玲次≪レイジ≫
二千三百二十年______かつて地球は突然変異により悪魔と天使が頻繁に出てくるようになった。
悪魔と天使の掃除するのが大変で暗殺者≪アサシン≫がも増え始める。
中でもトップクラスを競うのは玲次≪レイジ≫と呼ばれる人物だ。
昔ながらの武器を使う。それは大剣と二丁拳銃だ。
彼の服装は目立つ赤と黒の服装だ。
そんな彼にはギャレッドという男に実験台にされたという。親友とともに。
玲次≪レイジ≫という名は本当の名前ではない。
実験台にされた時間がちょうど零時だったのをもじって与えられた名である。
親友も同じように刀の名で風薙≪かざなぎ≫という名だ。
ギャレッドによりどちらかが生き残るかという実験で玲次≪レイジ≫は親友を
殺してしまったのだった。
彼の首には生々しい実験の装置がついている。生き残った玲次≪レイジ≫は怒りで
ギャレッドを倒した。彼に残ったものは何もない。何も______!
その装置は力を産み出し、硬い体を作り上げた。
死ににくいし、強力な腕力。それを兼ねそろえていれば何よりも強い。
依頼が入ったようだ。右腕にある依頼報告書≪アサシン・レポート≫が反応した。光と振動で
教えてくれる。
依頼者の名は前島という男だった。日本人のようだ。
東京に悪魔出没の依頼が入ったのだ。
確認の電話を入れる。最近いたずらな依頼が多いのだ。右腕についてるのはスマホのような
機能も兼ねそろえている。
「前島さんか? 報酬はいくらだ?」
「気が早いな…、アサシン君」
「アサシンっていうぐらいだから。俺のことは知らないだろうな」
「そんな躊躇≪ちゅうちょ≫にされては困る。早く来てくれ!!」
「だから!! 報酬はいくらだ?!」
「金がそんなに好きなら倒してみろ! 悪魔どもを! 話はそれからだ!!」
「ツー…、ツー…」
「チェッ」
通話は切れてしまった。左手の真ん中の指にはめてある指輪を地面にかざす。
すると真っ赤なバイクが現れた。ゴーグルをつけて急発進した。
幸いなことに日本在中だった。ここ最近悪魔や天使は日本中心だった。
しかも東京…。
海外も出るが、少ない。世界各地というのもあるがほとんど日本が中心だ。
何故かわからない。親玉が日本にいるのかもしれない。
東京に着くと二十匹といったところか?
建物にしがみつくモノや地上で暴れてるものが多数だった。
トカゲがでかくなったモノなのが皮膚は縫って合ってカラフルな色をしていた。
だが縫い方が悪くて変な汁が出ていた。
「「キャーーーー!!」」
「「助けてくれ!!」」
人々は戸惑い逃げ回っていった。
まさに一人の女性が襲われそうになっている。
玲次≪レイジ≫は腰から二丁拳銃を取り出し、獲物を狙う感じの目で睨んでいた。
銃から放たれた弾は悪魔の急所すべてを打ち抜く。
悪魔だったモノは縮みパァンッと効果音を付けながら変な汁をはじき出し死んだ。
女性は変な汁をかぶり震えていた。
玲次≪レイジ≫はそんな女性に眼もくれず他の獲物を狙いを定めた。
今度は車を破壊してる悪魔を背中にある大剣で一撃で仕留めた。
遠くで持ち主の男が「俺の車が~!!!」ッと叫ぶのを聞くが、無視する。
高いビルによじ登る悪魔達を一掃するが先かまたは
地上にいるやつが先かとりあえずビルによじ登る方が先のようだ。
ガラスが降って怪我人がでないようにするためでもある。
街は騒然になっている。他のアサシンたちも来て玲次≪レイジ≫はイラつく。
全部が俺の獲物だ、そう思っていたからだ。
上の獲物たちは銃が効かないようだ。
「厄介≪やっかい≫だ!!」
全速力で登りぶった切る。
変な汁をばらまいた。
下の獲物のほうが弱いが、力が強い。
玲次≪レイジ≫のほうが強いのは一目瞭然≪いちもくりょうぜん≫。
ビルを全速力で下ると三匹固まっていたので胴を真っ二つに斬った。
カウンタを見ると十五匹だった。
「あと五匹か…」
一匹逃した。いきなりの逃亡。
残りは逃すわけにはいかない。
玲次≪レイジ≫はふと思う。なぜこんなに東京に出るのか?っと__________
ふと目に入ったのは二人組の男だった。
こんな状態なのに二人仲良くおしゃべりしながらドーナツ食べている。
もう一人の男は嫌々しているように見える。
異様…。その二文字。
一人の男は黒髪にピンクの髪を半分にして分けている。
もう一人は金髪の髪で巻き巻きにしてある。
何かを抱えて…、ドーナツクッションだった。
何かひっかかる。
試しに大剣を向ける。
「お前ら危ないぞ!!」
「うわぁ本当だ! 気づかなかった!!」
明らかに棒読みだった。黒髪にピンク色の髪の男が言った。ふっと笑った。
やはり…。こいつはただモノではない。
「僕らを邪魔すると殺すよ?」
「何者だ?」
「答えるほどでもないね。そこ邪魔。どいてよ」
「答えるまでどかない!!」
彼の金色の目が獣の目になった。
威圧感≪いあつかん≫からか汗が知らず知らずでてきた。
やはり異様。海外の人間ではないようだ。
日本語を話す。
「どけよ、弱者≪じゃくしゃ≫が!!」
「弱者かどうか試してみればわかる!!」
「ほう」
手をかざすと死神の鎌が現れた。
大剣と同じぐらいありそうな死神の鎌だ。
「ルシ! よせ!」
「黙っててよ!」
名はわかった。だが、力はどれほどのものか?
玲次≪レイジ≫は思った。
なんにしても悪魔に飽き飽きしていたところだった。
金も必要だが、闘争心が勝っていた。
先に動いたのはルシという男だった。
玲次≪レイジ≫は大剣で防いだ。だかその力ははるかに強い。
押されている? この俺が? 馬鹿な?!
二丁拳銃で撃つもあしらわれてしまう。
この男、ただ者ではない。死神なのか?
死神がどうして邪魔をするのか?
疑問ばかり浮かぶ。
「お前、何者だ?」
「先に名乗るきないの?」
「玲次≪レイジ≫」
「俺はルシ。魔王だ…、あっ言っちゃった…。てへ」
「魔王だと?! 親玉か!!」
大剣を振りかざし頭からたたき斬ろうとするが指二本で止められてしまう。
何て力だ?!大剣が全く動かない?そう思った。
「なぜ東京に悪魔を放つ?」
「君に質問される筋合いはないね、行こう、ミカエ」
「あ、ああ」
「待て! ミカエも悪魔なのか?」
「だから君に質問される筋合いはない!!」
鎌で振り払う。動かない剣は捨て自分の命を守った。
銃で応戦するも簡単に受け止めてしまう。
「くそ!」
「早く帰ろう、ルシ!」
「わかったよ」
ミカエににっこり笑うと手をつなぎふわりと消えた。
その場には何も残らない。
悪魔たちも消えていた。
何が目的かさっぱりわからない。
その時だった。電話がかかってきた。前島からだった。
「掃除は終わったようだな?」
「ああ」
「報酬は三百万だ」
「了解、今送った番号に振り込みしろ! しない場合はお宅まで尋ねるからな」
「あ、ああ。わかった!」
電話はぷつんと切れ、すぐに金が振り込まれたようだ。
玲次は喜び店に向かう。玲次の栄養源を求めて…。
にやにや顔が止まらないようだ。
店につくと専用のジュースボトルがあるのだがいろんなジュースが売っている。
店員はロボットで正確に動いてくれる。
レジでウロウロしていたロボットに声をかける。
さっきの騒動で人が少なかったため店がすっからかんだった。
玲次は元気よく大きな声で言った。
「オレンジジュース六個くれ!!」
「カシコマリマシタ。二万円ニナリマス。」
「はい」
スマホで支払った。
コストがかかる店だが、人気がある。人は店長一人だ。
何かあってもロボットを直し、またある時はアサシンを呼んだりもする。
配置は完璧だがあんな事件があると店のガラスは割れる。
ガラスといっても強化ガラスで何重も重ねてあっても悪魔の馬鹿力のせいで
壊れてしまうのだ。
玲次は嬉しそうに抱えていた五百ミリリットルのジュースをバイクを現わさせて
横のボトルセットに入れて一つは飲んでいた。
「うめぇー!! オレンジジュース、最高!!」
一人で騒いでいた。淋しくはないだろうかと不安になります。
壊れたビルのガラスなどはすべて地面からぬるりと現れたロボットが
直すという仕組みになっている。
小さい面積で開くので何の外傷もない。たまに通行人がこけるが。
「なんで悪魔は東京を襲う? なぜ? そういえばあいつ、ドーナツ食ってたな」
ドーナツ好きなのかな?っとまさかと思うがドーナツ買いに来てるのかな?っと
思う。見た感じ十個ぐらい買ってたしな。といろいろ考えて自前の剣が奪われたことに気づいた。
新調しなければとどこかへ電話した。
バイクで寝ているとロボット・ホース二匹連れた馬車が来た。
少女と少年がいた。手をつないで。
「「お兄さん、いらっしゃい!! また何かなくなったのかな?」」
双子の兄妹だ。昔からの仲だ。
成長しない双子の兄妹なのだ。親はとっくに死んだ。
玲次がたまに相手している。なんというか武器商人だった。
「いつもの弾丸くれ、あと魔王対応の武器はあるか?」
「いつもの弾丸はあるよ。でも魔王対応はないよ」
「ですよねー。んじゃ強力な弾丸はあるか?」
「あ、それならあるよ。これ」
「これくれまけてくれ、頼む。これ一本やるから」
「「僕ら兄さんが飲むオレンジジュースで動いてないの」」
「あーそうだった! 一本、とられた!」
「「とられてないよ」」
「お前ら、相変わらずまじめだな」
「剣あるか?」
「「あるよ」」
渡されたのは頑丈だがしなる。折れない。
切れ味は最高だ。兄妹がいうには持ち主が
決まると持ち主に従う。
豪華な飾りはついてない、普通に見える。重さはあるが玲次にはなんもない。
「どうやって持ち主になるんだ?」
「「指紋認証だよ」」
「そんだけ?」
「「そんだけ!!」」
「サンキュー。はい、お金」
「「毎度あり」」
そうして馬車は帰っていった。
次に悪魔が現れたのは十日だった。
都会はすっかり元に戻ったが、人々はすっかりおびえている。
これを終わらせる方法が一つだけあった。
それは・・・・
またいつものように悪魔をせっせと倒していると
またあの二人組だった。
ドーナツを食べていた。
ミカエは食べてないようだ。ぎゅっと大事に
ドーナツクッションを抱きしめていた。
「おい!」
「なーに? また君なの? 何の用?」
「これやる!」
玲次はオレンジジュースを放り投げた。
がっしり受け取るとルシは答える。
「何? このオレンジ色の液体は?」
「オレンジジュースだ。それならドーナツにあうぞ」
「・・・。毒でも入ってるんじゃないよね?」
「入ってない! 俺の大好物だからな」
「ふーん」
キャップを開けドーナツが入った口にオレンジジュースを入れる。
「これは・・・おいしい! 確かにおいしい。ありがとう、玲次」
「どういたしまして、それで相談なんだが、もう東京に悪魔を放つのをやめてくれないか?」
「えー? どうしようかな?」
「頼む!」
「仕方ないな・・・、だが条件を一つ飲んでもらう」
「なんだ?」
「ドーナツをもってきてくれたらやめてもいいよ。でもなあいつら勝手に動いてるからな」
「そうか。ルシのせいじゃないんだな?」
「あー、うん」
「まぁ金はいくらでもあるドーナツは持っていく。魔界はどこにあるんだ?」
それはねっと人差し指を立てて地下っと答えた。
いかにもじめじめしていそうだ。
「ミカエもそこに?」
「いや、ミカエ・・・、ミカエルは大天使で痔持ちだ」
「え? 痔持ち? 大天使?」
「こら! ルシ・・・ルシフェル! 言うな!恥ずかしいだろう?」
「なんで仲がいいんだ? 普通仲が悪いだろう?」
「それがドーナツクッションみたいなものをながしていて知り合った」
「ルシフェルはドーナツをたべていてこいつなら知ってるかなっと思って話しているうちに仲良くなったんだ」
「なるほど」
そうして三人は仲良くなった。
玲次はたまに二人の館へ訪れては話し、悪魔が街で暴れているのを止めに行ったりしていった。
ルシフェルは同じ同胞が死んでも何も思わないようだ。
ルシフェルは言ったやつが悪いと自己責任で行けとそういう感じだ。
そんなわけでこの物語は終わったのである。
END…