをみたら、鼻息荒くして襲ってきますよ」


 それは困る。私の異世界生活はゴブリン漬けとか最悪。


「そうならないために、私の衣服を貸します」


 クリスがタンスから衣服を取り出し、私に差し出す。


「広げてもいい?」

「はい」


 それを受け取り、衣服を広げた。


「…………」


 それはどうみてもメイド服だった。ただし、やたら胸を強調したデザインの。

 大きい人が身につけたら、よく似合うだろう。

 ……私?普通だから。


「言っておきますが、私の師匠の趣味です。私の趣味ではありません。のぞみさんに着てもらったら、似合うと思っただけです」


 師匠の趣味だと必死になって言っているけど、最後の言葉はいらないと思うよ、クリスさん。

 だけど、ボロボロの衣服を身につけているよりはいいので、そのメイド服に着替える。


「……似合ってますよ、のぞみさん」


 着替えて姿を見せたら、似合うと言ってくれたけれど……クリスが私の胸を見て、残念そうな顔になったのは見逃さなかった。

 クリスの服装はというと、森の中で初めて出会った時と同じような衣服を身につけている。


「……クリス……私、本当にこの服装で行くの?」

「今回は近場で済ませるので、大丈夫です。それにこのあたりのゴブリンは単独でいることが多いですから……なにかあっても対処できますよ」


 ゴブリンが出てきたとしても、私には剣があるからいいけれど、クリスはなにか持っているのだろうか。

 ちなみにゴブリンに捕まってしまったら、死ぬか助けられるまでゴブリンを産み続けることになる。という話をクリスから聞かされた。


「私はロミちゃんがいるけど、クリスは何かないの?」

「私ですか?これとナイフで何とかしますよ」


 クリスはアトリエに立て掛けてあった、長い棒を持ってきていた。

 具体的には、これで殴って動きを鈍らせ、ナイフで刺し殺すそうだ。

 杖を見ているから、魔法でも使うのかと思っていた。


「それから、無事だった回復薬ポーションが3本あったので、持っていきます。怪我する可能性もありますからね」


 無事だったポーションがあったのね。


「のぞみさんが2本持っていてください。私は1本あれば大丈夫ですから……」

「え?でも……」


 クリスが持っていた回復薬ポーションであって、私の物ではない。


「大丈夫ですよ。材料さえあれば、また作れますから。それはのぞみさんにあげます」

「……それじゃ、貰うね」


 回復薬ポーションを受け取り、それらを鞄にしまい込む。


「それでは、行きましょうか」


 私とクリスは森の中へと進んだ。

 

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