4:お宝ゲット(不謹慎)
ちょっと落ち着こう、深呼吸やね、先人の知恵やね。
明るくなってきたなあ。
あれ!なんか自分の色が黒くなってるような気がする。うーん。
まあ、とりあえず探検しよか。
灯潮は洞窟内におっかなびっくり入っていく。
饐えたような匂いは少しづつ強くなる。
しかし物音や生き物の気配はないようだ。
灯潮は自分が全く幽霊を信じていないことに感謝していた。
そこに、白骨っぽい死体があった。
ミイラ以上骸骨未満かな。
薄暗い中近付いて行く。シャツ?は劣化してボロボロで雑巾にもならないようすだが、革の鎧のようなものと剣か何か、ズボンはどうか?リュックというか背嚢?ポーチ?所持品と思われるものがいくつか散らばっていた。
よっしゃよっしゃよっしゃ、
ニコニコしながら灯潮はそれらを集め、ブーツや使えそうなものを死体から剥ぎ取った。
「南無阿弥陀仏、でええのんかな」
軽く手を合わせ拝んでみる。地獄があるとかいうてたし、じょうぶつしてな。いや、ここは異世界やからちゃうんかな。ま、ええか。
割と重たい荷物をすべて持つと、洞窟の入口付近に取って返す。
これだけ長い間、恐らく数ヶ月、人が来なかった以上ここはあまり危険がないのか、とやや楽観的になっている。
荷物を広げてみた。
・ペラペラ毛布?1.2m×1.8m位。濃いグレー。僅かに臭い。リュックの中。
・干し肉?200g位。真っ黒。カチカチ。塩が析出?
・なんかパンみたいなもの。カッチカチ。2ヶ。
・小袋に入った塩?(毒だと嫌だからまだ舐めてない)
・お金っぽいもの。硬貨が20枚位。3種類あった。
・革の胸当て・篭手・臑当・鉢巻みたいなもの(割ときれい、劣化少ない、どうも手を切って破傷風か出血多量で死んだようだ。右手の辺に出血の跡があった)
・剣 刃渡り70cm位。片刃。日本刀?ちょっとごつい。
・ナイフ めっちゃ使い込んでいる。刃渡り15cm位柄は骨?
・鉄板の付いた木の板。もしかして盾?イカツイちゃちい。A3くらいの大きさ。五角形。
・やけにきれいな棒 ペン?木に金属で唐草模様のような飾り。なんか石が入ってる。20cm位
・布 チョロチョロ
・紐 幾つか
・袋 ずた・小・麻?何種類か
・火打ち石?針金?革の水筒?鍋?その他細々
そしてカード
薄い鉄板。ドッグタグみたい。革紐がついてる。
日本語で書かれていた。
しかも変体仮名だ。
こいてふ 四級
びわけん ふらいむら
ちょ~~!
和風ですか~~!
なんか意味わかりにくいけど!
それともあれか、異世界補正で勝手に翻訳されているというやつか?
もしかして超未来とか……か?
とりあえず日本語にしか見えない。ていうか変体仮名ってどうよ、たまたま昔あったお好み屋の看板にあったから「こ」のじ字が読めたけど、わかってよかったけど。
読了ありがとうございます。