2:白いところです
まぶしっ!
……。
あれ?
ここはどこや?
っていうか全裸ですか!
何で、っていうかちょっ社会人としての立場は(なんて大したものでもないけど)、というか病院?えら い白いけど、まじで(本気と書いて)どこやここ?
っていうか何もない、白すぎ、、、ちょっと目が慣れてきたか。
あ、誰か居る。
いやいや全裸やしどうなん、女の人やったらやばい、いや男の人でもやばい、幼女やったら事案、いや少年でも誰でも事案やん、
「わかった、わかったからそんな高速で意味のないこと考えんでもええねん、わし神様やねん」
あれ、さっきの誰かが目の前におる、どんな高速移動やねん、吉本でも
「いやわかったから」
うっいやいや心読まれてるやん俺なんにも喋ってへんし怖って神様ってなんやねんとりあえず股間隠さんと、男の場合おっぱいはどうなんやろ失礼なんやろかいや
「もうええっちゅうねん!、思わず突っ込んでもうたやないか、ていうかわしまでなんでか関西弁やし伝染ってしもとるなまええわさっさと巻いていこか」
うわ業界用語やで人口に膾炙しとるな、さすが神様って良うわからんわ
「……ごほん。汝金桂灯潮は交通事故で死んだのじゃ。」
「……やっぱりそうですか。」あかんマジモードやごまかされへんもんやなあ。
「そらそうやろ、わしも忙しいさか……ゴホン。我も忙しい身ゆえ汝への説明を進行いたす」
「説明ですか?」
「そうだ。」
これはあれか、なんか漫画で見たけど、異世界転生とか時の部屋的な何かで、神さんかなんか絶対的存在みたいなものに転移か転生かなんかさせられる言うやつか。
「話が早いの。その通りじゃ」
うわっやっぱり。んでも「どうして僕なんでしょうか」なんかいいことでもしたかな。蜘蛛の糸的なこととか。あんまり記憶に無いけど。
「それは今は言わぬよ。いづれわかることじゃ。」
「うわっひっぱるなー、そんなんさっさと言えばいいのに」
「言葉に出ておるぞ、もうちょっと敬意をはらうが良い」
はっそうやな下手に出とかんとえらいハードモードになったら目も当てられへんはずや、っていうか心読まれてるのに失礼もないような気がするわ。
「そこは魚心あれば水心と言うやつじゃよ。」
……「転生、するんでしょうか?」
「そうじゃな、汝の言葉で言うと転移に近いかのう。転生は時間画を戻すことにもなるので必要なリソースが莫大になるのじゃよ」
「なるほど。ということは外観はこのままですか?」うーん。せっかくだからもてたい。ていうか、どんなとこなんやろ。
「まあ、外観は多少調整は入るじゃろうが大体はそのままじゃよ。ちなみにあちらは汝の言うファンタジーの世界じゃな。」
「ファンタジーっていうと、あの、剣士とか魔法とか女騎士とか幼女魔法使いとかツンデレケモミミとかダークエルフとか」
「大分偏っているような気がするがまあそうじゃ。とりあえず行って即死するようなことはないようにはしておいてやるぞ」
「いや、もうちょっと特典とか無いんでしょうか?」
「ああ、汝が選ばれた理由の一つに魔法適正というのがあってのう。」
「あ、魔法が使えるんですか、それは嬉しいです」
「汝の名前は金桂灯潮。ここにすべての属性が含まれて居るでの。」
「へ?よくわかりませんが……」
「それもおいおいわかるじゃろ」
不親切やなあ……
「だから!時間が無いんやって!ほら、汝の後ろの裂け目がだいぶ閉じてきておるじゃろ。
「え!」
なんかもやもやした黒っぽい切れ目があるなあ。ドドメ色のあれを大国町のあれを思い出すなあ。
「ほらさっさと行くんじゃよ、病気とか言葉とか大丈夫じゃから安心せい、早く入らねば閉じてしまって輪廻に戻って地獄行きじゃぞ」
「え、何ですかそれ?」
「日本人は地獄の概念を細かく規定しすぎて、生まれたての赤ん坊以外ほとんどとりあえず地獄にかねばならんのじゃよ。だから逆にそんなに悪いところでもないとは言えるが、そのほうがいいかのう?」
「いえ!行きます!最後にひつだけ、オカンに宜しく伝えてもらえませんか。」
「ああ、一度くらいなら意識だけ繋いでやれると思うぞ。その時はまた声をかけよう」
「ありがとうございます!あぁぁぁぁぁ!いってきますぅぅぅぅ!!!」
俺は真っ黒な奈落に吸い込まれていく
読了ありがとうございます。
次回更新 7/5 PM10:00予定