決壊!ココロの壁
待て待て待て、一旦落ち着こう。
えっとつまり、和樹は杏菜のことがす、すすす好き……な、訳? で、杏菜にこっ、こここ告白……するってこと?
待って待って、え?
「い、いつから好きだったの……?」
「……小1ん時から」
「うえっ、一目惚れってこと……?」
「っ、……そうだよ」
うわあ。聞かなきゃ良かった。なんか、色んな物が込み上げて来てる。
「そんで、さ。お前に相談したいことが……」
「っ、あのっ! さ、ごめん。今日は帰ってくれない? 明日、また来てよ。話聞くから」
「? 分かった。じゃ、また明日」
トタタタタ……。軽快な音が耳の奥で響く。
また明日。またあした。マタアシタ。明日、会うわなきゃいけないんだな。……涙が出てきた。こんなのあんまりだよ。遠距離恋愛で、さらに親友のことが好き? 設定盛りすぎだよ…。
「和樹くん帰ったわよー? 見送らなくていいの?」
「……いいよ。いらない」
「そう」
……涙が流れてきた。おかしいな。死にたいかもな。もうだめだな。なんかもう学校行きたくない。
1人の男のヒトの事だけでこんなになっちゃうんだ。やだな、こんな自分嫌い。
汚いな。私。
朝。起きる。着替える。歯を磨く。ご飯を食べる。普通に出来ちゃう。熱もない。休む理由もない。頭が痛い気がするな。吐きそうな気もするな。目眩がするかも。……でも、学校行かなきゃ。
「心ー! っおっはよ!」
元気だな。耳に痛い声。
「……あん、な」
おはよー! そう言えたらどれだけ楽だろう。
「? 杏菜だよ? どうしたの? 具合悪い?」
優しいなあ。ごめんね。
「っ、何もない。ごめん、先行ってて?」
お願い。これ以上一緒にいたら駄目。だから……。
「……今日変だよ? いつもの心らしくな……」
……ぷちん。あ、だめ。
「うるっさいな! 先行っててって言ってんじゃん!!!」
「なんなの!? もうやめてよ! これ以上……」
「心? えっと、あのね」
「止めて!!! 杏菜なんか……」
言っちゃだめ。
全部壊れちゃう。
杏菜に嫌われる。
和樹にも。
我慢して。
でも
もう
無理みたい。
「大嫌い!!!!!」