00 プロローグ
プロローグです。
今更とか言わないでください。
日本のとある高校。
午後の授業の終わりを知らせるチャイムが校内に鳴り響く。
各クラスが短いホームルームを行い、それが終わると部活へ急ぐ生徒、生徒会の仕事へ向かう生徒、帰宅する生徒の三種類に別れる。
この学校の部活動は任意となっているが、なにかしらの部活に入部している生徒の数は、全校生徒の4分の3に及ぶ。
そんな中、帰宅の準備をする1人の女子生徒がいる。
身長は155センチ程であり、髪の毛は艶のあるロングヘア。可愛いと評される程度に整った顔立ちをしている。
体つきは普通だが、ある一部が残念……控えめだ。
彼女は柊のぞみと言い、17歳の高校2年生。
「くしゅん!」
「のぞみ、大丈夫?」
「大丈夫よ……ありがとう」
声をかけてきた女子生徒に「大丈夫」と伝え、荷物を持って席を立つ。
そして廊下へ出る。
「のぞみ姉様~!!」
私の名前を呼びながら走ってくるの生徒は私の親戚の少女で、名前は柊みずほと言う。
詳しい理由は聞いたことないのだが、私のことを『姉様』と呼び慕ってくれている。年齢は私より一つ下の16歳。
親戚というけれど、家が近所なのでよく遊びに来ては、私にお世話を焼いてくれる。
ちなみに私の両親は家にいないことが多く、私は家事がほとんどできない。この家の家事は誰がやっているのか、それを一手に引き受けているのが彼女だ。
このため、私が家事をすることがなく、いつまでたっても覚えることができない。
そんな彼女は少々……いや、だいぶ激しい。
「きゃあっ!?」
……特にスキンシップが。
今日も私に向かってダイブを決めてきた。
「今日ののぞみ姉様もいい香りですわー」
私の首筋に顔を近づけ、スンスンと匂いを嗅ぐ。
毎日ではないが、時々こういう事をするのだ。
最後の授業が体育の時に限って。
ちなみに私の体育の成績は真ん中らへんであり、強いて言えば走るのが少し速い程度だ。
「やめなさいっ!」
「いだっ!」
みずほの頭に軽いチョップを下す。
「うー……」
「そんな顔しないの。今日も家に来るんでしょ?」
「もちろんですわ!」
みずほは私の家に着くなり、お風呂の準備を始める。
お風呂が沸き次第、私をお風呂に閉じ込め、その間に家の片付け、買ってきた材料を使って、夕食の準備ををする。
夕食の準備といっても、私がお風呂から出てから一緒に食べるので、火を通せば出来上がりの状態間でとなる。
それらが終わると、私にとっては地獄の時間が始まる。
その理由は、家事を引き受けた条件にある。その条件とは『私と一緒にお風呂に入ること』だ。
「のぞみ姉様、失礼しますわー!」
みずほがお風呂に乱入してきた。当たり前のように全裸で。
親戚だけあって身長はさほど変わらないが、とある一箇所だけ違う。控えめな私とは違い、みずほは大きい。どこがとは言わないが、16歳の平均以上の大きさは確実にある。
そんなみずほと『一緒に入浴する』ということはこうなる。
「……のぞみ姉様も素敵ですわ。小ぶりで可愛らしくて……」
「…………」
私は明日から大豆を食べようと心に決めた。
「では……のぞみお姉様」
「……はぁ……わかったわよ……」
思わずため息が漏れてしまったが、この後のことを考えればしょうがない。
これからみずほに全身くまなく、隅から隅まで洗われるのだ。
「それでは失礼しますの」
今日は何回チョップを下すことになるのか、と考えながらみずほに身を任せるのだった。
結果、みずほにチョップを下した回数は8回となった。
何をしてきたのかは言わないでおく。
「……今日もお姉様を堪能できなかったのですの……」
なにか聞こえたが無視することにした。
みずほは自分の衣類と、私の衣類を洗濯機に放り込み、スイッチを入れる。
その音を背にしながら、私とみずほは晩御飯を食べ、明日の予定について話をした。
明日は2人で服を買いに隣町のショッピングモールへ行くことになり、朝9時にみずほが私の家に迎えに来る事になった。
しかし、この約束は果たされる事はない。
この日の夜中、のぞみの身に起きる不思議な現象の事など、彼女達はまだ知らない。
みずほがのぞみに何をしたかは描写しません。
描写するなら他の場所で書きます。
このプロローグの投稿に伴い、『第31話 クリアボーナスを貰おう』の内容を調整しました。