カナエとの再会(?)
ちょっとテスト期間に入りかなり忙しいので、投稿を毎日18時のみにさせていただきます。
あと、ストックも徐々に減っていってますし。
前作の再投稿版の作成もありますので、ご了承いただけたら嬉しいですm(_ _)m
私は夢を見ていた。
幸せな、でも、絶対に訪れることのない未来。
リリアーナとラクトの結婚式を、私とリョーマが祝福するという、まるで私の望みを体現しているかのような夢だった。
リョーマの横ではしゃぐ私には、これが夢だという意識がある。
でも、いや、だからこそ、私は今この瞬間の幸せを精一杯楽しもうと、人一倍にはしゃいでいた。
ラクトとリョーマが驚いて、呆れたような表情を浮かべているのが目に入る。
リリアーナも、普段とは違う私の様子に、苦笑しているようだった。
でも、別に今だけはいいじゃない、と私は開き直り、必死になって2人を祝福する。
でも、そんな幸せな光景は
パッと突然、泡のように消え去ってしまった。
私はそれを見て、驚くでもなく、悲しむでもなく、ただただため息をつく。
それは、これがいつもの事だからだ。
ありえることの無い、幸せな夢を見て、現実に引き戻されて、どうしようもない感情になる。
そんな、止めようのない無限ループ。
私はそれを嬉しく思いながら、同時に途方もない空虚さも味わっていた。
でも、今回は少し違った。
私が目を開くと、そこにはラクトとリリアーナの姿があったのだ。
つまり、これは夢が覚めたように見せかけた、二連続の夢ということだ。
こんな事は今までに一度もなかったので、私は少し驚いて、普段なら思いつかないことを考えてしまう。
それは、「折角の夢なんだし、ラクトに甘えてやろう」ということだ。
実際にやってしまったらリリアーナに殺されてしまうだろうが、これは夢。
だから問題は無い。
私はそう、うまく働かない頭で考えて、無意識にラクトに抱きつく。
そして、そのリアルな感触と暖かさを体に感じながら、そのまま…ゆっくりと………睡魔に襲われて……………
△
▽
△
待て待て待て待て待て待て!
これはどういうことだ!
俺は、突然カナエが起こした行動に、頭が真っ白になって硬直する。
俺の体には、下着姿のカナエがぎゅっと抱きしめるように絡み付いていた。
寝ぼけた声で「むにゃ……ラクト……」と呟くカナエに、俺は興奮するより先に、恐怖を覚えてしまった。
何に対してかって?
後ろにいる我が恋人にだよ!
「………ラクト」
俺が恐怖に怯えていると、後ろにいるリリに短く名前を呼ばれ、俺はビクッと体を震わせて、恐る恐るというように振り返る。
別に俺は、リリの怒る姿が怖いと言っている訳では無い。
童顔のリリが怒った顔を作っても、ただ可愛いという感想しか湧いてこないからだ。
だから、俺が恐れているのはリリが怒ることではなく
「うるうる」
………今のように、悲しい表情を浮かべられることなのだ。
「ちょっ、待ってくれリリ!」
「ううん、いいの、ラクト、私は別に、2番目でも……」
「違う!違うぞリリ!お前は今とんでもない勘違いをしている!」
「私、帰った方がいいかな?」
「よくない!よくないから!俺が好きなのはリリだけだから!」
俺が無我夢中でそう言うと、リリが先程までの表情を一変、ふにゃっとした笑顔を浮かべる。
「そっかぁ、ラクトが好きなのは私だけかぁ。ふふっ」
「あ、リリ、俺をはめやがったな!」
「ふふっ、私だってこの1年で何も成長しなかった訳じゃないんだからね?この、ラクトのいない……1年で…………うぅっ」
「思い出し泣きをするな!」
……なんかとんでもなくカオスな事になったんだが。
リリに変な勘違いをされなかったのは幸いだが、うまく誘導されてしまった。
まあ、別にリリを好きと言うくらいなら、何回だって言っても構わないのだが。
「それより、この状況をどうするべきか……」
俺はため息をついた後、改めて現状を確認する。
部屋に入って固まった瞬間に、カナエが俺に抱きついてそのまま熟睡。
呆然としたリリが俺を誘導して好きと言わせた後、思い出し泣きで号泣、と。
………うん、なんだこれ。
「はぁ、まずはカナエを起こさないと始まらないか」
俺は今日何度目かわからないため息をついた後、カナエを起こすことに決める。
ちょうどその時。
コツン、コツンと階段を上る音が聞こえ、リョーマが部屋を覗いてきた。
「師匠ー、どうしたんすか?ってこの状きょ「見るな変態、『水の矢』」ぎゃあ!僕の目がぁ!痛いっすよ!僕が何をしたと!?」
俺が反射的に目潰しの水魔法を放つと、リョーマは目を抑えて辛そうに悶えてしまった。
うん、ごめんな、リョーマ。
ただ、女性の下着姿を見ようとするのはダメだぞ?
え?俺?
俺のは事故だから不問にしてもらえると助かります。
「おーい!カナエー!起きろー!起きないと変態に見られるぞ!」
「誰が変態っすか!」
リョーマのツッコミはスルーして、俺はカナエの肩を揺さぶる。
が、カナエは幸せそうな表情を浮かべたまま、起きる様子を見せない。
「くっ、こうなったら、奥の手を使うしかないか。手荒な真似はしたくなかったんだがな……」
「え!?まさか師匠、カナエに変なことをするつもりじゃ「黙れ変態、『雷の矢』」ぎゃあ!だから痛いっす師匠!」
「お前が変なことを言うからだろ!」
俺は体をビリビリと感電させて倒れ込むリョーマにそういい、改めてカナエに向き直る。
「悪いなカナエ」
そして最初に謝罪しておいて
「『水球』」
顔に大量の水をぶっかけた。
「っ!ゲホッ、ゲホッ!何!?何があったの!?」
顔をビシャビシャにさせ、カナエがようやく目を覚ます。
そして今の状況--- 下着姿で俺に抱きついている状況---を視認し
「……な、な、きゃぁあぁあぁあぁ!」
パチンッと、俺の頬を思い切り叩くのだった。
感想、評価、ブクマよければお願いしますm(_ _)m
ブックマークしてくださった人は、そのまま評価ポイントもつけていただけると嬉しいです!




