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カナエのお家。

本日二話目です!


ちょっとストックが厳しくなってきました……

カナエが今住んでいる家は、リリアーナの住む街、『レイヤード』から少し離れた町外れのような場所にあるらしい。


俺は当然そんなことは知らないので、カナエの住む家がどんなものなのか少し期待していたのだが、リリがそんな俺の考えを読み透かしてか、苦笑しながら言ってくる。


「ラクト、多分ラクトの想像とはだいぶ違うと思うよ?」


「え、マジか?」


俺が想像していたのは、中世ヨーロッパの神殿のような引くくらいの豪邸だったのだが、リリの様子を考えるにどうやら違うみたいだ。


更に、リョーマもリリに合わせて行ってくる。


「僕も最初に見た時は、かなりびっくりしたっすよ」


「そんなにか。それは逆に気になるな」


俺の中でのカナエの家のイメージがどんどんと崩れていく。


そして、俺達がカナエの家に到着した時、俺の想像は完全に吹っ飛んだ。


「……おいおい、マジかよ」


そこは、簡単に言うと、全く手入れをしていないボロアパートだった。


雑草が生い茂り、辺りの平地には大量のゴミが錯乱している。


俺には到底、この家(?)があの几帳面なカナエの住んでいる家だとは思えなかった。


「おい、リョーマ。本当にここにカナエがいるんだろうな?」


「その………はずっすよ。でも、僕が何ヶ月か前に来た時はここまで酷くなかったっすから、もしかしたらもう住んでないのかもしれないっすね」


俺の質問に、リョーマが困惑しながら答える。


最近はリョーマもリリもここには来ていなかったらしく、この惨劇と言ってもいい状況に動揺を隠しきれていない。


「まあ、見てみたら分かるだろ」


「そうっすね。ノックしてみるっすか」


多分もう引っ越したのだろう、という結論に達したが、折角ここまで来たのだから、と俺達はドアの前まで歩いていく。


そして、コンコン、と何度かノックをしてみたのだが、案の定反応がなかった。


「やっぱり、もういないみたいっすね」


「うーん、カナエ、そんな事言ってなかったのになぁ」


リリも困惑した表情を浮かべている。


でも、俺には1つ気づいたことがあった。


「なんかさ、変じゃないか?」


「え?何がっすか?」


リョーマが聞き返してきたので、俺は思ったことを伝える。


「この周辺はこんなに荒れてて、あちこち埃が被ってるのに、この扉の取っ手には全くと言っていいほど埃が被ってない。ってことは、誰かが頻繁にこの家を出入りしてるってことにならないか?」


「………あ、確かにそうっすね。周りの状況にしては、ちょっと綺麗すぎる気がするっすね」


「本当だ。じゃあ、もしかしたらまだ住んでるのかもしれないね」


「ああ」


俺の意見に、リョーマとリリも同意する。


そして、改めて相談しあった結果、俺達は試しに扉を開いてみることにした。


普段のカナエなら、まず間違いなく鍵をかけているだろうが、この状況を見た感じでは、もしかしたら、と思ったのだ。


そして、その予想は正しかった。


俺達がドアノブを回して引っ張ると、ガチャリ、と音を立てて扉が開いたのだ。


「……開いたな」


「……開いたっすね」


「……開いたね」


俺達は三人揃って同じ感想を漏らす。


そのまま中を覗いてみると、意外にも中は綺麗になっており、誰かが住んでいる痕跡が見受けられた。


外の様子とは大違いだ。


「これは確定っぽいな」


「そうっすね。まさか、カナエがここまで荒れてるとは、思わなかったっす」


「と、とりあえず、中に入ってみようよ!」


呆然と声を漏らす俺とリョーマに、リリがそう声をかけて中に入る。


俺は一瞬「おいおい、不法侵入じゃ」と思ったが、よくよく考えたら魔王と戦うまでの間もこんな感じだったなと思い直し、リリに続いて中に入る。


リョーマもそんな俺を見てから、俺の後ろをつくようにして入っていった。



中に入った俺とリョーマは、忙しなくキョロキョロとしながら中を歩く。


一緒にいても意味が無いと思ったので、リョーマに1階を頼み、俺は2階へと行くことにした。


すると、階段を登ってすぐ目の前に、部屋の前で呆然と固まるリリの姿が目に映る。


俺はそれに疑問を抱きながら中を覗こうとするが、ようやく俺がいることに気づいたリリが、慌てたようにそれを止めようとしてくる。


「ら、ラクト!入っちゃダメ!」


「え?何でだ?別にいいだろ?」


俺はリリが止める理由が分からなかったので、気にせずに中に入る。


そして、下着姿でベッドにうつ伏せに眠るカナエの姿を見つけて、リリと同じように呆然と固まってしまうのだった。

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