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プロローグ
当たり前の日常。
その大切さを今、僕は知った。僕の目の前には燃え盛る業火と倒れている人がいて、そしてその中心では姉が叫んでいる。いや暴れているという方が正しいだろう。不謹慎にも炎の中で踊り狂う姉を美しいと思ってしまった。
僕は頭を振り何度も考えたことを再び悩む。ここでの決断はいずれ自分を苦しめるだろう。姉の思いもおそらく僕は忘れてしまう…。
それでも僕は諦めない。明日の自分を信じよう。そう思うと心が楽になった。朦朧とする頭がスッキリした気がした。
僕は涙をこらえながら僕を掴む姉の手を振り払い剣を振るう。悲しい思いもないわけじゃない。この悲しみにまっさらな自分が耐えられるかも分からない。でも成功したら何と清々しいことか。全ては大切なあの人のために…。いつかまた当たり前の日常を送るために。
それを境にその少年の意識は途絶えた。五年後、少年の物語は進み始める。
初投稿です。次の更新は明日予定です。おそらく内容とあらすじがずれぢゃうかもしれません。これから長いプロローグが始まるので是非読んでみてください。